「【香港市民に向けて】」レイジング・ファイア ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【香港市民に向けて】
ベニー・チャンの遺作なのだけれども、この映画には、実は、彼のメッセージが込められていると思う。
最後の決着は、カンフーで正々堂々ととか…、古き良き香港映画の良さを残しながら、でも、本当は筋立てに意味が隠されているように感じる。
この作品を観た12月29日、香港のネットメディア・立場新聞が、中国共産党に対して批判的だとして摘発され、資産数億円相当が差し押さえられ、発禁、全従業員の解雇に追い込まれた。
(以下ネタバレ)
分断されたチョンとンゴウは、民主派と親中派に分断された香港市民そのものではないのか。
香港市民の香港警察が民主派を取り締まって、香港経済界の多くは、実利のために、民主派を実は疎ましく思っている。
中国政府は高みの見物で、もし指導部がポカしたら、それをすげ替えれば良いのだから。
アクションは目を見張るし、迫力もあるけれども、内容はギリギリのストーリーのような気がする。
なんとか香港市民が融和できるような状況が訪れることを祈るが、なんか、この映画のストーリーや結末のように、事態は簡単ではないことは明らかで、民主主義国家は、声を上げ続けなくてはならないと思う。
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