スワンソングのレビュー・感想・評価
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これは本当に歩ける距離なんだろうか?と心配になるロードムービー?
結局、入院したから一泊二日なのか、時間の感覚はよくわからないが、やたらと歩く距離が長く、鼻から血を流すほどの病気なのに大丈夫かとストーリーとは関係ないことが心配になってしまう映画ではある。
どこまでが実話なのかもわからないが、主人公パットは昔ヘアメイクドレッサーとして名を売ったオハイオの町に現れ、彼のお客であり友人であったリタの遺言により、彼女に死化粧を施すことになる。
華やかな昔が忘れられないパットは古い友人や昔の自分の姿を妄想として見ながらも、なんとかリタに死化粧を施すための準備を整えようとする。…が、万引きしたり、人の好意で衣装を着せてもらったり、昔の弟子であったディーディーに"ビバンテ"という名前だったと思うが化粧品のようなものを恵んでもらったりと、かなり破茶滅茶だ。
パットは最愛のパートナーをエイズで亡くしている。このあたりは時代を感じることができるが、ゲイバーの文化はすでにアメリカでも廃れているらしい。
パットにとっても、リタへのヘアメイクと死化粧が最後の花道だったということなのだろう。
その報酬2万5千ドルも受け取らず、パットは逝ってしまった。
#154
丁寧に作っているからこそのテンポが…
お洒落にアレンジされた懐メロがBGM。 聴き逃してしまうほどの音量で常に気分がいい。
会話・仕草・眼差し… 申し分なく極上。
だけどテンポは悪いや。 その分 老人が歩く速度のロードムービーは途中で出会う人々がみな善人で心和むけどね。
あの「悪魔のはらわた」のウド・キアがね・・ いい年の取り方しました...
あの「悪魔のはらわた」のウド・キアがね・・
いい年の取り方しましたよね
作品に関しては、死期が近い一人の人間の後始末のつけ方って内容で
昨今珍しくもないです。
自分らしく生きたという、そこは良かったなって思いました。
米国には黒人専用の美容室が有る。。。
田舎の教会でも黒人専用があるのは知っていたが、美容室も やはり有ると 知った。
米国の老人ホームも描かれている。
美容師が、昔の馴染み客の死に化粧をする話。
灯滅せんとして光を増す
かつて街一番のヘアメイクドレッサーであり、週末はバーの舞台でスポットライトを浴びていた主人公パトリックは仕事と愛する恋人を失い、いまや抜け殻のように老人ホームでの日々を送っていた。
無気力にペーパーナフキンを折りたたみ続け、陰でタバコをふかすだけの日々。
ただ黙ってこのまま朽ち果ててゆくしかないのか。ホームで唯一心を許していた老婆の衰えぶりを目の当たりにして彼は決心する。
かつての親友が亡くなり死化粧の依頼にこたえるために着の身着のままでホームからぬけだすのだった。
彼の人生の輝きが凝縮された街へと戻り、死に別れた最愛の人や友人との再会に浸るパトリック。
彼を知る街の人たちの援助や万引きで得た化粧品を携えていざ葬儀場へと向かうが、親友との確執からドタキャンしてしまう。最愛の人の葬儀に来なかった親友を彼はどうしても許せなかった。
ドタキャンしたその足で彼が向かったのはかつて彼がスポットライトを浴びたバーだった。そこで舞台に出るショウガールのためにヘアメイクをする。そして彼も思い出のシャンデリアを自身にヘアメイクしかつての舞台に躍り出る。彼のショウは電流が流れるほど痺れるものだった。
輝かしい過去の時代に戻った彼は電動車椅子に乗り多くの車たちを従えて葬儀場へと向かう。
かつての愛弟子でさえ匙を投げるほど衰えた親友の亡骸にパトリックも断念しかける。しかし親友との魂の会話で確執を解消し、人生最後のヘアメイクを完成させた彼はその瞬間息をひきとるのだった。
まさに灯が消える寸前に最後に強く輝くようにパトリックは自身の人生最後の輝きをみせて天寿を全うするのであった。
色っぽい老人の街中だけロードムービー
ぐっとくるものは無いが、ジワジワと余韻が残るいい映画だと思います。
ゲイカップルが子育てしているシーンは時代の変化を感じる。
老練ウド・キアー、一世一代の名演でしょう。深々とした余韻が快かったです。
アメリカの小さな町の、小さな話である。老いたヘアドレッサーが、がっての顧客の遺言で、彼女に死に化粧を施すという話です。
余生もわずかになった。何かを残して、人生を締めくくりたい。しかし、そうは思っても、老骨にむち打っての大仕事は難しい。と諦めてしまう前に、本作の主人公を見てぼしい。しみじみと味わい深く、堂々と楽しげに、白鳥の歌を歌うこともできるのです。
アメリカの小さな田舎町の道、店、風景がいい。老人ホームを抜け出したパットのロードムービーは、彼の人生を見つめる軌跡であり、寂れゆく町は演出効果そのものというべきでしょう。夕日に輝き、ダンスを踊り、死化粧を施す姿に、スティーブンス監督のゲイ文化への敬意が刻まれていました。
舞台は、米オハイオ州サンタスキー。かつて人気のヘアメークドレッサーで「ミスター・パット」と呼ばれたパトリック(ウド・キア)は、老人ホームで退屈な隠居生活を送っいました。
かつては、多くの顧客を抱えていたが、現役引退後は老人ホームでひっそりと暮らしていたのです。そこへ、仕事が舞い込んできます。お得意様たった大金持ちの女性、リタ(リンダ・エヴァンス)が亡くなり、死化粧を施してほしいと頼まれたのでした。しかし、パットは、途方もない報酬のその仕事を断ります。リタにはわだかまりを持っていたのでした。
やがて気を変え、ホームを抜け出します。そこにはゲイとして生きてきた人生や最愛の人の死、リタヘの複雑な思いがあったのでした。
パトリックは他の老人と違い、足腰もしっかりし、白いスニーカーがまぶしく映ります。食堂のナプキンを一枚一枚折り目正しく折るのは、元ヘアメイクドレッサーの手際が体に染みついている証し。だから、リタとは過去に確執があっても、依頼を引き受けることは目に見えていました。老いて堂々人生たどる旅。老人ホームを飛び出して、ふる里の町へ、パトリックはひたすら歩き続けます。それは空間を移動しながら、過去と出会う時間の旅でもあったのです
大ぶりな指輪をスッと着ける、そのエレガンスな仕草だけで、亡き友のために人生最後の仕事をすると覚悟を決めたことを鮮やかに伝えるパットでした。
古いたばこの銘柄を注文して不審がられ、化粧品店だと思って飛び込んだ美容院で冷やかされても、エレガントにかわしてみせます。自分のアシスタントから独立し、商売敵になった女性とも堂々と渡り合うのでした。そして昔の客と出会ったら直ぐに心を通わすことができました。ネットのバーチャル旅行や頭の中の空想でなく、自分の足で歩く旅。パトリックは、目の前の現実を通して、過去と向き合う旅人なのです。
旅の途中、パトリックが最も心を動かされるのは、同性愛を巡る社会の変化を目にした時。恋人だった男性の墓を訪ねて、死を悼んだり、昔毎週ステージに立っていたゲイバーを訪ねだり。ノスタルジーに浸りそうになります。いきつけだったゲイバーは明日閉じるというし、彼の愛用したヘアクリームはすでに製造中止だと聞かされます。
友と昔を懐かしんでいる目の前に、男性のカップルが子育てをする光景が現れます。そんなことは、かつては想像などできなかったことでしょう。
最後には、恋人の死を巡って、わだかまりが残っていたリタと対面することに。パトリックと一緒に旅をしてきた観客は、導かれる結論にうなずくはずです。
脚本、監督のトッド・スティーブンスはサンタスキーの出身です。パットは実在の人物がモデルで、エンドロールで紹介されていました。1984年、17歳のドットはゲイバーで彼が踊るのを見ているそうです。以来、パットはドットの「女神」だというのです。
パットはまずパートナーだったデビッドの墓に額ずきます。最愛の人はエイズが最も恐れられていた90年代半ばに死んでいました。時の流れが身に染みます。
湖のほとりのベンチで旧友と語り合う場面の何と切ないことでしょうか。ふと気づくとパットはベンチにひとり。旧友はデビッドと前後して死んでいたのです。
追憶の中では、全てが美しく、はかないものです。そして郷愁がひとしお募ります。ここに描かれるのは、勇気と衿持を保ち凛として生きたあるカリスマの肖像です。老練ウド・キアー、一世一代の名演でしょう。深々とした余韻が快かったです。
生を頂いたものは必ず訪れる そして…
貧困者向け老人ホームで死ぬまでの時間を過ごしていたゲイじいさんが、過去を振り返るストーリー。
最終的には過去を許し、穏やかに最後を迎えられたと思う。こんな最後も良いなと思った反面、違う最後もいいかもと死について考えさせられる内容でした。
ウド・キアが素晴らしすぎて
老人ホームで、お漏らし用シートをたたみ直すぐらいしかする事もない日々を送る往年のカリスマ・ヘア・ドレッサーの元に、他界した旧知の女性の遺言による死化粧の依頼が来る。
一度は拒絶するが、やってみようと思い立ち、その仕事に必要なものを調達する道中に彼を取り巻く人・場所・物事等が絡む顛末がロードムービー風に紡がれる・・・という内容です。
不満だった点を先に言います。
観る前に想像していたのと違って、意外にベタな作りでした。
彼の心情に寄り添うように随所に歌を挿入する手法もかなりベタです。
ベタが駄目だなんて言うつもりは勿論ありませんが、もうちょっと抑制の効いた渋い演出の方がこの題材には合っているのではないかと個人的には思いました。
故人の依頼に応えて死化粧を施すシーンが本作のクライマックスになると思いますが、その表現手法が殆ど主人公の顔と手元のアップの切り替えだけ、というのも私には不満でした。
まあ文句はこれくらいにして
とにかくウド・キアが素晴らしいです!
彼を見るためだけだけでも入場料を払う価値大ありです。
この映画には、いい場面が沢山あります。
アイテム集めの道中で繰り広げられる様々な人たちとのふれあいで、ほっこりしたり、クスっと笑えたり、身につまされたり・・・。
ときおり訪れるこういった場面が心に沁みるシーンになり得たのは監督の手腕よりも、ひとえにウド・キアの演技に負うところが大きいと思います。
私にとって心に残る映画が、彼のおかげでまた一本増えました。
以下、思いつくまま箇条書き的に
・白鳥は死ぬ間際に最も美しい声で歌うという伝説から、アーチスト等の生前最後の作品を指してスワンソングというそうですね。
初めて知りました。
・MOREが吸いたくなりました。
せっかく煙草をやめたので吸わないけど。
・実在の人物がモデルだそうですが、この映画のストーリーは実話なのでしょうか?完全な創作でしょうか?
・「デビッドに会ってきたよ」
「そうか。相変わらず死んでたかい?」
このやり取りが、やけに心に残りました。
以上、お粗末でございました。
小さな町での、ささやかで、偉大な物語
老人ホームで特に面白いこともなく、唯一の楽しみは隠した煙草で一服すること。友人の死化粧を依頼されたことから、町に戻り、旧知の友人や場所を訪ねながら、自身の人生を振り返っていくロードムービー。
パット役のウド・ギアーがよかった。表情や煙草をふかす仕草は色気あってとてもカッコいいのに、一方で、リュックを背負って、ちょぼちょぼ歩く姿はなんとも可愛らしい。町でゲットしていく帽子や衣装に身を包み、堂々とした様に変化していくのも素敵。
恋人や友人やそれを取り巻く人々との間のわだかまりや、心残りのようなもの、つらい感情のようなものを、今回の旅で、みんなからの色々な形での愛情を、確認でき、これまでの人生を少し違った風に書き換えることができたのではないでしょうか。
「靴だけは趣味がいい」リタからこっそり靴を拝借し、それを見つけたリタの孫がくすっと笑うシーンは、心がほっこりしました。
ロードムービー強め
ゲイ色の濃い映画かと思って観たら、ロードムービー強めで、
あとからポスター確かめたら、ロードムービーと書いてありました(笑)
基本ロードムービーですね。
良かったです。
少し甘めの星4つ。
気軽に観れると思います。
エンドロール後も少しだけあります。
映像のクオリティだけが惜しい
非常に面白かったです。
脚本、音楽、演技、最高でした。
結構ありがちな「不自由な老後をテーマにして人生の本質を訴える」という話と、LGBTの葛藤という、どちらか一つでも映画が出てきてしまうものを見事に描いていました。センスも良かったですね。
実話を元にしているようですが、切り出し方が上手かったです。
老人ホームでの美容師のころを忘れられずタバコを吸いながら女性の髪をいじっているシーンと、クライマックスのスタイリングのシーンの対比がとても気持ちよかったです。
やはり人生、最後まで自分らしく生きたいと思わせてくれる良い脚本でした。
演技も良いですね、老人ホームでは非常に男性的だったんですが、外に飛び出してジワジワと本当の自分である「お姉」に戻っていく様は素晴らしかったです。
惜しむらくは映像で、画質が低いのもありますが、画角自体ももっと色々と変化があっても良かったかなと思います。
ちょっと似た様なシーンが多く、単調な印象がありました。
ウド・キアーの色気満載
2022年劇場鑑賞191本目。
実在したゲイのカリスマ美容師をモデルに、最後の仕事をすべく旅するロードムービー。とはいえゴールに向かいつつも目的を行うかどうか悩みながら行くので着いたら終わりではないのが他のロードムービーとちょっと違うところ。
ほとんど無一文で出かけたはずがいつの間にか色々手に入れてオシャレになっていくのが面白いです。正直最初はゲイだと分からなったのですが、だんだん色気が出てきていました。中盤少しダレたかなと思いましたがラスト良かったです。
スワンソングという意味を始めて知った。 ゼッペリンの”スワンソング...
スワンソングという意味を始めて知った。
ゼッペリンの”スワンソング”ってそういう意味だったんだ。
ロードムービーを期待したのが、前半は単調すぎた。
鑑賞後心が温まるお話
作品のレビュー前に、上映後に行われた監督とのオンラインインタビューの模様を少し。
インタビュー冒頭いきなり監督のゲイカミングアウトから始まって「そのカミングアウト必要?」と思ったら、この作品は監督が幼少期に過ごした街にいて、強烈なインパクトを与えた有名人(パット)について、監督本人と近親者たちの記憶に基づいて作り上げたものとのことで、その後の監督の人間形成に影響があったのならカミングアウトも必要なパーツだったのかと納得した次第。
その後のインタビューでは主演がウド・キアに決まった経緯や撮影は16日間というタイトな日程で行われたことなど、非常に興味深いものでした、いやぁ、これはこの回を観てよかった!
さて、作品ですが、2日間ほどの間に元カリスマ美容師であるパットが元親友で顧客であった女性の死化粧を施すまでに繰り広げられるロードムービー。
監督の言葉によれば保守的で画一的な格好を好む人々が暮らす街が舞台なのですが、登場する人たちは総じて寛容で悪人が出てこないのがとても心地よく、クスリと笑えるシーンも盛り込まれテンポ良く進んでいきます。
しかし、パットが一旦は受けた依頼をできないと悩み始めてからの過去への回想シーンと現実か夢想なのかわからないシーンが中盤続くあたりがややダレ気味になったのが残念なところかな。
とはいえ全体を通してユーモア・愛情・思いやりにあふれる良作だと感じました。
ウド・キアの演技も素晴らしかった!
LGBTものととらえるより、友情を取り戻すロードムービーと受け止めて幅広く観てもらいたい一本です。
全ての人間に平等に与えられたもの…
良かった。
いや、本当に素直に良かった。
最近の作品ではなかなか無いタイプの良作かと。
確かにこんなジジイいたらかなり迷惑だけど、色んな矛盾や何もかもを、いや、だってこれ映画だしって飲み込めるチカラを持った作品です。
なのにしっかり、人生とは?許しとは?愛とは?友情とは?などなどなどなどを、しっかり考えさせてくれる。
ちょっとだけ、老いたゲイの感傷に付き合ってみて下さい。
観た後、不思議と笑顔になっちゃうから。
【”これが、私の人生・・。”彼(彼女)は自分の人生を遡りながら、自分がゲイカルチャーを謳歌した町一番の金持ち女性の死化粧をする旅に出る。鬼才ウド・キアー、遂に名優の域に達したと思った作品である。】
ー ウド・キアーと言えば、私にとってはどんな映画のどんな役でも引き受ける顔の怖い超脇役というイメージがあった。
近年で言えば「アイアン・スカイ 第三帝国の逆襲」である。他にも、彼の経歴を見ると、”絵、この映画にも出ていたっけ?”と言う程の出演作品選択の幅広さである。
で、今作で彼は見事にゲイの老ヘアドレッサーとして主演を張り、演じきったのである。-
■老人ホームで余生を送っていた元ヘア・ドレッサー、パトリック(ウド・キアー)の元に、ある日弁護士が現れる。町一番の金持ちで町の発展に寄与してきたリタ(リンダ・エヴァンス)が亡くなり、遺言書には”死化粧はパトリックに・・”と記されているという。
多額の報酬(2万5千ドル)も提示されるが、パトリックはその申し出を断る。
何故なら、リタは長年パトリックの顧客だったが、パトリックの一番弟子ディーディーが独立し、パトリックの店の反対側に店を出した時に、ディーディーの店に鞍替えしたのだ・・。
◆感想
・それでも、パトリックは悩んでいたのだろう。施設の煙草仲間の女性のヘアーセットをしてあげて、腕が落ちていない事を確信した彼は、施設を抜け出し町の中心部に向かう。
ー 途中では、且つて深く愛したデヴィッドの墓に詣で(その墓には、パトリックの名も刻まれている。)蹲り抱くように墓を抱く・・。ー
・更に、既に死んでいる筈のゲイ仲間の男を呼び出したり、且つて頻繁に通っており、金曜日の晩にはステージにも立っていたゲイバーに立ち寄ったり・・。デヴィッドと暮らしていた家を訪れたら、更地になっていたり・・。
ー 且つて、彼が愛した町の風景は激変し、ゲイカルチャーは風前の灯。ショックを受けながらもリタの家に辿り着くが・・。
印象的なのは、パトリックの事を町の年老いた人達の殆んどが知っており、温かく迎える姿である。彼に衣装一式を与える服飾店の且つて彼にヘアードレッサーをしてもらった女性、ディーディーも驚きつつ、彼に年代物の美容用品ヴィヴィンテを差し出す姿。
彼が、如何に皆に愛されていたかが、良く分かる。-
■白眉のシーン
・ディーディーが諦めたリタの死化粧をパトリックが見事にやり切り(ここの美術が凄い。)、リタの孫の口から出た言葉。
”悩んでいた事があるんだ・・。そしたら、お婆ちゃんが”そんな事、何でもないわよ、私の親友だってゲイなんだから・・”と言ってくれて、僕は救われたんだ・・。”
その言葉を聞きながら、足を組み、悠然と紫煙を燻らすパトリック。
そして、その手から煙草が落ちる・・。
<劇中流れる歌の艶やかさに合わせたかのような、ウド・キアーの口から出るお姉言葉や、身のこなし・・。
鬼才、ウド・キアー。今作にて遂に名優の域に達したなあ、と思った作品であった。>
タイトルなし
正直、やっかいなじいさん
でもなぜか憎めない
そんな彼が、わだかまりを残したまま、疎遠になり、亡くなった親友の頼みを聞き、彼女の旅立ちのためのヘアメイクを施しに出かける話
パットが施設にいるあいだに、街も時代も変わっていった、そんな街にかつての思い出を見つけながら彼の旅は続いていく
少しずつ、少しずつ、指輪の数が増え、少しずつ、少しずつ、かつてのミスターパットがよみがえる
友人たちも、愛した人も、家も、思い出も失い、その時、遺された者に残るものはなんなんだろうか
当たり前だが、許すことは、当人以外誰にも出来ない
端から見て、それが些細な、こだわるほどでないとしても
そして、許さないこともつらい
許さないことは時間を止めること
許すことは、止めた時間を再び動かすこと
エンドロール前の最後のシーンにクスッとしながら、エンドロール後のワンシーンに微笑んだ
come and see me sometime
歳を重ねるってこういう事、なのかな。
歳を重ねて周りの友人や恋人もいなくなって自分が長生きした時、どんな感じになっていくのかな。寂しく生きるかもしれないし、過去ばかりを思い出して現実と思い込みの間がわからなくなってくるかも。最期は何かをやり遂げたと思って終わればよいなー、とか考えた。
悪い映画ではないけれど、、、
表題どおり、悪い映画ではない。よい映画だと思う。しかし、私には今ひとつ、心に食い込んで来ない。もっといい映画になれたかもと感じてしまう。
睡眠不足がたたって、数回眠ってしまった。特に前半部分。私だけでなく、後ろの方でいびきをかいている方がいた。退屈な証拠ではないか。
シャリー・バッシーやダスティ・スプリングフィールドの懐かし歌が聞ける。
全46件中、21~40件目を表示