ほんとうのピノッキオのレビュー・感想・評価
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世界観のクオリティがすっごい
原作未読、ディズニーのピノキオすらあまりちゃんと覚えていませんが、 原作の世界観を画にしたら、まさに なのではと。(完全にわたしのイメージですが) クオリティの高いビジュアルと怪演が凄く不気味で怖いので 視覚の印象が強く残りそうな小さい子はやはり、ディズニーがちょうど良さそうですね。 ビジュアルは不気味だし、なかなか残酷な描写ではありますが 実際、愛らしいキャラクターたちはちゃんと愛らしいし 怪しいキツネとネコはとことん意地汚くおぞましい、 ピノッキオはひとの話を聞かない我儘な子ですが、 思いやりのある素直な子にちゃんと成長していきますし、 中学生あたりの子たちが観れば、 約束を守ること、学ぶ大切さ、楽して生きようとせず、やるべきことはやる などなど、それぞれにとって様々な教訓になりそうだなあ、と。 人間になったピノッキオは最高級に可愛かったです。 ほかの童話でも ほんとうの シリーズが観たくなりました。
ピノッキオは人間の優しさに光を見た
ピノッキオはどうして人間になりたかったのだろうか。妖怪人間ベムみたいに人間の世界ではまともに生きていけないのならともかく、本作品の物語の中では違和感なく受け入れられている。人形だから困ることは何もないように思える。 人間の子供は親や教師から殴られて痛い思いをするが、木偶(でく)なら痛みの感覚がないから殴られてもへっちゃらだ。 頭は悪くないから木偶坊(でくのぼう)と言われることもない。人間になるメリットはどこにもない。 子供は何でも信じてしまう傾向にある。親が子供に自分を信じさせる教育をするからなのかもしれない。親が子供に信じてもらえないと、日常生活が何かと面倒くさい。 しかし中には疑い深い子供もいて、大人にとって扱いづらいことこの上ない。だからそういう子供に向かって「ひねくれている」と非難する。大人の都合だ。 ピノッキオは大方の例に洩れず、何でも信じてしまう。悪い大人、悪い教師、悪い友だちは、ピノッキオに害しかもたらさないが、作られて間もない木偶のピノッキオにはそんなことはわからない。 散々酷い目に遭って、ピノッキオは他人の悪意を知る。そして大半の無関心と、歪んだ社会制度と、ごくわずかの親切を知る。それが世の中だと悟るまでにそれほど時間はかからない。 ピノッキオが人間になりたいと思った契機は、作品の中で明確に描かれる。それは妖精が女の子から女性に成長した姿を見たときだ。ピノッキオは悟る。妖精も人間のように大人になるのだ。大人になるということは即ち、見た目が大人になるということだ。 どんなに勉強しても、どんなに働いても、子供の木偶のままでは一人前として扱われない。ピノッキオは大人になりたかったのだ。木偶は成長しないから、人間の子供になるしかない。ピーター・パンと正反対である。 ピノッキオが大人になりたかったのには他にも理由がある。世の中は悪い連中が殆どだったが、例外もあった。サーカスの親方であり、サメの腹の中で出逢った鮪であり、仕事をくれた牧場主である。そしてどこまでも許してくれた妖精であり、何より、自分を作ってくれたジェペットだ。これらの人々はピノッキオに優しくしてくれた。ピノッキオが救われたのは彼らのおかげである。彼らと同じように、大人になったら人に優しくしたい。ピノッキオはそう思ったに違いない。木偶のピノッキオは、人間の優しさに光を見出したのだと思う。
ダークで美しいピノッキオ
特殊メイクというのが信じられないくらいピノッキオの完成度が高い。木目はそのままで目と口が自然に動いているから、生命が宿った人形が目の前に存在しているように感じる。感情や欲求のまま行動してしまう幼い心が、そのまま表情に表れている点もリアリティを高めている。 ピノッキオだけでなく、カタツムリや妖精の衣装や美術セットも美しく、映像美だけでいうと満点。 物語は、大人も子供も楽しめるダークファンタジーとなっているが、思わず笑ってしまうシーンもある。カタツムリのヌルヌル粘液で棺を担いだブラックラビッツがつるりんとコケてしまうところがそうだし。カタツムリの朗読の速度を早めたり遅めたりするシーンは、よくできたコントのようで大声で笑ってしまう。 児童向け書籍の説教くさいピノキオしか記憶になかった自分にとって、本家の物語は人間くさくもあり、シニカルでもあり、ダークで美しく感じた。
鮫なんですね。
児童文学「ピノッキオの冒険」を描いた実写作品。 原作未読だしディズニーアニメも観た記憶は無いけれど、なぜか知っているエピソードがたっぷり。子供の頃絵本ででもみたのかな、全然記憶に無いけれど。 その割には結構エグいけど元々は子供向けのファンタジーなので他の人形に糸がある意味が無かったり、喋る動物に妖精にと何でもありだけど、映画としては子供向け?というか誰に観させたい? それにしてもやっぱり皆さんピノッキオに甘過ぎて教訓にもなって無いですよね。 自分みたいな沢山のエピソードは知っているぐらいのレベルだと、こういう流れだったのかと話が繋がってスッキリした感じはあったし、つまらなくはなかったけれど、どうしたかったんでしょうかねぇ…。
童話としての認識は消え去った
人間社会そのものを描いた話だった。 上手い話にのる、忠告は無視、楽な方に行きがち、努力は嫌い、深く考えない。 大人の過ち満載で風刺が効きすぎて、話が進むたびにバツが悪い気持ちになっていた。 終わる頃には、はい精進しますなんて気持ちに。 怪しくも美しい映像が、ますます童話のイメージを払拭しビターな雰囲気に仕立てていた。
夢を見ているような気分(悪い意味で)
まず目を引くのがロベルト・ベニーニ。20年前に子供も大人が演じるという狂気のピノッキオを演じた彼が、今度はゼペットじいさんを演じます。その邦題が「ほんとうのピノッキオ」というのは皮肉にしか聞こえません(笑) ディズニーのアニメで見たピノキオは、親切なコオロギの忠告をだんだん聞かなくなる腹の立つ奴でしたが、この作品のピノッキオは産まれた時から人の話を全く聞きません。アホの上に人の忠告はきかず、やりたい放題なので全く感情移入ができず、後半ともなるとピノッキオがひどい目に合うのを楽しみにしている位です。 また、ストーリー構成もだいぶ無理があり、極悪人が一晩でめちゃくちゃいい人になったり、学校に行きなさいと言われたら次のシーンでもう学校に通ってクラスに馴染んでいたり、その学校も勉強は教えず体罰だけする男塾みたいな学校だったり、おしゃべりコオロギは哀しき醜いクリーチャーになっていたり、色んな動物の獣人みたいなのが散々出てきてるのにヤギとかロバとかクジラはそのままなんかい、とか枚挙にいとまがありませんでした。
正しい童話
シャルル・ペロー童話集を読んだことがあるかたには分かると思うが、童話=子供向けの優しいお話。なんていう認識が生まれたのはここ10年のことで、もともと童話、おとぎ話というのは子供にルールの大事さや世の中の怖さ、人の危険性などを伝えるために作られたものである。そのため、内容によっては非常に残酷で怖い。昨今の子供向けは優しくなければならないなどというのは、ただの大人のエゴなのだ。その分だけ親が世の中を教えるならばいいが、実際にはそんなこともなく、ただ子供が世の中に大して無知になるばかりだ。 今作はそんな今の流れを無視して、童話本来の形をそのまま映像化している。ピノッキオは我が儘で無知で感情的で言うことを聞かない。反省をせず何とも同じ過ちを繰り返す。大人たちはズル賢く平気で騙し優しくない。優しいのは妖精や怪物といった人以外の存在で、ピノッキオに物を教え諭すのも彼ら人外である。 美しいビジュアルと音楽に彩られた、本当の童話を一度ご覧になってほしい。
人面魚は苦手です❗️
私の中では、2018年の『シシリアン・ゴースト・ストーリー』と感覚的には共通する作品でした。 ストーリーや展開はちゃんとあるのですが、あまり起伏や感情の揺れを感じることのないまま、淡々と進んでいきます。ひとつひとつのシーンが大事に細やかに描かれていてとても丁寧です。 『シシリアン』では深く感動したのに、この『ピノッキオ』はダメでした。理由はよく分かりませんが、今の自分を写す鏡として見るならば、スッキリとした分かりやすさがないからだと思います。 ・子どもの成長譚。 ・現代社会への痛烈な皮肉。 ・ピノッキオを見守る妖精の動機(背景)。 ・同じように意思を持つ木彫り人形なのに糸をつけられるている劇団の人形たちとピノッキオとの決定的な違いは何か。 ・すべてのものを飲み込みながら、諦めないものには再生のチャンスを与えてくれる巨大サメが意味するものとは何か、妖精との違いは何か。 そんなようなことがひとつでもふたつでも伝わるようにできていれば(つまり、それが今の自分が求めてしまう分かりやすさということです)、もう少し物語に入り込めたと思います。 ※マグロの人面魚はマジに怖かったっす‼️ なんだかつまらないことをつらつらと書いてしまい、申し訳ないというか。 でも、衣装デザイン、美術などはとても素晴らしく、マッケンジー・フォイの『くるみ割り人形』とかアン・ハサウェイの『アリス・イン・ワンダーランド』などが好きな方には、煌びやかなドレスとはまた違う色合いの不思議な世界が味わえると思います。
今週(11/5)ではお子さんを連れて行く映画では本命かな?
今年162本目(合計226本目)。 結構珍しんじゃないかと思えるイタリア映画(英語は一切出ません)。このご時世なので、映画館などでバレエ(踊るほう)や歌劇などを流すことがありますが(正規料金でないのが普通)、それ以外のいわゆる「普通の映画」の範囲でイタリア映画って、結構珍しいんじゃないかな…と思えます。 ストーリーとしては、日本では誰でもしっているピノッキオをテーマにした、「こういう解釈もあり?」という、大胆に解釈した映画です。もちろんそれも「一つの解釈」には過ぎませんが、本場イタリアで作られているという事情もあるので「極端に「そんなわけないでしょ」」という部分もなく、まぁ若干微妙なところもありますが、「なるほどね」と思える範囲です。 内容的にもストーリーとしてわかりやすく、また、色々な動物(便宜上、無脊椎生物も含む。以下同じ)も出ます。動物好きなお子さんと一緒に行かれるのもよいかな…と思えます(カタツムリのみ、やや描写はすき好みはあるかな…。嫌いな子もいるので)。原作が存在し、「こういう解釈もあり」という趣旨の映画であり、その原作の範囲を大きく超えていないので、ストーリーの理解としては今週(11/5)の中ではおそらくトップクラスにわかりやすい映画で、今週「家族で見に行く映画」という観点からはお勧めできる映画です。 結末もだいたい予想がつくので(この物語で、バッドエンドや、意味の分からないエンディングは嫌…)、それもネタバレといえばネタバレなのかもしれませんが、それは許容範囲内かなと思います(少なくとも意味不明なエンディングではないし、すっきりしている)。今週迷ったら本命筋~超本命筋(日を超えてしまいましたが、11/6(土)の「エターナルズ」(予約済み)がどうか…は気になる)というところです。 採点にあたっては、特に減点要素とするべき点はないので、満点にしています。 --------------------------------- (減点なし/判断不能) この映画、色々な動物が出ます。まず、キツネが出ます。キツネといえば日本も西洋も「ずるがしこい性格」であり、そのように出ます(映画内でも)。ただ、それ以外にも実に多様な生き物もでますが、映画内で確認できる限り、キツネ以外に関しては、その動物に関する言い伝え(伝承)などでも、「良い象徴」とみなす国「悪い象徴とみなす国」がバラバラで、さらにイタリアという、英語による調査がかなり制限されるので、ここは判断が分かれるかな…と思います(ただ、どうとっても、そんなに趣旨不明でもないし、極端にマニアックな動物も出ない。普通に一般の社会や動物園にいる生き物ばかりです)。 物語の途中「海を渡ってピノッキオを探しに行く」というシーン。この映画の舞台はどうみてもイタリアです。すると「海を渡って」は地中海を指します。地中海から「海を渡ってどこかの大陸にいるかもしれない」という発言がありますが、この「どこかの大陸」は、大きく分けて「スペイン」「アフリカ北部(の各国)」「トルコ(等)」の3つの解釈が可能です(描写的には、アフリカ北部を想定しているようにも見える)。 もちろんそれがどうであろうとストーリーには一切関係しませんが、古代ギリシャ・ローマから生まれた星座の物語の中には、「海を渡った国」がテーマになっている星座も存在し(カシオペヤ座、アンドロメダ座など。現在のエチオピアを想定するというのが一般的理解だが、専門書では「地中海を渡った先にあるアフリカ北部(当時はまだ、探索など行われていない)の、古代ギリシャ/ローマと文化の全く異なる国」を総称して「エチオピア」と呼んでいたのも事実であり、この点は混乱を招くかな…と思いました(もっとも、それがどこであろうが、ストーリーには一切関係しない)。 ---------------------------------
子どもに感情移入させて冒険を経験させて啓蒙するお話
貧しい村、貧しい人達。その中でも一番貧しいのがジュベット。飢えない程度にみんなが助けてる。変わり者だけど排除されないで生活してる。 ディズニーのピノキオは見てない。見たとしても記憶にないので比較できないのが残念。 この映画のピノキオは、こらー!大人の言うこと聞きなさい!バーボの気持ちわかりなさーい!と叱りたくなるほどのわんぱく坊主で色んな誘惑に自分の意志で飛び込んでしまう。でもなぜか皆に好かれる子。別れるときはハグしてキスをしてみんなに愛される。生まれて初めてキスされたよーとサメのお腹の中で出会ったTonno(マグロ)のおじさんは感激して泣いちゃう。いろんな人(動物)と出会って色んな経験をしてピノキオは学んでいく。目がどんどん生き生きしてくる。 ピノキオは、晩はお家で勉強し昼間はバーボの健康を取り戻すために働いて、日本でいうところの親孝行をする。そして妖精様にも認められて人間の男の子になれました! 勝手に動く気味の悪い丸太だった、その丸太にジュベットが出会った。それがそもそもの始まり。風景が美しかった。トスカーナ?でもエンドロールでプーリアともあった。確かにプーリアか。美しい。音楽がとても良くて耳から離れない。同じフレーズが頭の中で何度も再生されている~🎶 ゆっくりカタツムリにしても、ネコ、キツネにしても、イタリア語の言い回しが動物の特徴に反映されていて、普通名詞がそのまんま動物の名前になっているので、子どもにとってすごくわかりやすい。何気なく教育しちゃうんだな、イタリア❗️ 妖精が最初は子どもで成長して大人になるなんて!昔見たイタリア映画のピノキオでは妖精は初めから美しい大人だったのでそういうところも面白かった。サーカスでロバになったピノキオを見て妖精が流す涙が美しかった。 この映画で「悲しい」と思ったのは正しい貧しさに対する感情。 今の日本は貧しいのに加えて、愛し愛されるとか別れるときは心のこもった挨拶をするとか色んな人が居るのが当たり前という、生きる上で大切なことすらできていなくて荒んでいる。だから「悲しい」という感情すら湧き上がってこない。 この映画では貧困と豊さが共存していた。
ちょっぴり幸せな気分。
イタリアの童話って感じで、派手な作品では無いがちょっといい話しって映画。 おじいさんが作ったピノッキオは意図しない旅に出てしまい、次々と知らない人に出会い、騙されては妖精に助けられて成長する。途中警告を聞かずイラッとしましたが(子供だからしょうがないんだが、、、)純粋で子供らしい本当に良い子。 最後はなんかちょっぴり幸せな気分になれました。 良い話し。
タイトルなし
1881-82年雑誌に連載され 1883年に最初の本が出版された カルロコッローディ(1826年-1890年)の 児童文学作品 「ピノッキオの冒険 Le avventure di Pinocchio 」 ほんとうのピノッキオのお話は これ。 これです。 私は今まで フィルターのかかったピノキオしか 知りませんでした。 ピノッキオの成長を通し描かれている 子供の成長物語 描かれた当時の人々の暮らし 愛情•友情•嘘•偽り そして許し 幻想的な美しさ リアルな残酷さ 全て 読みたかったお話でした お伽噺って暗く残酷でもあるけど 子供は読んで(観て) 体験していなくても どうなるのか想像し考える どうしたらよいかを考える 素敵な映画です まもなく公開 おすすめ(⑅•ᴗ•⑅)◜
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