「高齢者風俗ではなく家族を問いかける」茶飲友達 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
高齢者風俗ではなく家族を問いかける
ちょっと前に女性の友人(40歳代)がマッチングアプリをやっていたときがある。いいねのくるのが60代や70代ばかりで40歳代女性の婚活の厳しさを実感していると話していた。20年前の70歳代に比べると今の70歳代は元気なんだろうと思う。活動的だし、見た目も若々しい人が多い気がする。もちろん性欲もまだまだって人も多いんだろう。
本作は、高齢者向け風俗を描いているんだけど、違うものが見えてくる映画だった。高齢者の孤独、シングルマザーの苦悩、若い世代の運営サイドのチームワーク。高齢者の性というよりは、家族って何?というテーマを問いかけてくる。
寂しさを埋めるかのようにティーフレンドにハマる高齢男性たちの姿は、とても孤独で切なくなる。でも、同時に彼らがとても元気だってことに感嘆してしまう。「性欲は生きる力」ってセリフがすんなり入ってくる。
高齢者向けの風俗という視点が面白いと思っていたら現実に摘発された風俗だってことに驚いてしまう。やたらとリアリティがあるのもわかる。映画で出てきた売春行為は犯罪だ。でも、それで救われる人がいたことも確かだと思う。善悪、正しいかどうかだけでははかれないものが世の中にあるってことも考えさせられる。なかなか奥の深い映画だ。
主演の岡本玲がとてもいい演技だったことも付け加えておく。もっと他の映画も観てみたい。
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