「後半の単調さと釣り合わない小学生のサバイバル映画」雨を告げる漂流団地 たいよーさん。さんの映画レビュー(感想・評価)
後半の単調さと釣り合わない小学生のサバイバル映画
完成披露試写会で一足先に鑑賞。公開前に低いレビュー書くのも恐縮だが、自分にはハマらず。小学生にこれするか…というある種の暴力性を受け入れられなかった。
いわゆる冒険活劇と呼ばれるジャンルを団地で持ってくる、なかなか面白い設定。テーマや描かれることに対しての説得力は確かに物凄くある。童心で無垢、クラスが世界の全て。だからこそ逃げられない環境があり、そこに立ち向かう姿が強く大きく見えていく。漂流している理由やそこに行くまでの現実、何度も考えて導き出す、トライアンドエラーの姿は夏の冒険心を持っているし、なんだか力強い。
しかし、小学生だから出来ること、出来ないことの危うさが同時に孕むことを忘れてはならない。家庭環境や友達の関係、それを口喧嘩やぶっきらぼうで片付けるには早計に思えてしまった。そこまでの生命力を携えていると感じられず、いかにも都合主義が勝っているように写ってしまった。単純に好みの問題なので、悪しからず。
声優だけで固められたキャストは安定感しか無く、小学生らしい和気あいあいとした声がサラウンドで聴こえることに魅力を感じた。実際、舞台挨拶で柔らかい人となりが見えて楽しかった。
割と若年性に釣り合わない作風を観ると冷めがちな自分にはハマらなかった感じ。とはいえ、Netflixで観るより迫力のある劇場で観る方が楽しめること間違いなし。ぜひ、映画館で。
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