「【滅び行く建物への鎮魂歌をダーク・ファンタジックに描いた作品。一夏の不可思議な経験は、確かに子供達を成長させた。"十五少年漂流記"を想起させる作品でもある。】」雨を告げる漂流団地 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【滅び行く建物への鎮魂歌をダーク・ファンタジックに描いた作品。一夏の不可思議な経験は、確かに子供達を成長させた。"十五少年漂流記"を想起させる作品でもある。】
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- 今作品は、戦後に多く建てられた団地や、遊園地や、デパートが古くなり建て替えられる姿と、嘗てそこが居場所だった子供達の想いを巧くミックスさせている。-
◆感想
・ストーリー設定は、確かに粗い。だが、"漂流教室"を想起させる壊される団地が、大海原を漂流するという、奇想天外な設定に、惹き込まれる。
・何処にも居場所がなかった夏芽は廃団地にしばしば通い、幸せだった日々を思い出している。それを優しく見守るノッポ君。
- 長きに亘り、存在した建物には精霊が宿るのである。遊園地も、然り。-
・そして、夏芽は心の蟠りを漂流する中で、嘗て一瞬に住んでいて、兄妹の様だった航祐にぶつけて行く。
- この辺の夏芽の想いの背景がキチンと描かれていないのが、残念である。-
<夏休み、冒険、漂流と言えば"十五少年漂流記"が想起されるが、今作品も少年少女達がサバイバル生活を送る中で、ナカナカ言えなかった本音をぶつけ合う事で、蟠りを少しずつ解消し、成長して行く姿をダーク・ファンタジックに描いた作品である。>
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