「P・シュレイダーは錆びていなかった」カード・カウンター つくねと皮以外は塩さんの映画レビュー(感想・評価)
P・シュレイダーは錆びていなかった
僕は観た映画がつまらなかったらすぐ席を立つ、いい作品だったらエンドロールまで付き合う。今回はスコセッシが製作・監督がP.シュレイダーだし、たとえ少しゆるくても敬意を表して最後まで付き合おうと思ってた。多分そうなるだろうと。ところがP.シュレイダーは錆びてなんかいなかった! 若いころ名画座で『タクシードライバー』のオープニングを初めて観たときの、あの何とも言えないいかがわしい感覚が蘇ってきて嬉しかった。暴力性と人間に対する深い認識。そして金を取ってみせるものであるという本分から、絶対に逃げない映画人としての誠実さ。2023年にまさかP.シュレイダーがこんな作品を届けてくれるとは思わなかった(感涙)。
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