「どうした監督」カラダ探し よっちゃんイカさんの映画レビュー(感想・評価)
どうした監督
今まで羽住監督の作品はあまり好みではなかった。むしろクソ映画ばかりだと思ってた。
なので今作も肩透かしを食らうだろうと予測して見に行った。
ところがどうだろう。
序盤のカラダ探しに参加する人たちの学校での立ち位置をテンポ良く説明してちょくちょく差し込まれるホラー描写もなかなか。
少なくともホラー映画をうたう“それがいる森”よりも格段に怖い。
さらにカラダ探しが始まってからは主人公だろうとなんだろうと容赦なく殺されていく。
ここらへんのバラエティに富んだ殺され方やゴア描写も生半可なものではなく、この監督がこっち方面の作品で輝くとはと驚いた。
こんな芸当が出来るのもカラダ探しは全員殺されるとまた同じ1日を繰り返すというタイムループものでもあることが影響してるように思う。
デスゲームものにタイムループものをかけ合わせた原作者の発想力には驚嘆する。
さらに、眞栄田さんがよく動く。
今回参加した6人の中で唯一アクションをしてたのが眞栄田さんだが、お兄さんやお父様のような身のこなしは必見。
途中の身体のパーツを見つけていく疾走感も良かった。
ただ、気になるところがあるとすれば。
いくらなんでも2夜終えたぐらいでこのゲームに順応するのは早いのでは?というところ。
さらに瑠美子が衝撃の言葉を口にする。
「またリセットされるから」
リセット!?殺されることをリセットってもう割り切れてるの!?
そもそもタイムループするという設定は主人公を容赦なく殺せるという作者側の利点もあるが、ホラー要素でも深みを与えてくれる。
「毎日毎日夜になればほぼ確実に殺される」
これ、ものすごく怖くないだろうか。
来る日も来る日も、何かに突き刺されたり、溺死させられたり、圧死させられたり、こんなことになったらスイーツを食べまくるどころか「今日も殺される」という恐怖に苛まれてまともに過ごせない気がする。
ここらへんがどこかで必ず入ってくると思ってたが、そこがバッサリカットされてたのでいい作品ではあるが今一歩足りない気がする。
こんな感じでちょくちょく引っかかるところはあるし、クライマックスは本当ちょっとだけダレたけどそれなりの良作。