劇場公開日 2021年11月19日

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「山岸逢花の存在感が光る」無慈悲な光 春ごとにさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 山岸逢花の存在感が光る

2025年10月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

人間社会の営みを裏で支える無慈悲と犠牲、それに光を当てようとしない人間社会の虚妄を抉り出した意欲作。いわゆるセクシー女優を起用することによって、深刻なテーマを、柔らかく、しかしそれ故により哀切に、描き出すことに成功した。演技云々の指摘もわからないではないが、少なくとも「実験動物」に彼女らを配することなしには成り立たない作品だったのではないか。女優たちはそれぞれに個性を発揮して熱演しているが、個人的には、中でも山岸逢花の存在感が光っていたと思う。本人は劇場挨拶で役柄の心理に寄り添うのに悩んだと述べていたが、葛藤の末の演技、そして彼女の佇まいが自然に持つ包み込むような柔らかさが、巧まずしてシリアスな物語に癒しと救いをもたらしていた。

春ごとに
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