マイスモールランドのレビュー・感想・評価
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さすがにハグ5分は長いでしょう。
世の中不条理だし、努力は報われやしない。
ヒーローや、魔術師はムダに声を揚げる人には救いの手を向けるが、
声すら揚げられない追い詰められた人たちは平気で見捨てる。
他人はその場しのぎの優しさで、何も出来ない自分の罪悪感を軽くしようとするだけで、その人たちに向き合おうとはしない。
ヒロインはそんな境遇でも生きていこうとしている。
そんなラストシーンのヒロインの表情に言葉が出なかった。
#34 難民を受け入れている今だからこそ観るべき映画
ウクライナからの難民を国をあげて受け入れている今なら、本作の主人公であるクルド人が難民として認定されない理不尽さがよくわかる。
難民を受け入れる文化のない日本に、クルド人難民がどういう理由でやってきたかはわからないが、国を離れなければいけない理由が今のウクライナ人と変わらないのに、かたや国費で難民を受け入れ仕事や住居まで斡旋し、かたや難民認定すらせず移動場所まで制限するのはあまりにも理不尽。
主人公の女の子の長女だから無駄に頑張っちゃう気持ちも、次女が姉に向かって自業自得という気持もどっちもわかる〜。
あと主人公と恋人未満友達以上の彼氏の関係が泣ける〜。
こんな背景さえなければとっくに恋人同士になれてただろうに。
映画としても良いけど、社会の仕組みの理不尽さを学ぶためにも是非全日本人に見てほしい一作。
見過ごしてきた世界を知るきっかけに
日本でも当たり前のようになってきた難民問題を、クルド人家族をとおして表現している。
主人公を演じる嵐莉菜さんが、思春期の難しさと共に、表情豊かに演じているのが印象的だった。
しかし、「万引き家族」もそうだったように、問題の本質まで深く掘り下げず、入管の非道さなども描かず、何を訴えたかったのかが分かりづらい衒いもある。
敢えてそうしているのであろうことは、是枝組の映画を見ていれば分かるものの、わざわざ「クルド」というテーマを掲げてでやる必要があったのか、という気にさえなってしまう。
もちろん、誰かが取り上げない限りは、さらに見過ごされてしまう問題なのだろうけど。そこのみにて意味があった気がする。
色々書いた割に点数がそれなりなのは、嵐莉菜さんの演技がそれ以上に良かったから。
クルド人問題
日本ではほとんど難民申請が許可されない閉ざされた国であることをまず知ってもらわなければならない。
現在、ウクライナからの人たちは難民として比較的緩やかに認められるようだか、クルド、カンボジア、ミャンマー、シリアなどから逃れてきた人たちは映画のとおりの状況のようです。
あらためて考えさせられる問題です。
主演のサーリャを演じている彼女、映画初出演でいきなりの主役立派なものでした。
エンドロールで泣いたのは初めてでした 【名前を出すことはできないけ...
エンドロールで泣いたのは初めてでした
【名前を出すことはできないけれど
この映画の制作に協力してくれた在日クルド人の皆さん】
(うろ覚え)
これを読み終えた直後から
映画館を出ても少しの間
涙が止まらなかった
マスクのご時世で良かった
ラーメンは音を立てて食べた方が美味い!
普通に暮らしている女子高生が、クルド人難民ということで、他の日本人のように自由に暮らせなくなる苦悩を嵐莉菜が見事に演じていた。登場する妹役もよく似ているなと思ったら、なんと父親役も妹役も弟役も本物の家族とのこと。道理で・・・でもラーメンを食べる時は音を立てたい!
主人公の横顔に滲む刹那が胸に突き刺さる、国境のメタファーである荒川に寄り添うようにして暮らす家族の物語
祖国を追われた父に連れられ幼い頃に妹と弟と一緒に日本にやってきたサーリャ。高校生となったサーリャは友人にも恵まれごく普通の高校生活を謳歌していたが、父親の難民申請が認定されず一家全員の在留許可が剥奪されてしまったことから少しずつ生活が色褪せていく。
小学校の先生になりたいという夢を追い、父親に内緒で部活も辞めてコンビニのバイト代をせっせと貯金するサーリャがバイト仲間で美大進学を目指す聡太とデートするのは荒川の河川敷。在留資格を奪われたサーリャ達は許可なく県境を越えることを禁じられているので彼らにとって荒川は国境そのもの。東京に住む颯太と河原で語り合ったり、幾度となく橋を渡ったりするというごく普通の行為も許されない理不尽に心が折れそうになるサーリャも、彼女を何とか支えようとする聡太も、彼女達に手を差し伸べようとする優しい人達も誰もが余りにも非力。そんな絶望が残した傷に塩を擦り込むような無慈悲で下品な大人達。
在日クルド人の家族の物語でありながらそこに横たわっているテーマは普遍的なもの、当たり前のように享受していた自由がいとも簡単に奪われる残酷な世界に今我々が住んでいることを突きつけられる重厚な作品。主演の嵐莉菜が見せる刹那がグサリと胸に刺さって抜けません。
ウクライナ人同様クルド人の難民もなんとかならないのか
クルド人の家族(父、妹、弟)と一緒に故郷から逃れ、小学生の時から日本で育った17歳のサーリャは、埼玉県の高校に通い、日本語も問題無く読み書きでき、日本人と変わらない生活をしていた。大学進学の資金を貯めるためコンビニでアルバイトを始めた彼女は、バイト先で高校生の聡太と出会い話をする様になった。そんなある日、難民申請が不認定となり、一家が在留資格を失ったことでサーリャの日常は一変した。在留証明書を取り上げられて働いてはいけないと言われ、それでも生活のため働いていた父が捕まり、サーリャはバイト先をクビになり、収入がなくなった姉弟の3人はどうなるのか、という話。
国を持たない最大の民族と言われてるクルド人の家族が日本の入国管理局に難民申請を却下されたことによる苦悩をテーマに描いた作品で、以前観た「東京クルド」に続きクルド人の苦悩を知る事が出来た。
クルド人に在留資格を与えると日本人の失業率が高くなるという懸念からなのだろうか?
もしみんなに在留資格を与えたら世界中からクルド人が日本に来ると懸念しているのだろうか?
あれだけ日本に馴染もうと努力している少女たちを救う方法は無いのだろうか?
サーリャ役の嵐莉菜が美人で可愛いからよけいにそう思ってしまうのかもしれない。
ウクライナ人だけでなくクルド人やミャンマー人の難民も何とかならないものかと思う。
なるべく多くの人に観て知ってもらいたい作品です。
【5/8追記】主人公目線にしたために、本質の筋がわかりにくい…
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(5/8追記) 他の方のレビューでわかりにくいという部分について、私の知識水準でわかる範囲で補足を入れました。
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今年130本目(合計404本目/今月(2022年5月度)7本目)。
さて、こちらの作品。私自身は行政書士試験合格者レベル(難民申請は(難民問題を専門にする)行政書士と弁護士の共管業務です)という知識です。
この映画「それ自体」は架空のお話ですが、クルド人難民の話は、特に「埼玉県で」は多いお話です。外国人問題といっても大きく分けて2つあり、一つは「適法に在留している外国人の問題」、もう一つは「適法には在留しているが(途中で難民認定が不認定になることもあるが)、いわゆる難民問題」の2つで、この2つをまず分けないとアウトです。この映画は後者であり、前者の話(いわゆる、在日韓国人等や、さらに言えば、今日、日が当たっている実習技能生などの話)ではない、ということをまず理解しないと正直ハマリが生じます。
※ このことは、「日本に暮らす在日外国人の割合」と「日本での難民申請の割合」がそもそも根本的に違う、という点がポイントになります。後者、つまり「難民申請の割合」は、2020年(令和2年度)では「トルコ」(21.2%)、ついで「ミャンマー」(15.3%)、「ネパール」(11.8%)と、トルコが妙に多いことに気が付きます(「韓国・北朝鮮」は円グラフの中にすら存在しない)。これには事情があります(後述)。
映画自体は他の方も書かれている通り、主人公のサーリャ目線です(高校1~3年)。主人公が彼女でありそこに寄せた部分があるため、クルド人難民問題の根本が何であるのか等の話がほとんどなく、正確な知識がないと「在日韓国・ブラジル人」や「実習技能生」の話と混乱したり、とにかく理解難易度は高い上に、ハードルを低くしたために固有名詞や法律的な話をぼかしたために、前提知識がないと何の話をしているのか全く不明であり、最悪ハマリ現象が発生します。
もっとも、クルド人難民問題を真向面にテーマにした映画としては「東京クルド」という映画もあり(大阪市では放映なし?)、それと分ける意味で、主人公のサーリャを目線にしたかったのだと思うのですが、日本で「クルド人難民問題」というのが何なのか、というのが大半の方では???という状況が現在(2021~2022)では、最低限の説明もないと本当にわからず混乱するのはもう仕方がないし、一方でそれらを全部説明すると180分(3時間)コースで、もうこうするしかなかったのかな…というのは否めません。
とかく前提知識がないと本当にわかりにくいので、さっそく採点にいきましょう。
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(減点1.2/説明不足等)
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・ なぜ、(難民)クルド人が埼玉県に多く在住するようになったのか?
→ 日本では、例えば大阪の鶴橋がコリアタウンと呼ばれるように、在日外国人(難民も含む)は一か所に集まる傾向があります。そのほうが相互の協力を得やすいからです。まだ難民問題や、「外国人の移住」ということが余り意識されていなかった1990年ごろ、ある方が埼玉県南部(=東京都北部)に移住したことがきっかけで、埼玉県南部(川口市など)に多く集まるようになりました(日本には2000~3000人ほどいるとされる難民クルド人のうち、7割近くが埼玉県在住という特異な状況)。
※ そして、当時(1990年時代も現在も)、埼玉県南部では工場・解体作業などの単純作業で、特に中小企業が外国人を受け入れることに需要があったことも影響しています(映画内で、クルド人が工事現場?などで多く働いている描写があるのも、これによります)。
・ なぜ、日本は難民申請に対して許可しないのか?
→ 映画中でもヒントはありますが、「クルド」という国は「存在せず」、トルコやイラン、イラク等、このあたりの国で発生した紛争による難民です。
一方、「国籍」は必ず存在しますが、「難民クルド人」の国籍は大半は「トルコ」です。そしてトルコは一般に「親日国」として知られます。したがって、日本政府がトルコを親日国として考慮している前提で「難民申請」を認めると、当該国(ここでは、トルコ)に「戦争など、何らかの問題がある」ということを認めてしまうことになります。それは日本の政府の今の立場ではないので(繰り返すように、トルコは数少ない親日国)、これらが認められないのです。
※ このこと(クルド人難民の難民申請が通りにくい事情が、トルコに配慮している、ということ)は、行政書士・弁護士の方で難民申請を扱う方では、どちらのサイド(行政書士・弁護士)でも常識扱いです。
※ 「難民申請」が全て通らないのではなく、出身国によっては通る場合もあり、実際に例もあります。ただ、クルド人に限っていえば現在(2022年)まで認められたケースは「ありません」。
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(映画内での説明不足・配慮不足)
▼ 映画内では弁護士と思われる方が出ます(「裁判で司法に認めてもらいましょう!」という発言が出るが、行政書士には裁判まで来ると関われないため)。
ただ、難民の不認定処分に対しては審査請求が可能です(行政不服審査法、入管法)。ただ、入管法のほうが特別法なのでそちらが適用されますが、「不認定通知を受けてから7日以内」と短いのが特徴です。
行政不服審査法で救済されるケースは少ないものの、難民申請に対する審査請求は7日以内と短い一方、「難民申請が不許可になっても、それらの権利行使を妨げるものではない」ので(事実、法務省でさえこの手続きは説明をしている)、この間に、裁判で争う場合の証拠集めなどをする「時間稼ぎ」には使えます。ただ、映画内ではこの話は一切出てこず。これを「時間稼ぎ」として問題視する立場も理解はしますが、裁判で争うには当然、証拠集め(ここでは、難民認定されるべき客観的な証拠集め)に時間がかかることは事実なので、権利の濫用にあたらない限り問題視はされません(そもそも、法務省でさえ審査請求の説明がある)。
※ 仮に難民申請をしていたり、仮放免されていても、裁判を受ける権利等、基本的人権は(日本国民を対象としていることが明確でない限り)その保障は等しく及ぶ、というのが判例のとる立場です(→マクリーン事件)。
さらに、入管施設に収容されると面会が許可されますが、「裁判で戦いましょう!」という割に、一体「何の裁判で何を戦うのか」がまったく説明がなく。まるで不明になってしまいます。ここは、行政事件訴訟法の中の「取消訴訟」です(要は、難民申請の不許可を取り消せ、という趣旨で争う類型の裁判)。この話が一切ないため、国賠(国家賠償法)ではないかと考えたりしても、それもそれで一理ありうる(ただし、知識を持っていれば、それではないことは一瞬でわかる)ため、ここがかなり難しい状況です。
(ほか、その他)
・ 家賃の滞納については、1~2か月の家賃の滞納では賃貸人から一方的に解約することはできない、というのが判例の立場です(特に家の賃貸借については、「居住という特異な性質」から借主の保護という観点と、「家主と借主の信頼関係が完全に破壊された」といえるほどでないと認められない)。
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★以下、5/8追記★
Q. 外国人、特に難民にも基本的人権は及ばないの?
A. 上記に書いた通り、(参政権のように)日本国民を前提とした権利であることが明確でない限り、その保障は等しく及ぶ、というのが判例の立場です(マクリーン事件)。
一方で、合理的な制約をかけることも許されます。「県外から出てはいけない」(憲法22条の1、国内移動の自由)というのも、本質は「逃亡の恐れがあるから」であり、それは外国人・難民に「のみ」及ぶような規制ではなく、日本人でも科せられることがあります。破産が絡んでくるようなケースです(これも債権者保護の観点)。
問題なのは、映画内でも「許可があれば県外にも行ける」とは描かれているものの、その申請が「異様に細かい」点であることです(実際に、中学生の子が修学旅行に行こうとしたら、どこのホテルに泊まるのか、どこの観光名所に行くのか地図まで出して全部書け、といった、つり合いが取れない(中学生が修学旅行中に逃亡する、という行政の発想が不自然)という部分です)。
Q. クルド人と日本人とのかかわりは?
A. 上記に触れた通り、大半が埼玉県南部に在住されています。日本では立場が非常に狭いということ、また、「可能性は限りなく低くても難民申請が認められる可能性」を考えて、日本語の学習も(この地域の日本人ボランティアの方の協力もあって)驚くほど速いのです(映画内でも、父親の日本語はそん色ないレベルですね)。
※ 日本語学習では、漢字圏か非漢字圏かで学習のスピードが大きく異なること、また、トルコなどは「当然に非漢字圏」という点に注意。
また、川口市をはじめとした埼玉県南部の鉄道駅などの掃除のボランティアに従事されていることでも知られますし、「文化を知って欲しい」ということで、ケバブなどを安価に提供していたりなど、「相互理解」にお互いが協力しているところで、「当地でのもめごとはほとんど聞いたことがない」ところです。
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嵐莉那さん
5つのルーツなんですね!
この役にぴったりですね。
兄弟姉妹も同時出演とは、スゴいですね!
お父さんの気持ち、娘の気持ち、とてもよくわかります。
ほんと、現実は厳しいですね!
ドキュメンタリーのように感じました。素晴らしい作品だと思います。
嵐莉那さんの今後に期待です。
今後の活躍がとても楽しみ
試写会鑑賞
在留資格を失った在日クルド人家族の物語。
監督は是枝監督率いる映像チーム出身らしく、ここでも家族の在り方を描いていました。
この儚い物語にサーリャ役の嵐莉菜の空気がぴったりで、その佇まいは幻想的ですらあるでしょう。
高校生の少女が抱えるにはあまりにも大きい問題に翻弄されて、揺れ動いて、小さな恋をして、「ずっとここにいたい」たったそれが叶わない現実。
“かわいそう”そんな気持ちだけで片付く問題でないのは十分わかっているんです。
が、選択の余地無しに子どもが犠牲になってしまうのはどうしても辛い。
そんな中、家族皆でラーメンを食べるシーン。
ごく当たり前な風景だけど、それがすごく愛おしい時間でした。
また、高校生の目線で描かれているのも作品のテーマに即して良かったです。
物語の最後。「私たちの未来に…」と言葉を詰まらせながらも、決意を持った眼差しが素晴らしい余韻でした。
監督の川和田恵真さんに主演の嵐莉菜さん、今後の活躍がとても楽しみです。
難民の苦悩
難民家族のリアルな生活を描いた切ない作品でした。理不尽な日本の社会の中で生きざるを得ない状況は、本当に心が痛みます。感受性の豊かな女子高生にターゲットを向けた監督思いは、揺れ動く心の描写を中心に、作品の中にとても鮮やかに描かれており、素晴らしい作品に仕上がっていました。
素晴らしい!
日本社会にはまだ知られざる闇があり、それを知るべき大切な作品だと思いました。サーリャの美しいだけではない複雑な表情が良かったです。胸が締め付けられる様でした。弟くんも可愛いかったです。多様なキャストが魅力的で邦画も変わったなー、と感じました。素晴らしい!
関心を持たなければ
試写会で鑑賞しました。今まで知らなかったクルド人の難民問題を17才の女子高校生を通して熱く訴えられる映画です。自分周りにクルド人の方がいたら何をしてあげられるんだろうと考えながらみていました。これからは難民問題に対して自分のアンテナを広げていきたいと思いました。
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