「自身の敵は自身か」ロスト・ボディ 消失 aさんの映画レビュー(感想・評価)
自身の敵は自身か
クリックして本文を読む
テクスターと名乗る女に絡まれ、おかしな話を聞かされながら少しずつ主人公が真相を思い出していくという展開なのだが、終盤になるまでやや分かりにくいかも。
とはいえ空港のミニチュアとか、トイレにテクスターが入ってきたにも関わらず無反応の男とか、おかしなシーンは要所に挟まれているので気づく人は気づくだろう。
最後のセメントに沈められそうになるところと、逆転しテクスターを沈めるあたりは個人的にかなり好き。
真相を隠して忘れて生きてきたこれまでの自分と、罪の意識や善性とも言えるであろうテクスターが競り合ってテクスターが負けるというだけでなく、しっかりとセメントに沈め、それと同時に殺人の事実も意識の底に沈めるところが映像として描かれていて良い。
その後席に戻った主人公の指の傷がなくなったのも、テクスターという女が現れたことや空港で起きたことをすべてなかったことにして、元の自分に戻ったということの現れなのだろう。
そういう細かい描写が好みだった。
コメントする