「吉行和子さんは「にあんちゃん」(1959年)よりもっと以前から 「金子文子 何が私をこうさせたか」(2026年)まで 146本の映画に出演。出演テレビドラマはもっと多いだろう。」世の中にたえて桜のなかりせば ドン・チャックさんの映画レビュー(感想・評価)
吉行和子さんは「にあんちゃん」(1959年)よりもっと以前から 「金子文子 何が私をこうさせたか」(2026年)まで 146本の映画に出演。出演テレビドラマはもっと多いだろう。
動画配信で映画「世の中にたえて桜のなかりせば」を見た。
2022年製作/80分/G/日本
配給:東映ビデオ
劇場公開日:2022年4月1日
岩本蓮加(咲)
土居志央梨
西村和泉
名村辰
柊瑠美
伊東由美子
徳井優
吉行和子
宝田明(敬三)
2025年9月2日に吉行和子さんが亡くなったと聞いた。(90歳没)
なので、彼女の近作を見てみようと思った。
吉行さんは「にあんちゃん」(1959年)よりもっと以前から
「金子文子 何が私をこうさせたか」(2026年)まで
146本の映画に出演。出演テレビドラマはもっと多いだろう。
「東京家族」と「家族はつらいよ」のシリーズが好き。
主演の岩本蓮加(乃木坂46)という人は初見。
終盤でその職業がわかる郭智博という人は父親が台湾人らしい。
最近芸名を西村和泉に代えた。
「世の中にたえて桜のなかりせば」の意味をググってみた。
この世の中に、まったく桜というものが無かったら、春を過ごす人々の心はどんなにのどかであることでしょう。 実際に、桜なんて無ければいいと言っているわけではなく、美しい桜の花があるせいで、「いつ散ってしまうだろう」「どうか散らないでほしい」と思って穏やかに過ごせない、それほどに桜の魅力を詠った歌です。
終活アドバイザーのアルバイトで不登校の女子高生・咲(岩本蓮加)は、
一緒に働く敬三(宝田明)と共に様々な境遇の人々の「終活」の手助けをしている
咲の担任で国語教師であった南雲は生徒からのイジメに遭い、教師をやめ自暴自棄の生活をしている。
咲はひきこもりの彼女の様子を見に度々家を訪れ、様子をうかがっていた。
イジメの張本人の女子生徒を待ち伏せして自分の気持ちをぶつけたりもするが、彼女の中のやるせない気持ちは消えることはなかった。
咲に、敬三は病気で老い先短い妻(吉行和子)とかつて見た桜の下での思い出を語る。
咲は敬三たち夫婦を励まそうと、敬三がかつて見たという桜の木を探しに出かける。
映画の中では特段大きな事件や出来事は起こらない。
これは人の内面に焦点を当てた映画だろう。
経験は少ないのだろうが、岩本蓮加という人の演技はまっすぐで好感が持てる。
吉行さんは往年のような表情豊かな演技ではない。
宝田明はこの映画が遺作になった。
満足度は5点満点で3点☆☆☆です。