ドーナツキングのレビュー・感想・評価
全18件を表示
米ドーナツ文化に、語りのマジックを少々
アメリカといえばドーナツ。数年前に某チェーンが上陸したときに日本人が行列をなしたのも懐かしいが、そもそもの米国内におけるドーナツ商戦に、カンボジアからの移民たちの存在が関わっていたとは思ってもみなかった。ポル・ポト派が人々を弾圧し、おびただしい数の犠牲者を出した70年代カンボジア。そこから逃れて米国へとやってきた一人の青年が、ドーナツ文化に大きな変革をもたらすことになろうとは。本作はそんな知られざるクロニクルを穏やかな雰囲気でわかりやすく伝えてくれる。そして後半になると「あっ」と気づくのだが、ちょっとした語りのマジックも介在していて、その構造がドキュメンタリーとして興味深く感じられた。ドーナツにまつわる知られざる現代史を描くにあたり何を核とするか。確かに、この偉ぶらない、ほんわかとしたおじさんでなければ、その役割は務まらない。作り手は非常にアイコニックな点に着目したものだと感心させられた。
おもしろかったー
ドーナツキングの生涯だけでなく、カンボジアの歴史、アメリカのドーナツ業界の勢力図、キング以外のカンボジア難民の来歴、色々描いてるのに全然とっ散らかった感じはなく、敵役に描かれがちな巨大チェーン側の人達もみんな親切で、悪意の人にはドーナツって作れないのかもねと思いましたよ。個人的にはDKドーナツのお母さんものすごい美人なのに短絡的な金稼ぎに走らず地道にドーナツ屋やってしかも成功して、しかも娘も美人な上にさらに店を繁盛させて、良かったね~と知らない人ながら涙出そうになりました。ハッピーハッピーで終わるのかと思いきやちゃんと落とし穴があり、でも最後はちゃんと収まるんでしょと思ったら、キングはすべてを失ったままだったのね。でもまあ奥さんも子供たちもインタビュー受けてくれるってことはそこまで壊滅的じゃないんだよね。幸せに死んでいけるといいねと思いましたよ。
アメリカン・ドリームの成れの果て
アメリカン・ドリームを体現した人物の映画です。それゆえに残酷な現実を描いていると思います。当事者のテッドはカンボジアの内戦かっRiricoあ逃れて、自由の国アメリカへやってきました。豊かになることを目指して懸命に生きます。ガソリンスタンドやその他の仕事を掛け持ちしながら、ドーナツ店で修行して、半年で独立店舗を持ちます。まさに「夢を叶えた」のです。彼に善行はカンボジア難民への救済へ向けられました。そして多くのカンボジア人の家族を救います。しかし、次第にアメリカン・ドリームの罠が忍び寄ってきます。豊かさが招いたギャンブルという甘い罠です。テッドの凋落はあっという間に訪れます。ここの映画の本質があると思います。 『運だぜ!アート』のluckygenderでした
ドーナツドリーム
アメリカのドーナツ店はカンボジア系が90%以上で、その全てのルーツとなったテッド・ノイのドキュメンタリー。 要はテッドが家族や親戚をアメリカで面倒みまくってついでにドーナツ店の賃料取ることで大儲けした移民サクセスストーリーなのだが、これ「移民に仕事を取られるから移民反対」派の人が見たら余計憎たらしく思うんじゃない?とは思った。 まぁラスベガスのカジノでギャンブル中毒になって転落していくので結局アメリカに搾取されたようなものでもあるんだけどね。 テッドの奥さんとのエピソードで結婚した理由が美人だったのと美人と結婚すれば成功した証になるみたいなこと言ってて、そこらへんからテッドの影が見えてくる構成が良かった。
12/28(火)昼~ 神戸国際会館に行きました
梅田で上映している時期を逃し、神戸三宮の映画館で観ました。 当日の入場者は私らを含め4名。少ない人数で寂しさを感じましたが映画自体はカンボジアの悲劇から、覚悟を決めた難民が異国の地で、お店を発展・拡張させるストーリーは非常に面白く、興味深く感じました。究極に追い込まれて退路を断たれた方々が知恵を絞って活躍する姿に勇気を頂きました。もっと人気があってもいい映画だ。
カンボジアからアメリカに渡った
無一文で内戦のカンボジアからアメリカへ渡り、ドーナツ店の経営で資産2000万ドルを所有する「ドーナツ王」となったテッド・ノイのドキュメンタリー作品。アメリカンドリームを掴んだ彼は、いかにしてドーナツ店経営に至り、カジノで破産してしまうが、ドーナツ店のオーナーたちから感謝されてる彼の半生を描いている。 まぁ、凄いなぁ、とは思うが、特に感激も無く、そんな人も居るんだろうという感想。 カジノで博打に手を出しギャンブラー依存症で破滅するなど、憎めないがバカとしか言いようがない。
【カンボジア移民のドーナツをきっかけにした波乱万丈の人生を描く。1970年代のアメリカが移民に寛容だった事も描いたドキュメンタリー作品。】
- クメール・ルージュによるカンボジア内戦。テッド・ノイ一家はアメリカに移民として入国。年間2億食が消費されるドーナツ大国で家族経営で、破竹の快進撃をして行く様を描いた前半。
後半はテッドが博打で身を崩し、カンボジアに戻る様が描かれる。-
◆感想
・テッドの波乱万丈のジェットコースター人生が、凄い。巨万の金が入ると何かが狂い出すのであろうか?
・だが、彼の功績は大きい。カリフォルニアの約5000店舗あるドーナツショップの九割はカンボジア系米国人が経営していると言う。
<今作品は人の努力の大切さと、目標を達成した人間が陥る危険な誘惑を描いている。
何よりも、かつてのアメリカが移民受け入れに寛容で、自由競争を重んじた国であった国であった事もアリス・クー監督やリドリー・スコットは言いたかったのではないかな、と思った作品である。>
偉業
同胞のカンボジア難民を多数助けたのが
テッドさんの人生における偉業だったと思います。
それ無しでは・・・・
アメリカンドリームを実現して
ギャンブル依存症で全てを失った人の
波瀾万丈の人生が
ドキュメンタリー映画になっても
あまり興味が湧かなかったかなと思います。
私の行った劇場では
うれしいサービスがあり
チケット売り場にてドーナツを購入できたので
映画の中のおいしそうなドーナツを観ながら
リアルタイムで食べられ大満足でした。
移民のアメリカンドリームまでは予想通り、そこからの波乱が苦々しい話...
移民のアメリカンドリームまでは予想通り、そこからの波乱が苦々しい話だった。 移民のコミュニティで同じ商売が次々とはじまるのはどの国でもお馴染みの光景だが、必死に働いてやっと手に入れた成功も魔が差して転落もよく聞く話。 テッドノイのジェットコースターな人生だけじゃなく、周辺もバラバラと登場するから、焦点が定まらない話の展開に若干退屈だった。
ドキュメンタリーなんですね!
予想外でした。 序盤の行動素晴らしいですね! カジノにのめり込みで大失敗。 誰も恨んだりしていないことにビックリ! とてもドーナツが美味しそうで、ドーナツ欲しくなりました。
アメリカのドーナッツが食べたい!
隆盛と凋落の話はいくらでもあるけど、まさかのギャンブル依存症での転落とは何と勿体ない事。 でも、寝る間も惜しんで一所懸命働いたお陰で色んな経験が出来たし、人の役にも立てた。 素晴らしいよ、デッドさん。 必然の成り行きとして、帰りにドーナッツ買いに行ったけどアメリカのドーナッツと日本のドーナッツは別物だね。 アメリカの人が見たら怒りそう💢笑
日々進化を続ける米国のドーナツ業界に君臨したキングの壮絶な栄枯盛衰を見つめる分厚いドキュメンタリー
米国民の96%に愛されるスイーツ、ドーナツ。1975年のプノンペン陥落により祖国を追われたカンボジア難民の1人だったテッド・ノイはガソリンスタンドで働いている時にドーナツショップの甘い香りに魅了されてドーナツ店での修行を開始、昼夜問わず働いて貯めた資金で小さなドーナツショップを開く。従業員を雇わず家族総出で徹底的にコストを切り詰めた経営で商売を軌道に乗せていくだけでなく、同じように祖国を追われたカンボジア人の身元引受人となって次から次へと米国に呼び寄せてはドーナツショップ経営のノウハウを教えてカリフォルニアにどんどんドーナツ店を開業させて賃料収入で瞬く間に億万長者となり、ドーナツキングと呼ばれる存在になる。 映画はそんなテッドさんが成し遂げたアメリカンドリームや奥さんのクリスティさんとのドラマティックな馴れ初め、ドーナツ店主達が語るプノンペン陥落後の過酷な生活といった様々なエピソードを紹介。しかし映画はドーナツキングの栄光に忍び寄る闇にも肉薄、そこから先の展開に思わず息を呑み豪快に泣かされました。かつてさまざまな土地で出会った移民の方々と話した際にも波瀾万丈な人生を和かに語る逞しさに驚かされましたが、本作に登場する人達が時折言葉を詰まらせながら語る半生にも想像を絶する歴史が滲んでいて、スクリーンを彩るカラフルなドーナツのように眩しく見えました。
カンボジア内戦とその難民について学ぶことができました
教科書的な史実としてカンボジア内戦のことを分かったつもりでいましたが、当時実際に体験したカンボジアの方達の体験談や映像をみると、本当に悲惨な歴史だったということを知りました。多くの命が奪われて、家族がばらばらになったり住むところを奪われて。 そんな状況でこの映画の主人公のテッドさんはアメリカに難民として移住することに。家族を養っていくために様々な仕事を寝る間も惜しんでやっていくなかで、ドーナツと出会い。 頭がよく要領もよかったというテッドさんは自分で店を持つようになって。 結末はどうであれば、同じカンボジアから流れてきた人達に雇用を創出して独立するチャンスを作ったテッドさんはとても素晴らしいなと思いました。そして劇中のドーナツがとても美味しそうで本場で食べてみたいなと思いました。
カンボジア人ドーナツ王の人生波乱万丈
カンボジアの男性がアメリカでドーナツ王と呼ばれるようになるまでの大進撃物語かと思って観に行ったら、さにあらず。 カンボジアの内戦によって、命からがらアメリカに亡命できた主人公の事情が丁寧に描かれている。 主人公テッド・ノイはドーナツ屋で勤勉に働き自分の店を構えるまでになる。 仕事の無い同郷のカンボジア人にドーナツ屋のノウハウを教えていくと、家族経営の人件費の安さから、アメリカの大手ドーナツチェーン店をどんどん駆逐していく。 しかし、多くのカンボジア人を救ったドーナツ王のその後の人生は…。 なんだか、泣けたね。 人生だね。 後継者たちの頑張りにも泣けた。
暴君王vsドーナツ王
何故リドリー・スコットが製作総指揮を務めているのか、最初は不思議に思ったが、難民から大富豪となり、そこから転落していくテッドの人生は、『ゲティ家の身代金』、最新作の『House of Gucci(原題)』にも通じるように、リドリーの大好物なテーマだからだろう。また、難民から富豪となったテッドは、『エクソダス:神と王』(2015)での奴隷から民の指導者となるモーゼとも重なるし。 “暴君王”ポル・ポトが生んだカンボジア難民を、元カンボジア難民の“ドーナツ王”テッド・ノイが救う。本作はアメリカのドーナツ史でありながら、知られざるカンボジア史だ。 とにかくアメリカのドーナツビジネスには驚かされる。斬新かつ奇抜なアイデアで生存競争をするドーナツ業者の現状も知れて面白い。一方で、いかにアメリカ人の肥満率が深刻なのかも理解できたけど。
全18件を表示