配信開始日 2021年12月31日

「子育て女性の生き方の分岐点の苦悩を理屈でなく感覚的にクローズアップした作品」ロスト・ドーター 徒然草枕さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5子育て女性の生き方の分岐点の苦悩を理屈でなく感覚的にクローズアップした作品

2024年1月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

他の方のレビューを読むと、推測ながら女性の方々の評価があまり高くなく、男性がやや高めかと思われる。
これも推測なのだが、女性にとっては自分の嫌な時期を思い出させる心理的な抵抗があるのではないか、そして男性はこれだけ若い母親の感覚的な子育てと自由や性欲、社会的な承認欲求との葛藤を見たことがないから、ついつい高くつけてしまうのでは…?? ま、全部想像であるww

できるだけ正直になろうとするなら、残念ながら小生にはこうした子育てする若い女性の妻であり母であり社会人であり…という生き方の分岐点の苦悩や、一時的にも母性を捨てた心的外傷は理解できかねる。だから、「ああ、こういう感情や欲望のアマルガムに晒されてるんだろうな」という感想しか出て来ない。

主人公が一時、娘を心理的に捨てても、その後は母娘関係を復活させているし、決して大事に至ってしまったわけではないが、大事に至ってしまう母子も多数いる。その根底にはこうした苦悩があることを、理屈ではなく感覚的にクローズアップして描いたのが本作だと、小生は理屈で理解するw
こうした苦悩は恐らく日常では「誰でも経験していること」と、大きな問題にされることもないので、いざ映画作品になってみると斬新に見え、大きな映画賞で話題になったのではなかろうか。

ただ、これらに加えて、日本には渡る世間は何とやらの恐るべき嫁姑問題があり、鬼姑に捕まったら生涯ブラック企業就職などのジョークもあり、確かにこれじゃ結婚なんかしたくねえだろーなwなどと余計なことを思ってしまうのであった。

徒然草枕