「台北」恐怖分子 ssspkkさんの映画レビュー(感想・評価)
台北
相変わらず台北は世界で最も映える街だと確認する。パリやニューヨーク、リスボン、レマン湖畔あるいはストラスブールよりもずっと。何気なく背景に映り込む緑は、やはり亜熱帯のそれで、濃い。パトカーが行き交い、ガスタンクがそびえ、窓ガラス掃除屋が吊られて掃除して、妻が不倫相手と手を繋いであるいて、ボーイッシュな少女が美人局援交の客を待って、銃声が響き、少年はNikonのカメラでシャッターを切り、屍体が横たわる街。雨に濡れた少女が一晩明かしたバスの運転席から見える街。短いながらディスコのシーンが凄く良い。実は台湾映画が一番ディスコ/クラブを的確に撮ってる気が、ミレニアムマンボしかり、恐怖分子しかり。銭湯にぶちまけられた脳髄、女を襲う吐き気。そう都市はいつだって気持ち悪い。ソリッドで、シャープで、タイトで、フレッシュ。恐怖分子はテロリストより全然怖い。
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