「正しい童話」ほんとうのピノッキオ Ko Fuさんの映画レビュー(感想・評価)
正しい童話
シャルル・ペロー童話集を読んだことがあるかたには分かると思うが、童話=子供向けの優しいお話。なんていう認識が生まれたのはここ10年のことで、もともと童話、おとぎ話というのは子供にルールの大事さや世の中の怖さ、人の危険性などを伝えるために作られたものである。そのため、内容によっては非常に残酷で怖い。昨今の子供向けは優しくなければならないなどというのは、ただの大人のエゴなのだ。その分だけ親が世の中を教えるならばいいが、実際にはそんなこともなく、ただ子供が世の中に大して無知になるばかりだ。
今作はそんな今の流れを無視して、童話本来の形をそのまま映像化している。ピノッキオは我が儘で無知で感情的で言うことを聞かない。反省をせず何とも同じ過ちを繰り返す。大人たちはズル賢く平気で騙し優しくない。優しいのは妖精や怪物といった人以外の存在で、ピノッキオに物を教え諭すのも彼ら人外である。
美しいビジュアルと音楽に彩られた、本当の童話を一度ご覧になってほしい。
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