「予想に違わず」ドーン・オブ・ザ・ビースト 魔獣の森 木村忠啓さんの映画レビュー(感想・評価)
予想に違わず
わが師のひとり光瀬龍氏が「推理小説もSF小説も、序盤ではどんどん風呂敷を広げていく必要がある」と言いました。
続けて「推理小説は後半で風呂敷をきっちりとたたまなければならないが、SFは広げっぱなしでもよい」と言います。
ホラーも広義のSFだとすると、風呂敷は広げっぱなしでいいことになります。
なぜ、ここにゾンビがいるのかとか、細かいシチュエーションは二の次にしていいということです。
お化け屋敷にも、ストーリーはありません。
この手の映画では、リアリティを追い求めるよりも、アクションシーンに注力することとなります。
イントロはかなりいいので期待したのですが、予想に違わず、中盤からはグダグダになります。
最後はもっとグダグダになってもよかったのではないか、と思われますが、強引にまとめています。
ただひとつ、ストーリーで気になったのは、朝一番で自分達の置かれている危機に気づいた残されたメンバーが夜まで何の策も立てなかったというのは間抜け過ぎると思いました。
大学の先生も、この道一筋に研究しているには、間抜けだし、10年も恋人の仇を狙っている男も間抜け。
間抜けのオンパレードでは、緊迫感が殺がれた思いがしました。
何となく、痒いところに手が届かないもどかしさは残ったものの、すべて予想を裏切らないB級ホラームービー。痛快でした。
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