劇場公開日 2022年3月4日

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「突如やや理系的なお話も出てきますが、今週は本命枠。」ブルーサーマル yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5突如やや理系的なお話も出てきますが、今週は本命枠。

2022年3月5日
PCから投稿

今年62本目(合計335本目/今月(2022年3月度)4本目)。

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「あんさんぶるスターズ!! Road to Show!!」もこの前に見ていますが、この映画のレビューの需要はおよそないと思うので飛ばします。
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 さて、こちらの作品。こちらはアニメですが、こちらも原作ありということは私も初めてしったところです(エンディングクレジットにて)。

 他の方も書かれている通り、元ネタありという前提で、単品の映画作品に仕上げたと思えるフシがあるため、実に多数の話題(恋愛ものから外国の話、さらに突如物理の話をするなど)が出るわりに、どれも中途半端になってしまっているのは、これはもう確かです。
2020年ごろならまだしも、現在であればコロナ事情を考慮して、わかりにくいのなら前半後半に分けるなど、もう少し配慮はあって良かったのでは…と思えます。
このため、「ストーリーとしてはわかるが、どれもこれも中途半端で描ききれていないという不満が生じる」点は理解できます。もっとも、だからといってさらに2時間足すと見切れなくなる(他の映画との兼ね合いで)のも確かで、どこを引くのかというのはわかりにくいです。

 さらに、突然物理(力学)の話をしたり、数学(三角比)の話をしたり、やや理系的な話題が多いです(数式など出ないだけで、普通に三角形など登場して飛行距離がこう延びるだの何だのという話は出てくる)。レベル的には高校物理・数学程度(高校2年・理系程度)ですが、何せ突如出てくるので、文系の方にはわかりにくいかなぁ…と思える点もなきにしもあらず、というところです。

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 (減点0.1) 主人公の女の子は長崎出身という設定です。そのため、序盤は長崎弁がどんどん登場する(まだ、長崎空港にいるころの話)部分も、いわゆる回想シーンなどありますが、聞き取りきれない部分もあります(単純に早すぎ)。ただ、原作ありである以上、あることないこと言えないし、同じ日本語の方言である以上、多少わからなくても前後関係から埋めることは「一応」可能です。

 (減点0.2) 「サーマル」の説明がやや不足しているかな…と思えます。飛行機と違い、グライダーが高度をあげる方法はいくつかありますが、そのうちの一つが「サーマル」ですが、本来は「熱上昇気流」で、他の方法もあるので、それらにも触れた上で「サーマル」に触れないと、「この方法しかないの?」という勘違いが生じそうです。

 ※ もっとも、一番有名でよく知られるのが「サーマル」です。これは、太陽が地球を照らすと、暖められた大気の密度が小さくなる(=軽くなる)という現象によります。地表を照らすと、その地表から上側へ、大気の流れが発生します(軽いものは浮きますよね)。このことが「サーマル」の原理です。なお、「「熱」上昇気流」と一般的に訳しますが、「熱」である点がポイントで、今、このご時世で映画館内に入るときに、発熱チェックに使われている「サーモグラフィ」と語源を同じくします(thermal「熱上昇気流」の therm- の類の単語は「熱」を意味する語です)。

 ほか、マイナーなものですが(映画内では一切登場しない)、風が山岳の斜面にぶつかることでの大気の持ち上がり現象(リッジリフト)などもあります。

 (減点0.1) グライダーに乗るのには免許が必要ですが(このことは作内でも触れられる)、練習会場などは選ばれています。裏を言えば、免許を持っていればどこでも乗れるわけではありません。例えば、大阪市や東京都のような都会を飛ぶことはできません。発着陸についても航空法による規制がかかっているからです(グライダーを管轄するのは、国土交通省)。

 ただ、このことも常識扱いされると思うし、実際問題、このアニメ映画を見て「帰りにグライダーを買おうか」という人はほとんどいないと思うので(上記通り、飛ばすだけでも免許が必要)、「行政法規の説明が抜けている」という点はこの程度です。

 (減点なし/参考) 作内で、「ある国」に旅行する人が登場するのですが…。「この国」は、グライダーという文化にとっては欠かすことができない国です(グライダーは日本発祥ではない)。この点も説明が不足しており(上述通り、原作ありという事情ではあることないことは書けない)、「なぜ、あの国でもその国でもない、「その国」なの?」という点が、ややわかりにくいです(よって「ある国」に行くことの重要さが何なのか、わかりにくい)。

 この映画内で出てくる「ある国」は、グライダー文化では欠かすことができない国です(グライダー用語の一部も「この国」の言語が使われることがあるし、そもそも、グライダーの生産・保有も、大半は「この国」で行われている)
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yukispica
ひろちゃん千葉さんのコメント
2022年3月11日

あの国は戦争に負けて日本同様飛行機開発を禁止されましたが、グライダーならいいだろうと交渉して戦後グライダーを発展させましたからね。
それらの下地があるから某航空機メーカーに参画もできた。
そう言った戦略は流石です。
景色も綺麗だし一度行って見たいですね。

ひろちゃん千葉