ちょっと思い出しただけのレビュー・感想・評価
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2回以上観ると更に面白くなりそうな作品
映画館に観に行く前に、本予告を見ました。
雰囲気やストーリーの構成が【花束みたいな恋をした】に
似ているな〜と思いました。
実際映画館で本作を見ていると、
まず物語は現代から始まります。
コロナ禍、マスク生活のまさに今、最近の都心が舞台でした。
コロナ禍の生活が映画になる程当たり前になり、それほどの時が経ったんだなあと感じました。
そのあと、物語は少しずつ過去へ遡っていきます。
ここで、【花束みたいな恋をした】では、「5年前」
などと言った文字の表記がありましたが、
本作品はそれがありませんでした。
主人公(?、違ったらすみません)の誕生日日付が場面ごとに表されるのですが、そこに年の表記はなく、
何月何日何曜日 のみです。
しかしこの『曜日』が変わっていくのです。
これが同じ日でも年が違うことを表す唯一の表記。
これに気づくまでに2年分かかってしまい、もう少しわかりやすかったらなあ〜と多少思いました。
が、気付いてからはこんな表し方もあるのか!と感心しました
主人公の足の怪我、マスクの状況、車はハイブリッドからガソリン車と、時代は綺麗に戻っていきます。
その変化を見つけるのが一つの楽しみでした。
男女の言い合い、カップルならではの会話、街の雰囲気、
綺麗すぎず、演技感も無く、見やすかったです。
ハッピーエンドとは言い切れませんが、とくに胸に嫌に残るものもなく、見てよかったなと思います。
また尾崎さんですが、売れないバンドのまま終わってしまう。
本当はもう有名になってるクリープだけれど、あえて有名にならないままでストーリーが幕を閉じる。
その世界線が映画の世界観を更に作り出しているようで、わたしは好きでした。(クリープファンの友達は多少怒っていましたが。)
時代の流れを分かった上で、もう一度みたいなと思う映画です。
掛け合いが面白かった
池松壮亮さんと、伊藤沙莉さんの掛け合いがとても面白かったです。
とりあえず、最後は、どんだけ思い出してるねん、お前は奇面組か、とか思いましたが、なかなかよかったです。
なお、最後の最後で、来場者プレゼントをQRコードて配るので、スマホをすぐ使えるようにしておくことおすすめします。
わたしは撮り逃しました。かなしみ。
消えない存在
今日は久しぶりに天気が良いから、同居人が掃除機を引っ張り出して、いつも絶対にしない掃除をしている。本当は朝早くにモップで掃除済みだけどな。言えないで「ありがとう」。
体調が良くないからテレビがうるさくて消した。同居人は不在にして見ていないのに、消すと怒る。しぶしぶ黙ってつける。
そんな午前を過ごしてここに座っている。
ベッドルームの日めくりカレンダーは11月9日のまま。まだめくれない。
私が映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』を観たのは今年の9月11日。
参加したライブ「クリープハイプの日」で新曲として演奏され、印象が強く、観てみたいと思った。
世界のあらゆる街の同時刻、タクシー車内の描写。
人の崇高さ、孤独、先入観の怖さ、言葉の暴力、そしてあたたかさ、救い。
タクシーは人の本質があらわになる独特な場所。
クリープハイプの曲「ナイトオンザプラネット」が原案というこの映画を観た。
余計な説明がなくて、観る側に投げてくれるのが心地よい。
「?」と思いながらついて観ていくと、いつしか照生と葉の心をなぞっている。
クリープハイプの曲は映画に添えられる、というよりも、寄り添って溶けている。
演奏シーンもあり嬉しい。
映画側から捉えるクリープハイプは初めてで新鮮だった。
フォトアプリで「~年前の今日」みたいな写真を見せられる。ほとんど忘れている。
誰しも思い出せる恋愛があるというけれど、私はそれは35年前のもの。
写真は1枚も残っていないし、楽しい思い出よりも別れの時の嫌な思いしか残っていない。
東京の夜は明るくて、闇は貴重たが、ひとり暮らしには大敵。
かつての私も人のぬくもりを求めて街に出た。
たとえそれが本物ではなくても満たされた(気になっていた)。
主人公二人の日々は本物だ。出会えたことが羨ましい。
この映画で時をさかのぼることで伏線を逆に追うことになる私たちは、
ラストで胸がいっぱいになり、どうしようもない希望を持つことになる。
クリープハイプを愛し、ずっと曲を聴いている私には、最高の贈りものだった。
尾崎さんのあの目が忘れられない。
上映後、迷わず観客賞に投票した。
生きることを丁寧に映していた
ああまた良かったころの過去を振り返る系恋愛映画かという気持ちと、松居大悟×池松壮亮×クリープハイプを久しぶりに見られることへの期待と、このタッグなら何か世に挑みかかる要素があるはずという願いを抱えてTIFFで鑑賞。
観られて本当によかった。
主人公達の日常のルーティンを映し、街を映し、そこに生きる人を映し、やがてそのルーティンが愛しい過去から連なるものであったことを知る。人生がふと交差したり離れたりして、生きていれば出会い直すことだってできるよなと思う。
生きている、そのことを説教くさくなく感傷的になりすぎず、リズミカルにコミカルに、ゆっくりと描いている映画。そして台詞が美しくて出てくる人達が可愛く、映像が練られていて(そのように感じて)、映画のロマンが詰まりに詰まってた。
池松壮亮さんと伊藤沙莉さんの二人はやっぱり素敵。伊藤沙莉さん演じる、タクシー運転手の葉の女性像が男性監督のフィクショナルな妄想に堕していなくてかっこ悪さも込みでかっこいい。池松壮亮さん演じる照生は、目に涙をたくさん溜めてもそれを落とさず零さないことに照生という人を見た気になれた。
一体過去は誰の目線なのか、とか、そんなことはどうでもいい。公開されたらまたこの映画に出会いたい。
映画のセリフみたい
セリフ一個一個がすごく自然で、池松壮亮と伊藤沙莉の素が出てるような演技、そして既視感と聞いたことしかないシーンの数々、、
あああ知ってる、、ってずーーーっとなりました。なんでこんなに刺さるんだい??
まるで私に向かって描いているみたいだったけど、多分これみんな思ってる。みんなそうおもうように練られてるからすごい。
別れた後から遡っていくから、どんどん感情移入してしまう感じがなくて、客観的に見れてしまうから怖くて良い。出会い始めから徐々に描くと、登場人物に感情移入し過ぎてしまって多分冷静な判断ができない。でも遡って、さらに誕生日の1日だけを描いているから、刺さりながらもある程度映画との距離を保てる。
だからこそラスト、人生ってやっぱそうゆうもんよねーってゆう爽やかな気持ちで終わってしまう。とってもずるい映画だった。
そしてクリープハイプの曲がとっても良い。劇中歌も、英語字幕のおかげで少し歌詞がわかったから、作品にリンクしてすごく心地よかった。
公開と、楽曲のリリースが今からとっても楽しみ!!!
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