「遠いようで近くにある痛みと傷み」あのこと humさんの映画レビュー(感想・評価)
遠いようで近くにある痛みと傷み
主婦になる病
そう言い放ったアンヌの一言に
彼女の〝今〟が詰まっていたと思う。
だから中絶しようと思っている間に躊躇するような揺れ動く気持ちはなく、ミッションのように実に淡々と行動している。
邪魔する感情があるとしたら自分の肉体的な痛みと代金に対しての心配のみに見えるほど。
元をたどれば子供の父親に対する愛情がないスタート。
おそらくそれは相手も同じで…。
あぁ、こんな展開、、自分の娘とか友達の話だったらほんとに嫌だし悪夢みたいだなぁと思いつつ暗めのスクリーンをななめに観る。
予告で痛そうなシーンがあるのは知っていたが、カメラアングルが自分目線でなんども迫り〝それは気絶もんでしょー。いや、痛すぎ、怖すぎ〟で、結構厳しい。
思わず目をつぶってしまったり、胸苦しいような感覚になったが…すべて作り手の望むところなのだ。
しかし、1番辛くて怖かったのはアンヌでもなく、もちろん、観客でもなく……。
私の涙はじんわり溜まったまま落ちる元気もない。
ただ、ラスト辺りで、へその緒を自分できれないと口ばしるアンヌ。
あれ?!この場に及んで初めて一瞬の母性が働いたのかもしれないと感じた。
感じたかった…のかも知れないな。
正しくは。
担架で運ばれた病院でのアンヌは、薄い意識の中でも自ら選んだ中絶が、書類上で流産と処理されることを聞き逃さなかった。
カメラの効果発揮か。。。いつのまにかアンヌに気持ちを投影していて、彼女の安心を同時にこの胸で感じた時、ドキリとしてはっとした。
流産か中絶か…場合によっては罪になる時代のフランス。
しかもキャリアを積みたい彼女にはまさに紙一重の気がかり。
そして、その望まなかった妊娠はアンヌにしてみれば〝主婦になる病〟なのだから、まさに病からの解放。
そこで、私までもが解き放たれようとは。。。
理由により全ての中絶に頭から反対するわけではないのだが、アンヌに関しては、その成り行きから自業自得の要素が半分ととらえていた私が。
思わずため息みたいな呼吸が漏れた。
まんまとやられてしまった。
この作品、実話を設定にあてたそうだが、現代になり状況違えど、向き合うべき話という点で変わりないのだろう。
性教育は日本は海外より遅れていると昔から聞く。特に親子間では私も避けるパターンの話題だ。
知識も大事だし自分なりの考えを自覚するためにも必要とわかりつつ踏み込みにくいのは、これまでのタブーの蓄積がイメージを作り壊せないのもあるかもしれない。
ただ、どんなに準備があったとしても、女性の身体に起こり得ること。ついてまわるリスク、責任を考えれば、やっぱり置き去りにしてはいけない問題だ。
映画の描写的には、誰にでもおすすめできるわけではないが、世の中、いろいろ低年齢化がすすんでいるのも事実。
まわりの大人が、年頃になるこどもに伝える責任について考えるための一歩としては切実で大切な内容だった。
爽やかさはキャンパスの緑と青空のみで、ただただ汗をかき眉間にしわをよせ体力を消耗したが、アンヌの悲劇が痛みと傷を共にして学んでとメッセージを送ってくれている。
コメントいただきましてありがとうございました😊
この時代完全な避妊具があったのかな、と思いました。
人命と将来を天秤にかけること
‥‥犯罪にならないですが仰るように現在でも悩むことですね。でも、この時代犯罪。
自業自得なアンヌですが、犯罪は可哀想、と思いました。
ま〜たhumhum worldよろしく
お願いいたします🤲
拝読させていただきました。
内容が内容ですので、いつものhumさんより重苦しい雰囲気ですね。1975年迄あったとか、別作品で処刑されたのもあるとか。
とにかく罰するのは間違いだと思います。罰するなら男も。付随する諸々に対してのことが色々で。
性教育も避妊に関しては徹底的にすべきだと思います。
正視できない映像に疲れました。
1番辛くて怖いのは、baby❓ですか😱
共感していただきましてありがとうございました😊
本作、時代背景やら当時の国の男女差やら主婦になる病の意味やら
わからないことだらけで、
はっきり言ってわかってないと思います。いざ、hum hum worldへ❗️
humさん、アンヌが子供を産んで自分の夢を諦めたくないきもちはわかるけど、消そうとする命に対する愛情がなさすぎて、辛いんです。
でも臍の緒がきれなかったのが母性とすれば、少し救われる気もします。でも、どう処置しようかと思い悩むのに、またその男と行為をするあたりが男も女も反省してないと、感じてしまいました。相談された男友達は今なら逆に安全だろ?と誘っていた、最低な男よね。