劇場公開日 2022年3月4日

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「あの美しさや景色をここまで表現できるとは・・」ブルーサーマル Blanik Sさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0あの美しさや景色をここまで表現できるとは・・

2022年3月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

グライダー経験者です。
超マイナー競技なので、漫画化されただけで、すごくうれしくしていたところに、映画化という情報が入ってきて、初日に見に行きました。
「大空の巨大な空気の動き」と「それを利用しようとする小さなソアラ(=今回登場するグライダーたちのカテゴリー名です)たちの意思をもった動き」、「突き抜けた高度での見晴らしや低空での地上の情報量の多い景色の美しさ」などは、ソアラ乗りたちだけのもので、皆に見せたいのだけど、共有しがたい景色、理解して欲しいけど不可能な景色、と考えていました。
この映画では、私が、かねてから経験していない人たちに、是非見てほしいと思う美しい景色が非常に良く表現できていて、とても驚きました。
グライダーの動画はそれなりにありますが、アニメーション作品はほとんどみたことがなかったので、今回の映像の美しさと相まって、アニメーション表現との親和性の高さを初めて認識しました。

特に好きなシーンは,主人公の初飛行のところで、あの強烈な加速と独特の振動や浮き上がる瞬間、主人公の表情、上空に上がってからの地上の見え方などが自分の時と重なり、「ああ、この通りだ!」と懐かしく思いおこせました。
レリーズ装着動作やピストでの人の動きなど、丁寧に取材されていて、好感が持てました。
着陸のシーンは、おそらくアニメでは非常に難しい表現だと思いますが、何度も違う角度で、丁寧描かれていて、あの緊張感をはっきりと伝える良い演出だったと感じています。

いろいろ詰め込みすぎという感想で目にしますが、大空や飛翔の美しさも詰め込みまくっていますので、非常にお得な一本と思います。
確かに、これを見せられたら、もっとみたいので時間のとれるテレビアニメ化して欲しいと考えてしまいます。

強いて注文らしいことをいうとすれば、もっとたくさんのソアラをたくさん出して欲しかった。
SZD55(←主役機DISCUSのライバルといえばこれ)、B-4、Ka-6e、 Astir、Nimbus、ASW20・・・彼らのアニメーションも是非みたいと妄想してしまいます。
先にも書きましたが、経験者故に、このジャンル(?)に甘いのはご容赦ください。

Blanik S