「四季の移ろいと精進料理」土を喰らう十二ヵ月 The_Winnieさんの映画レビュー(感想・評価)
四季の移ろいと精進料理
原作や登場人物の設定を読まなかったので、主人公の老人の職業が作家とは分からず、てっきり、エッセイが書ける引退した精進料理人、その老人の自宅を訪れる女性の編集者は老人の娘だと思っていました。
スクリーンに映し出された、美しい四季の風景や飼い犬の愛らしい仕草、食材の自然野菜の採取と手間をかけた調理の過程は、チェーン店の食堂の画一的なメニューに慣れた現代人には、とても新鮮に見えると思いました。
また、主人公の老人を演じる沢田研二さんの役作りが見事で、演技というよりも、素の沢田研二さんの立ち振る舞いのように見えました。
沢田研二さんといえば、かつて、一世を風靡したアイドル歌手なのですが、歳を重ねて、重厚な演技力のある実力派の俳優に大成したような印象を持ちました。
私の主観的な感想では、この作品の見所は、沢田研二さんの重厚な演技力、四季の自然野菜から作られる精進料理の魅力だと思いました。
とかく、万事につけ、スピード・効率化が求められる現代社会に生きるビジネスマンに、観て頂きたいと思いました。
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