「一般指定(G指定)であることも相まって理解は困難。オフィシャルページ事前学習必須」ユンヒへ yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
一般指定(G指定)であることも相まって理解は困難。オフィシャルページ事前学習必須
今年11本目(合計286本目/今月11本目)。
※ ここだけでなく、「オフィシャルページのストーリー紹介」等に書いてあることはネタバレ扱いしません。
この映画はG指定です。つまり、誰でも見ることができる映画です。
映画のストーリー自体は他の方も書かれているので細かくはカットします。韓国に住んでいる方があるきっかけで小樽市に行って…そこで知ったこととは…といった内容です。
そして一般指定(G指定)ということもあり、何を伝えたいのか「予習なし」ではかなり厳しいです。女性が大半を占めること(男性も出ます)、恋愛がどうのという話から、いわゆる「同性愛をテーマにした内容ではないか」ということはだいたい想定がつきますが、映画内でこのことが明かされるのは最後というような状況です。もちろん一般指定ですから、直接的な表現はなく、一般的な表現になっているので、見方によっては「何がなんだかわからない」という方も出てくるのではないか…という状況です。
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▼オフィシャルページのストーリー紹介から
これまで韓国では正面から描かれることが少なかった中年女性の同性愛と彼女達が経験してきた抑圧を真摯に描き出し、韓国のLGBTQ+コミュニティや女性達から熱狂的な支持を受け、2019年の釜山国際映画祭では…
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要はこうなのであり、いわゆるクィアを扱った内容です(実際、韓国国内ではクィア賞を取っていたりもしています)。このことを「事前に」把握していないと正直ハマりが発生します。こういった事情があること(もちろん一般指定という事情から、深く描写はされない)は最後の5分くらいまでしかわからず、「小樽市に韓国人の方が旅行してうんぬん、寒い小樽市で雪をかきわけながら寒いだの何だのいいつつ宿を取りつつ旅行する…」という展開がずーっと続くので「趣旨が理解しがたい」という方も出てくるんじゃないか…と思います。
最後まで見ればこの問題が提起されていることはわかりますが(何度も言っているように「一般指定」なので、直接的な表現はされていない)、とにかくストーリーの筋がこうした状況から本当にわかりづらく、公式のオフィシャルページ(これを見るのはネタバレでも何でもない)を見ていないと本当に混乱します。
※ 韓国映画は「ストーリーがわかりやすい」「恋愛ものなら恋愛もの、アクションものならアクションものとはっきりわかる」というカテゴリですが、この映画に関してはそうとは言えないでしょう。
ほか、月(moon/地球の衛星)に関する考察などは他の方と同じ見解(月はluna(ルナ)ですが、その形容詞 lunatic には「変わった人」といった意味があります)です。
この「月に関する描写」の見解は同じですが、韓国では月に関する文化は日本と若干でも違うのかな…とは色々調べてみたのですが、特にはなさそうです。
※ なお、「月の満ち欠け」というのも一つのポイントになります(これで何日たったのか、ということが示唆される)。そのため、なぜか妙なところで天文ネタが入っていたりもします(月の満ち欠けは小学6年の範囲)。
このことは事前に予習していないとわからないのではないか…と思います(私も知らなかったのですが、シネマート心斎橋さんでは映画紹介で新聞記事の切り抜き紹介などがポスターと一緒に紹介されていて、なるほど、そういう内容なのね、ということが分かったわけです。ただ、それはミニシアターや韓国映画に力を入れている映画館(要は、結局はシネマートになっちゃう…)でないと無理で、事実上「公式サイト事前予習必須」というところではないか、と思います。
採点は上記のようなこと、および下記を考慮して次のようにしました。
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(減点0.3)結局上記につきるのであり、この映画の「真のテーマ」が上記(公式サイトに書いてある通り)であることは、もう事前に公式ページを見ていないと、まぁもう無理ではないか…と思います(最後の5分まで出ないし、一般指定ということもあって、かなり間接的にしか字幕が出ないというのもある)。
※ お隣韓国は、日本とは当然ある程度は違っても、言論の自由や表現の自由はあるはずですし、日本の映倫に相当するようなものもあると思うのですが、これらがテーマのときに「これらがテーマです」と最初に「映画内で」言っちゃうのはアウト判定を食らうんでしょうか…?
(減点0.1)「鳥肌が立つ」という語は最近は誤用が目立ちますが、「単に感動した」という意味では使わない語です(国語辞典参照)。韓国から来た方が使うならまだしも、日本人(この映画は小樽市がテーマで、日本人役は日本人が演じています)がこの誤りをするのはどうなのかな…と思いました。これもやはり「全体を見渡して考えたとき」の話で、「ストーリーがわかりやすい、一本道ないし二本道くらいで、見て楽しむタイプの韓国アクション映画」なら減点対象でもないですが、本映画はとにかく「わかりにくい」というのはもう避けられず、そこにさらに誤用表現まで出るので、さらに大混乱を招きます。
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