「久しぶりに童心に帰らせて貰った。ただ新解釈があるわけではなく現代の映像技術で描き直したダイジェスト版なだけなのが大人の部分の自分には物足りない。」ほんとうのピノッキオ もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
久しぶりに童心に帰らせて貰った。ただ新解釈があるわけではなく現代の映像技術で描き直したダイジェスト版なだけなのが大人の部分の自分には物足りない。
①確かな演出力は最後までぶれない。それでラストまで飽きずに観ていられる。②こんなに説教臭い話だったかな、と思ったけど、何かと言うと学校に行け、学校に行けと姦しい。ジュゼッペにしてもそうだし、妖精に至っては学校に行かないと人間にはなれない、と諭す徹底ぶり。学校に行かずに遊んでばかりいる子供たちがロバにされてしまうエピソードも教訓的。当時のイタリアの子供達は余程学校に行かなかったのか、原作者が元々学校の先生だったからか。③ただ、学校の先生が厳めしい顔のわりには話し方が可笑しくて笑わせる。出来なかった生徒は豆の上に座らせるというのもイタリアの昔の風俗がわかって面白い(確かに痛いかも)。子供をさらってロバに変える親方も怪演。カタツムリのオバサンが絵本を読んでいる時に妖精とピノキオにイタズラされるシーンも笑わせる。概しての大人の俳優たちの演技が面白かった。④キツネとネコに騙されたピノキオが裁判所に駆け込むシーンはあまり面白くなかったが、「無罪なら牢屋に入れられる」というのは現代でもどこかの国でやられていることなので風刺が効いている。⑤『人造人間キカイダー』ファンとしてはコオロギの「ジェミニ」が途中から消えてしまうのも物足りない。⑥人形のピノキオが可愛く見えてきた頃に人間の子供になってしまうが、その男の子があまり可愛くないのも残念。
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