「街の匂い」恐怖分子 どらんさんの映画レビュー(感想・評価)
街の匂い
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30年前の映画?だと言う事なので時代はバブル。四角いメガネやサングラスも一周回って今のトレンドアイテムとなっている。そんな小物1つも懐かしさと共に新鮮さを感じる。
壁に細く切ったガムテープで無数の写真を整然と貼ってある中、それらが窓から吹き込む風に揺れたり、薄いレースのカーテンが風を孕んで揺れたり。また飛沫の飛び散る様など「動」の切り取られたシーンもあれば、反対に「静」となる、明け方なのか日の入りなのか分からないオレンジ色が滲む遠くの空や倒れて起き上がらない男の姿。
街の風景が懐かしくもあるのだか、まるで今のリアルタイムにも映る新鮮さ。渋谷の丸井入り口を思わせる繁華街は、元丸井の社員としては因縁のシーンというべきか(笑)
全体的に街の景観、路地裏など、夏の設定だからかもしれないが、日本の梅雨とは違うジットリ感を纏っており、人間の奥に潜む闇を感じる。
当時この映画はかなりスタイリッシュだったのではないだろうか?台湾ニューウェーブと言われていたのに納得。だがウォン・カーウァイ程の執拗な凝り方をしておらず、気が他に散らずに観れる映画でした。
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