劇場公開日 2022年3月12日

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「素敵な選択肢、地獄の選択肢」ウェディング・ハイ サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0素敵な選択肢、地獄の選択肢

2022年3月13日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

もう毎年恒例になってきたバカリズム脚本映画。
2年前の「架空OL日記」はあるあるだらけの笑いが絶えない最高のコメディ映画で、1年前の「地獄の花園」は笑いはあまりしなかったけど爽快アクションで楽しい映画だった。
そして今年。ストーリーは面白そうではあるけれど、なんか透かしてそうであまり期待はできない。これまでで1番微妙なんじゃないかと不安だったけど、見てみるとびっくり仰天。さすがバカリズムって感じでした!

同日に見たドラえもんと同様に、やはりこの映画の魅力といえば登場人物の活躍。登場する全ての人達が主人公。豪華キャストを無駄なく使おうとすると詰め込みすぎだとか、描き不足だとかが必ずと言っていいほど起こってしまうのだけど、この映画は話の展開から構成、脚本、見せ方全てが上手くてとことん面白い。見事に余すことなく綺麗に使っていた。

結婚式に参列する全ての人達に人生があり、抱える思いがある。2時間の間でお馴染みになったそれぞれの過去や背景を振り返るシーン。人物の設定がしっかりしているなぁと感心しながら、これ以上やったらそろそろしつこいぞと思ったところで方向転換。バカリズムはホント、観客の気持ちをよく理解していること。
数多くいる参列者の中でも最も好きだったのは高橋克実演じる財津。過去を聞くと悲しくなり、応援したくなった。彼がスピーチするまでの緊張感は半端なかったし、ウケるとあたかも自分がスピーチをしたかのような気持ちに。高揚感で満たされました。ほんと好きだわ〜、カッツミー。

もちろん、笑えるところも多数用意されている。
クスクスと笑えるシーンが序盤からずーっとありながら、ラスト間際は劇場が爆笑の渦に巻き込まれていました。あんなに盛り上がるんだ...バカリすげぇ。結婚式ということもあって、映画映えする華やかさ。架空OL日記、地獄の花園は別に映画館でなくても...って感じだったけど、本作は劇場が笑いでひとつにまとまるという意味でも映画館で見るべき作品だと思う。

不満点としては、尺のせいか肝心なところが大幅にカットされていたところ。内容が考えつかなかったのかな。ん?何を見せられてんだ?って感じで、参列者と同じ気持ちになれなかったのが正直辛かった。多少長くなっても、あそこをしっかりと見せてくれたらもっと面白かったのになぁ。

でも、笑いとともに、なるほどな!と色んな意味でスッキリする締め方で面白く、東京スカパラダイスオーケストラの主題歌も映画の雰囲気にピッタリでこれ以上ない最高の気分に。見た人全てがハイになり、幸せいっぱいになる映画でした!この春にぜひ!

サプライズ