劇場公開日 2022年10月7日

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「話が穏やかすぎて物足りない」僕が愛したすべての君へ tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5話が穏やかすぎて物足りない

2022年10月8日
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2作のうち、こちらは後に観た。
「君を~」のラストシーンから始まるということもあって、「君を~」よりも物語に入り込みやすく、内容も単純で、分かりやすかったように思う。
幽霊の栞を定着させる肉体に宿っていたもともとの虚質(魂?)はどうなったのか?といったことなど、「君を~」で感じた疑問もほとんど解消されて、すっきりする。(おそらく、逆の順番で観ても、後に観た作品で、同じように疑問が解けるのだろうが・・・)
何よりも、「君を~」で、エンドクレジットの後に声だけで描かれた66年ぶりの再会を、たっぷりと堪能できるのが良い。やはり、このシーンこそ、2作を通じたクライマックスと言っていいだろう。
ただ、幸せな人生の物語である反面、ストーリーに起伏が乏しく、穏やか過ぎることに物足りなさも感じてしまう。だからこそ、栞の転送先の世界として選ばれたのだろうが、例えば、唯一の事件らしい事件である通り魔のエピソードなども、もっと別の描き方ができたのではないだろうか?
それから、和音が度々口にする「野良犬から助けてもらったこと」とは、暦が、死んだ犬に会うためにパラレルシフトした先の河原での出来事だと思うのだが、もう少しちゃんと説明してほしかった。

tomato