「高齢者売春を通して、"家族"と"社会のルール"を見る」茶飲友達 870さんの映画レビュー(感想・評価)
高齢者売春を通して、"家族"と"社会のルール"を見る
クリックして本文を読む
あらすじを読んで興味本位で観てみたのですが、非常に良い作品でした!
渡辺哲さん演じるお爺さんから始まりお爺さんで終わるのが、切なくも映画として綺麗な終わり方すぎて…
ケーキを運んでみんなで写真を撮っている、あのキラキラしたシーンで終わって欲しかった…と誰しもが思いそうなラストでした。現実世界の「ルール」によって導かれたラストとも。
フィクションであっても現実世界で違法、犯罪、グレーゾーンである事を肯定する結末にしない点が、ストーリーをそのまま表しているようで好きなポイントでした。
「家族」も大きなテーマとして劇中を通して描かれていましたが、茶飲友達のオフィスや仲間内ではもしかして「家族」という言葉は使っていなかった…?ずっと「ファミリー」と言っていたような気が…
同じ意味合いながら、呼び方を通して本質的な部分の違いを表している感じがしました。
近年、血の繋がりがなくても家族になれる!というストーリーが多い中、今作では1つの出来事で「ファミリー」があっという間にバラバラになってしまう&反発しあっていても結局血縁のある「家族」が会いにくる、というラスト。
正直、最もリアリティのある物語だと感じました。
俳優さんも皆さんとても良かった。
特に松子(若葉)役の磯西真喜さん…万引きをしていた頃→茶飲友達で活動している時→ラストでの見た目の変化があまりにも凄すぎました。
メイクや服装の力だけでは無い事が素人目でも分かる…素晴らしかったです。
コメントする