ちょっと思い出しただけのレビュー・感想・評価
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胸を掴まれる映画
胸をぎゅっと掴まれる作品。
本当に観て良かったなと思った。
現在から過去に遡るから、過去のキラキラが本当に切ない。思い出した時のふたりもそんな気持ちかな、と思った。
主演のおふたりの演技が本当にナチュラルで、リアルで、ふたりの気持ちが手に取るように感じられて素晴らしかった。
付き合って、別れる。そんなありふれたカップルなのに、なんでこんなに胸を掴まれるんでしょう…ふたりが嫌い合ったわけでもなく、ほんの少しのすれ違いだと第三者的にはわかるからなのか。
タイトルから惹かれた映画。
ありふれた付き合いたてのカップルの、楽しそうなありふれた場面がとにかく苦しい。このありふれた、些細な、ふたりにとって日常が、当たり前でないとわかって観ているからなのかもしれない。
これもありふれた言葉だけど、当たり前の日常なんてない、とわかってしまった今の私たちだからこそ響いたのかもしれない。
そして、人と人との関係って、日々に、人生に大きく占める、どうしようもなく大切なものなんだなと改めて思った。誰と過ごすかによって、どんな経験をするかはまったく違うし、誰と過ごすことどどんな未来があるのかはわからないんだけれど。
タクシー運転手は行きたいところのない自分が、だれかを目的地に連れてくことで自分もどこかへ向かう、という考え方が好きだなと思った。あと、國村さん演じるバーの店主、アーティストの尾崎世界観さんもすごくよかった。
映画の好きな人が「こんな映画を作りたい」と思って作った作品
「ボクたちはみんな大人になれなかった」とほぼ同じ組み立てで、7月26日が1年ずつ戻って行き、最後に最初の7月26日に戻るという構成。
途中で最後はこうなるかなとほぼ予想できてしまった。その意味では意表は突かないけれど、作りが丁寧、映像が綺麗なので、映画館の大きな画面で見て正解だったと思います。
出てくる人がみんな「いいひと」、映画の好きな人が「こんな映画を作りたい」と思って作った作品だと思いました。
「ちょっと思い出しただけ」というタイトルは秀逸、それにしても伊藤沙莉さん、はまり役です。
減点要素:現在の設定です。人の前で煙草は吸うな。映画館まで臭くなりそう
この映画のすべてをハグしたくなる❗️
7月26日生まれの男子の皆さん‼️
それだけでなんか無条件に感情移入できそうで羨ましい。でも、人によっては、悲しい思い出とか、寂しい感覚のほうが強くなってしまうかもしれませんね。
7月26日が金曜日なのは2019年、ラグビーW杯日本大会はこの年の9月20日に開幕を迎えました。武漢でのコロナ発症が確認されたのは報道によると同年12月8日。
ささやかだけど愛おしい個人的な思い出も、コロナ前、コロナ後で記憶されるようになりました。
あの粋な計らいをしてくれたタクシードライバーは今頃どう過ごしているんだろう。体調も生活もご家族の皆さんも無事ならいいのだけれど。
そんなふうに自分の生活圏とは直接関わりのない人たちのことにまで、なんだか思いを寄せたくなる、不思議に優しく柔らかな感情を呼び覚ましてくれる映画です。
自分でもどうして欲しいのか、どうしたら伝わるのかよく分からない感情。
一生懸命伝えたつもりなのに、むしろ逆のことを言ってしまったのではないかという不安。
そんなもどかしさや愛おしさを大事に包み込んで作った〝抱きマクラ〟があったら、とても暖かくて手放せなくなりますね。
ある人の心の琴線に触れる話
いや〜ひさしぶりにミニシアター系の映画を見た感じがしました。
ストーリーの運び方、役者さんの雰囲気、作品内に流れる「間」。
主役お二人の演技は最高でした。
(そのせいか、自分の過去と重なってしまい、かなり感情移入してしまいました。)
エンディングまでのまとめ方もすごく良かったです。
ゆったりとした流れなのに、後半にかけてストーリーは加速していき、甘くて苦いなんとも言えない二人の時間が切なくて美しくてたまりませんでした。
何の予備知識もなく見たので、エンドロールまで見て完結するんだすごいなぁ…なんて思ってたら、本当にそのように作ってたんですね(パンプレットを後で読んで納得)。
素晴らしいです。
ほんと、ひさしぶりに上映後の余韻をじっくり噛み締めたい作品に出会えました。
犯罪級のしゃがれ声
伊藤沙莉、「僕たちはみんな大人になれなかった」に続き、またしても私のような30代後半の独身男を殺しに来ました。このしゃがれ声に食らいまくります。エモすぎて途中死ぬかと思うレベル。
そして随所にジャームッシュオマージュ。
永瀬正敏をああいう役で起用するのもオマージュだろうし、なんなら最後にアダムドライバー出てきて、永瀬正敏が「a-ha」って言うかと思った。
しかし、20代後半の恋愛ってこんな感じです、めっちゃ共感しちゃいました。
「ちょっと思い出しただけ」って自分も3年後に子供抱いて考えたくなる映画でした。
2回以上観ると更に面白くなりそうな作品
映画館に観に行く前に、本予告を見ました。
雰囲気やストーリーの構成が【花束みたいな恋をした】に
似ているな〜と思いました。
実際映画館で本作を見ていると、
まず物語は現代から始まります。
コロナ禍、マスク生活のまさに今、最近の都心が舞台でした。
コロナ禍の生活が映画になる程当たり前になり、それほどの時が経ったんだなあと感じました。
そのあと、物語は少しずつ過去へ遡っていきます。
ここで、【花束みたいな恋をした】では、「5年前」
などと言った文字の表記がありましたが、
本作品はそれがありませんでした。
主人公(?、違ったらすみません)の誕生日日付が場面ごとに表されるのですが、そこに年の表記はなく、
何月何日何曜日 のみです。
しかしこの『曜日』が変わっていくのです。
これが同じ日でも年が違うことを表す唯一の表記。
これに気づくまでに2年分かかってしまい、もう少しわかりやすかったらなあ〜と多少思いました。
が、気付いてからはこんな表し方もあるのか!と感心しました
主人公の足の怪我、マスクの状況、車はハイブリッドからガソリン車と、時代は綺麗に戻っていきます。
その変化を見つけるのが一つの楽しみでした。
男女の言い合い、カップルならではの会話、街の雰囲気、
綺麗すぎず、演技感も無く、見やすかったです。
ハッピーエンドとは言い切れませんが、とくに胸に嫌に残るものもなく、見てよかったなと思います。
また尾崎さんですが、売れないバンドのまま終わってしまう。
本当はもう有名になってるクリープだけれど、あえて有名にならないままでストーリーが幕を閉じる。
その世界線が映画の世界観を更に作り出しているようで、わたしは好きでした。(クリープファンの友達は多少怒っていましたが。)
時代の流れを分かった上で、もう一度みたいなと思う映画です。
ジム・ジャームッシュの作品みたい
松居大悟監督作品をシネコンで観れる日がくるとは感無量。
何気ない青春のひとときを瑞々しくドラマティックに描いた作品で、ジム・ジャームッシュの世界観に近い。日本人監督でこれができるのは松居監督くらいしかいないのではないか…。
ジム・ジャームッシュを意識してなのかはわからないが、永瀬正敏の使い方が本当にジャームッシュそのまんまで、登場するたびニヤニヤしてしまう。あの永瀬さんの存在感も素晴らしいが…
とにかくこれは今年見逃し厳禁の傑作だと思う。
ちょっと可愛いすぎるだけ、、
伊藤沙莉と池松壮亮とクリープハイプ好きのための映画ですね。
伊藤沙莉も池松壮亮も当て書きされたような魅力的なキャラです。
特に伊藤沙莉は、過去一可愛いい。
(良い意味で)美人過ぎない、サバザバした女性で、心の声が出てしまう、とても魅力的な女性です。
また、要所要所でかかるクリープハイプの曲と、岡崎世界観のちょい出し感はファン必見ですね。
映画の内容というかストーリーはあまりありません。ただ、本当に日常を描いているラブストーリーだと思います。
日常と言うと、昨年の「花束みたいな恋をした」と比較したくなりますが、こっちの映画がより日常的です。
また、高円寺が舞台で、「座・高円寺」と演劇の部分が、よりアングラ感というか、現実感があります。
「花束」と言うよりは「たんぽぽ」のような、在り来りな「一日」なのかも知れません。
まさに「ちょっと思い出しただけ」。
逆に、伊藤沙莉も池松壮亮もクリープハイプも「?」どういう方にはちょっと物足りないかもしれませんが。
3丁目5-1
7月27日のとある男と、とある女、+その周辺人物少々のお話。
怪我でダンサーの道を諦めて舞台照明の仕事をする男と、タクシー運転手の女の過去を振り返って行く展開。
最初はちょっと地味だし淡々とした印象で、この掴みで大丈夫?となったり、一回目のシーンの変遷ではどういうことか良くわからなかったけど…。
内容的にはこれといってハマるものはなく、あーそう…という感じの、ある意味どこにでもありそうなエピソードというね。
それでも、段々と愉しいやり取りがみえるようになって来る構成だったり、演者さんが皆さん素晴らしい演技力だしで、最後まで楽しめたし、なるほどこのタイトルかと。
恋愛映画が大好きな人にはハマり捲るのかも知れない。
伊藤沙莉の上手さは改めて感嘆ものだし、池松壮亮もハマると良いのだなと見直した。
ちょっと期待しすぎただけ😭
池松壮亮と伊藤沙莉のW主演。大好きなこの2人をもっても最後まで持ちませんでした。全く刺さらない作品。歌の世界を短編小説風にざく切りして、最後に繋がるイメージで作ったのでしょうが、全然上手くない。低予算だけが伝わってくる。尾崎世界観、下北、高円寺、演劇、意味不なコンテンポラリーダンスが好きな方はどうぞ。
たくさん思い出しました
ノーマークの作品でしたが、大好きな伊藤沙莉さんが主演ということで鑑賞してきました。彼女の魅力が十二分に感じられるだけでなく、男女問わず共感できるところの多い、心にじんわりと染みる作品でした。
物語は、かつては恋人同士だったが今は別々の道を歩む、舞台照明の仕事に携わる男性・照生とタクシー運転手として働く女性・葉が、当時の思いや出来事を思い出すという、ただそれだけのもの。言葉にすればシンプルですが、映像的には現在のシーンから少しずつ時間を遡っていく、おもしろい構成になっています。
序盤は、照生と葉の生活が並行して描かれるものの、そこに接点もなければ大きな事件が起きるわけでもなく、何が描かれているのかよくわかりませんでした。そのうち、象徴的に何度も描かれる照生の部屋のデジタル時計の日付が、いつも7月26日であること、でも曜日が異なっていること、その後の人物の言動、周囲の小物や雰囲気から、時を遡って描かれていることにようやく気づきました。
この定時観測的な手法は、「弥生、三月 君を愛した30年」とよく似ていますが、本作では時間を遡ることで、二人のすれ違い、幸せの絶頂、告白、出会いと、原点をたどるような構成になっているところがおもしろいです。一方で、観客は現在の二人の関係がわかっているだけに、スクリーンに映る幸せそうな二人の姿が逆に切なく見えてきます。
また、思い出の中の二人のやりとりが、そのままそれまでの伏線を回収するような仕掛けになっているところも興味深かったです。バースデーケーキ、水族館、お地蔵さん、妻を待つ男など、物語の展開に合わせて、現在につながる意味がわかるようになります。中でも、ラスト前のタクシーシーンで、スマホの待ち受けが満天の星空なのに、フロントガラスから見える東京の空がとても暗かったのは印象的でした。そして、違う場所から同じ朝焼けを見る二人。そこからのタイトルバック。「ああ、そうだった、タイトルは『ちょっと思い出しただけ』だった」と、こちらも思い出しました。
人は誰しも、ふとした瞬間に昔を思い出し、ノスタルジックな気分になったり、改めてほろ苦さを噛みしめたりすることがあると思います。しかし、その思い出や経験はそのとき限りのものではなく、今の自分を形づくることにつながっているはずです。本作を通して、自分も昔のことをちょっとどころか、たくさん思い出しました。
主演は、池松壮亮さん、伊藤沙莉さんで、この二人がとにかく素敵でした。演技とは思えない、あまりに自然な二人の関係は、どこにでもいる恋人同士そのものです。だからこそ、観客も自身の思い出とオーバーラップし、スクリーンに引き込まれるのだと思います。伊藤沙莉さんがますます好きになりました。
伊藤さりに尽きる
最後の朝焼けでタイトルの意味を把握。伊藤さりがタクシードライバーという点に興味もあり鑑賞しましたが、ナイトオンアースの最初のストーリーからの着想ということで、何で伊藤さりがタクシードライバーになったのか、若い女性として辛くないのか、その辺りの背景が薄い理由もなんとなくわかりました。伊藤さりの演技が切ないので、それだけがこの映画の価値かと、、
なんで二人が別れたのか決定的な理由もよくわからず。それでも伊藤さりの演技が素晴らしかったのが印象に残ります。
さかのぼりながらも先が気になる
タイトル通り、(ちょっと)思い出すストーリー。
最初は、ん?となりながら、だんだん構成がわかってくると、過去を遡りながらも、先が気になる不思議な感覚。
ストーリー自体はシンプルなものかも知れないが、この構成によって深まる感じがしました。
そしてなにより、主演の2人と演じている役がぴったりで、そのままなんじゃないか、と思うほどですんなり感情移入ができました。
屋敷もちょっぴりユーモアと対比が加わって、いい味を出してました。
クリープパイプのきっかけの映画らしかったですが、あまり知らなかったのでなんとも。もっと知ってたら見方も変わってたかも知れません。
歌をもとにしたイメージ映像。
冒頭はラストシーンから始まる。そして、時間は出会いの日まで徐々にさかのぼり、最後はラストシーンへと戻る。
出会いの日とラストシーンが、主人公、照生の誕生日の7月27日、時間をさかのぼっていくシーンはすべて、その1日前の7月26日の設定だ。
歌のようなストーリー性のないものを原作にすると、たいていの場合、イメージ映像的になる。
この映画も、そのパターンと言えるだろう。
イチャつくのはいいが、ストーリーは一向に進まず、徐々に集中力がきれてくる。
背景を持たない配役の語るセリフは、声としては認識されるが、特に意味を持たない。
高円寺の商店街に座りアコギで唄う男の前で、照生と葉が踊りだしたあたりで、もういいかなという感じになるが、その後、“冒頭のラストシーン“に戻り、程なくエンドロールをむかえる。
クリープハイプさんの曲だけで2時間はもたない。
池袋から恵比寿あたりまでの山手線沿線と横浜を舞台にした低予算映画ともいえるので、この程度でいいのかもしれない。
成田凌が、いつもの調子で出てくる。高岡早紀さん、そこにいますか。劇場でご覧ください。
ちょっと思い出しただけ
世界の状況も二人の関係性も変化し続ける。
そんな瞬間瞬間を切り取った映画。
夜の場面が好きなので、とても幸せだった。
長回しが多く、2人のアドリブと思われる演技が際立っていて見入ってしまう。
グッとくるセリフも多く色々と思う事がたくさんあった。
タイトルが秀逸だなぁと思わせるラストカット。
ちょっと思い出しただけ
掛け合いが面白かった
池松壮亮さんと、伊藤沙莉さんの掛け合いがとても面白かったです。
とりあえず、最後は、どんだけ思い出してるねん、お前は奇面組か、とか思いましたが、なかなかよかったです。
なお、最後の最後で、来場者プレゼントをQRコードて配るので、スマホをすぐ使えるようにしておくことおすすめします。
わたしは撮り逃しました。かなしみ。
期待しすぎとこの前に観た演劇の影響❔
時間軸がコロコロ変わり、分かりにくい。内容も題名どおりなんだけど…。夢を諦めなければならなくなった男性と平凡な家庭を夢みた女性の話。夢は十人十色で、出会い方も十人十色。当然別れも十人十色で、何が言いたかったのかほぼ理解できなかった。思い出すことは大切かもしれないけど、戻りはしない。現実を見ろと言いたかった?解説が欲しい…
伊藤沙莉はよかった、けど映画自体はうまくいってない、というか正直失敗してる
花束みたいな恋をした、明け方の若者たち、ボクたちはみんな大人になれなかった、そして、これ。
現在でも、未来でもない、ただ過去を懐かしんでるだけの後ろ向き恋愛映画というジャンル。
要するにほとんどが回想だけの映画。
コロナ禍で映画業界自体が苦しんで、その代わりにNetflixやアマプラなどが爆発的に会員数伸ばして、なんとかしないと映画がヤバいぞ、特に劇場がヤバい、だから、劇場で観てもらえるような映画を作らなきゃ、で、東京テアトルが通した企画がこれ、業界ぐるみで東京国際映画祭でごり押しして流行らそうとしてる映画がこれ、なんだと思うと正直ゾッとしますよね。
こんな回想だらけの後ろ向き恋愛映画ばかり作ってるのって日本だけだと思うんですけど、邦画業界はもう取り返しがつかないぐらい腐りきってるんだと感じました。
アニメ映画や、マンガ原作で福田雄一監督で菅田将暉が主演で実写化とか、そういうザッツ商業映画が正しいとは思いませんが、じゃあ売れていないマイナー側のクリエイターたちの答えが過去を懐かしんでるだけの後ろ向き恋愛映画だから、この業界には売れてるバカと売れてないバカしかいないんだと思いましたね。
伊藤沙莉目当てで松井大悟って監督の作品は初めて観ましたけど、どこが面白いのかも分かりませんでした
ただ、作品選びが下手な伊藤沙莉の使い方は一番マシだったと思います
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