人と仕事のレビュー・感想・評価
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ドキュメンタリー映画って
ドキュメンタリー映画って、結局は人工的に作られた要素を含んで映画化されているものがほとんどなのではないか。
でもこの作品は最初から最後までありのままを貫いていた。
俳優陣もありのままの姿をあらわにしていた。
コロナ禍の今を、嘘偽りなく映し出している。
数年後、きっと今の世の中を振り返るにふさわしい映画だ。
世界中が絶望に侵されている真っ只中のその時に、よくぞ作って下さいました。
【コロナ禍により、露わになった現代日本の負の構造を描き出したドキュメンタリー映画。様々な人を演じる志尊さんと、有村さんが語る“人と仕事”についての今作製作を通じて学ばれた言葉が沁みます・・。】
ー コロナ禍により、制作中止になってしまった志尊さんと有村さんのW主演作「保育士T」。だが、同じ制作陣達が奮起し、この時期でしか撮れない貴重なドキュメンタリー映画を作り上げた・・。ー
◆感想
・登場する、世間的に言われる社会的弱者の方々
ー コロナ禍のために、風俗嬢になった方であったり、キャバクラ嬢であったり、シングルマザーの方々が語る言葉の重さ。ー
ー コロナ禍になって、メディアの偏向性溢れるコメントにより、如何に辛い思いをしたか・・。
シングルマザーの女性は言う。”メディアで、シングルマザーの児童虐待が報道されると、皆一様に同じようにシングルマザーを見る眼が変わる・・”ー
・せっかく作った野菜を廃棄する農家の方が言った事。
”学校給食が無くなると、本当にキツイ・・。ー
・そして、今作が明らかにするのは、メディアの偏向性や、コロナ禍が齎した事、そして、そもそもコロナ禍が来なくとも、社会的弱者もしくは責任の重さに比例していない処遇をされている方々(特に介護福祉士だろう・・)の仕事の尊崇さ、”ホームレスのおじさんのアルミ缶を集める姿を見よ!”を見事に描いている。
<”処遇が悪くとも、誰かがやらなければいけない仕事をする・・”
”親に虐待された子供たちの面倒を見る保育士の姿”
自分と社会に負けない心の大切さを、教えられた作品である。>
コロナ禍の今見たい、優しいドキュメンタリーです
コロナ禍の日本の現状のドキュメンタリー映画ですが、見終わって不思議と清々しい気持ちになりました。
インタビューを受けた皆さんのお話は、「この職業の方はこんなご苦労があるだろう」と想像していたものを超えていました。この映画を見ないと知り得なかったと思います。
そして皆さんが苦労話で終わらずに、各々が各々の方法で順応されていて、私も頑張ろうという気持ちをいただきました。
有村架純さん志尊淳さんはインタビューする側であり、される側でもありました。
お2人ともテレビでは見られない素を見せてくださって、丁寧に考えながら自分の言葉で話していて、聡明で素敵な俳優さんでした。
お仕事中のお2人の映像は眩しいくらいにキラキラしていました。
この映画はコロナ禍の現状をどう生きていくかの答えをくれたわけではないですが、
この映画を見てちょっと気が楽になったような、ちょっと未来に期待できるようになったような、
自分のちょっとの気持ちの変化を感じました。
今を生きている全ての人へ
"人と仕事"タイトルの言う通りコロナ禍で生きていく人と
その人々の携わる現在の仕事について描かれていると思いきや、それから派生して"生きるとは?" "人との関わりとは?" "仕事をする事とは?" 、"何が大切なものなのか?"とどんどん広がっていく。
それぞれの立場で今考えること、コロナ禍で浮き彫りになった問題。ある人は職業分断は今に始まったことではなく
以前から変わりなくある事だと言う。またある人は対面する機会が減り社会との関わりが薄れて不安を感じると同時に、少しの声かけや、行動に触れることで周囲からの愛を深く感じることができたと言う話もあった。
また、養護施設で育ち社会に旅立つ青年のインタビューではしっかりと未来と向き合い、これから立ち向かっていこうとする覚悟に心を震わせられた。
それぞれのとてもデリケートである心のギリギリのところを、ただ優しく寄り添うように有村さん、志尊さんのお二人がお仕事を体験しながらお話をつないでいました。また、エッセンシャルワーカーに今回スポットを当てているが俳優もその1つの仕事であり、その当事者であるお二人のお話も見所。
有村さんの、より大事なことがシンプルにわかるようになったと言うように、なにが自分にとって1番大事なモノなのかの取捨選択をしながら生きているのかを再確認させられた。
コロナ前、コロナ禍でも仕事に対する考えや姿勢はほとんど変わらないという有村さんと、コロナ前、コロナ禍、大病を煩い復帰後の志尊さんのより仕事について大切に感じたというそれぞれ共感しながらも個々に仕事や、人生観について違う2人の今思う事を赤裸々に答えてくれていた姿が印象的でした。
私が本作で感じた事は、悲観的でも楽観的でもなく答えなど人それぞれで見つからないがそこには生きる事の本質を考え、自分の仕事や、役割を正面から受け止めて生きている姿をとらえてありのまま映し出している気がしている。それは、本作のインタビュアーであるお二人の包み込む人柄がギリギリのところまでインタビュー対象者の心に迫れたのではないかと感じた。
コロナ禍の今だからこそよりスッと落ちてくる問題だし、他者を知ることは改めて自分を見つめ直すきっかけを作ってくれると言うことを教えられた気がしてならない。見る前と見た後で世界が変わってしまう作品でした。
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