チェチェンへようこそ　ゲイの粛清のレビュー・感想・評価

目を背けたくなるような衝撃シーンの連続は、「本当にドキュメンタリー映画なのか」と何度も疑ってしまう。しかし、これは世界の事実なのだ。
遠く名前すら知らなかったチェチェン共和国で起こっている真実を知ってしまった今、自分にできることは何なのだろうかと無力ながらに考え続けている。
作中には、避難者の方だけでなく、LGBTQ活動家や避難者・活動家の家族といった関係者の方々も出演されているため、当事者以外の立場についても、理解・想像が浅いながらに考えさせられる。

マイノリティであるという理由で国家規模で迫害に合う信じたがたいこの事実を、映画として世に届けてくれた制作チーム、撮影に協力してくれたチェチェンの人々を心から称賛したい。

命懸けのこのドキュメンタリーを、一人でも多くの人に知ってもらえるよう微力ながら発信していきたいと思う。

チェチェンで現在も起こっていることを危険すれすれの撮影で捉えた勇気のあるドキュメンタリー作品。迫害を受けるLGBTQの人々を支援し、命がけで救出しようとする活動家たちに心を打たれます。知らなければ無いことで終わらせてはいけない、世界への問題提起だと思いました。マイノリティへの弾圧やヘイトクライムなど、今や不寛容はそこかしこで起こっています。ただ自分として生きたいだけなのに、どうしてこんな困難に立ち向かわなければならない世の中なのか。他人事ではなく、深く考えさせられる力強い秀作。見てよかった。そして、たくさんの人にも見て欲しいと思います。