「やや不自然な点もあるものの、好印象。」茶飲友達 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
やや不自然な点もあるものの、好印象。
今年88本目(合計740本目/今月(2023年3月度)23本目)。
もともと1つの映画館だけで「細々と」やっていた作品が口コミなどでひろがって、今では大阪市でも見られるようになりました(それでもミニシアター中心)。
実際の事件をもとに作られた、いわゆる「高齢者売春」を扱う映画です。ただ、それは一見すると本筋であるように見えますが(公式サイト等)、実はサブになるのは「産む・産まないの選択権」「ギャンブル等依存症」、もっといえば「高齢者の孤独問題」(孤独でなく満足に生活していれば、今回のようなことにはならないことは明白)に論点があることはすぐにわかります。
一応、PG12扱いなので「発言の一部において」やや不穏当かなと思う点もあるものの、描写「それ自体」に関しては配慮があります。
この映画をどう解するかは難しく「売春行為は何が何でもダメだよ」という見方はおそらく表面上のものではなく「高齢者福祉がどうあるべきもなのか」、もっといえば「困っている人に対して(年齢を問わない)、福祉行政はどう接するべきなのか」という「福祉行政の在り方」が問題提起されているように思えます。これ自体は「福祉「行政」」といっても行政書士の資格持ちがどうこうできる範囲を超えてしまいますが、そのような「行政側の不作為」(ある事象について、何もしないことを「不作為」といいます。要は「棚上げ・先延ばし」と一緒)が論点・問題提起にあるのだろう、ということになります。
採点に関しては下記が気になったので、4.7を4.5まで切り下げています。
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(減点0.3/ストーリーが不自然な点がある)
・ この映画を実際に見ていただくとわかるのですが、この「茶飲友達」の組織に、妙なまでに法律に詳しい人がいます(少なくとも行政書士以上の資格持ちでないといえないようなセリフを出してくる人がいます)。この映画は先に述べた通り、「参考にしたもとの事案」がある事件ですが、そちらのニュースではそのようなことは書かれていないのですよね(当時の報道による)。
ただ、そうした資格持ちがこうした「明らかな法律違反」に加担していれば、登録していればもちろん業務停止処分等、登録していなくても「いい加減にしろ」と言われるのは明白で、なぜに「妙に法律に詳しい人」が出てきたのかは謎です(登録者=開業者はもちろん、合格者でもこんな「明白に法律違反」と言えるものに加担することはないので)。
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