劇場公開日 2022年1月21日

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「助けが要る(と認めること)」ライダーズ・オブ・ジャスティス とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5助けが要る(と認めること)

2022年1月22日
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水と油の凸凹即席チームが挑む復讐アクションかと思ったら、遺恨と深い喪失の受容についてのセラピーのような映画だった!人間は何事にも --- 特に自分ではどうしようもできないほど大きな哀しみに出遭ったとき ---「こいつのせいだ(から仕方なかった)」と思えるような原因/心の拠り所を求める生き物だ。

結果的に自らわざわざ傷口をエグるように、撒いた種の後処理(いってギャングなのでやっちゃって問題ありませんが?!)に奮闘させられることに…?我らがマッツ・ミケルセンは予期せず深い本作で、自身がどんなジャンルでも輝ける唯一無二の存在であることを証明してみせた。流石の魅力でこの作品を軍人らしい疑うこと知らない/ブレない行動原理でリードし、時を業を背負う。という点で一種のPTSDモノの要素も?人間は傷を治すことはできず広がらないように押さえることしかできないのかもしれないけど、そのとき傍に(愉快な?)仲間がいてくれたら少しはマシになるのかも。
まさかのアクションスリラー…?また種類が違うけど、同日見た『さがす』(あるいは『スティルウォーター』)とも通ずる手法だなと思った。つまり一見キャッチーな内容で広く観客に興味を持たせながら、蓋を開けたらそれは実は単なる"釣り餌"でその裏に本当に言いたい/描きたいこと、訴えかけたいメッセージが隠れているという点において。表現というのは一般的にそういうものだろうけど、この2作品は普段よりもその振れ幅を感じた巧みなエンタメの皮の被り方。表現の力を感じるいい裏切られ方。そういうのってやっぱりいかに説教臭くなることなく"結局他人事"を"私事"として身近な題材と受け取ってもらえるかが映像表現の責務と可能性だから。

勝手に関連作『Mr.ノーバディ』

とぽとぽ