「【異空間かい?】」ザ・ハーダー・ゼイ・フォール 報復の荒野 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【異空間かい?】

2021年11月23日
iPhoneアプリから投稿

そう云えば、西武池袋線の秋津駅とJR武蔵野線の新秋津駅の間には異空間への入り口があるとタレントさんが話しているのを、最近、YouTubeで観たのを思い出した。

この作品は、ミュージカルではないけど、音楽に合わせたような演出も面白い気がする。

舞台はアメリカ西部開拓時代の架空の”空間”。

空間と書いたのは、完全に黒人の町と白人の町に分離された、ありそうで、きっと無い架空の設定になっているからだ。

だから、ちょっと異空間の話をしてみました。

(以下ネタバレ)

白人は、ほとんど登場しないが、保安官が「悪魔は白人」と発言したり、主人公が白人の町の銀行を襲ったりするのを見ると、アメリカ社会への結構な皮肉も感じられる。

ただ、黒人社会の黒人の町で、復讐する側とされる側が双方、黒人ということで、異なる人種の対立というありがちな設定を敢えて排除し、この復讐の因縁を見せようとした、ある意味、野心的な作品なのだと思う。

そして、悪人が改心して、生まれ変わったように善人として生きても、因縁のある人間は許すことができないとか、それを許すことが出来ないということに対して、自身も復讐心で生きた人間として、自分がどう向き合うのか、映画の結末とは別に、考えさせられるような、普遍的なテーマも含んだ作品仕立てにしていると思う。

まあ、肩の力を抜いて、西部劇の昔ながらのドンパチや、単純なストーリーを楽しむことが前提の作品です。

単純に面白いと思います。

ワンコ