「君にサチアレ」ウェディング・ハイ ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
君にサチアレ
バカリズム脚本は当人のコントと同じくジワジワっと来る笑いが特徴的な作品で、今作も根本的にはそこに当てはまっていました。しかし今作はそこにもう一つ違う笑いを乗っけてきていました。
・結婚式の面倒臭さを知れる入門映画
自分はまだ結婚とかを考えた事が無いので、イマイチよく知らないのですが、ここ最近は結婚を物語の節々に入れている作品を多く見てはいましたが、基本的には上辺だけの描き方(まぁ仕方ないのですが)だけだったので、今作はそこを事細かく描いているのはとても好印象です。会場の時間帯は予約する日が近かったら安くなる、昼の時間帯は安くなるけど、夜の結婚式が控えているため時間の融通は効かない、ウェディングドレスやナプキンの色選びの選択地獄、どこまでの関係性の人を結婚式に呼ぶのか、と他人事ではありますが確かに面倒だなと思えてしまう巧みな脚本でした。
・とにかく気前のいい親戚&友人たち
マジックだったり、マグロ切ったり、投げ縄だったり、太鼓だったり、ダンスだったり、凝りすぎた映像だったり、ウケを狙いまくったスピーチだったり、超長引いた乾杯の挨拶だったりと全員気前が良すぎるが故に結婚式に遅れを生じさせるという大変困ってしまう様子が描かれます。篠原涼子さん演じるウェディングプランナーがそれをどうにかするために奔走するというのが物語の中盤から展開されます。そのため篠原涼子さんが主役だなーと感じるのはほんと中盤です。そこまでは新郎新婦はじめ周りの人物のドタバタ劇を楽しむことになります。
・怒涛の伏線回収
結構最初に貼った伏線から散りばめられていた伏線まで余すところなく回収していくのもお見事でした。その回収もテンポ良く、それでいて笑えるというコメディ映画では理想的なスタイルじゃないかなと思いました。少々強引なところもありましたが、それをも跳ね飛ばすくらい怒涛でした。
邦画コメディはここ近年あまり見ることはありませんでしたが、バカリズムの前作「地獄の花園」といい、独特な邦画コメディをこれからもたくさん生み出していって欲しいです。君にサチアレ!
鑑賞日 3/12
鑑賞時間 15:20〜17:30
座席 G-5