「とにかく最後は拍手喝采です。」リスペクト バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)
とにかく最後は拍手喝采です。
ようやく、ようやく鑑賞できました。
昨年公開されていた
「アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン」
観ておいてよかった。
本編ご覧になった方々はお蔵入りから復活した
この作品ご覧になられた方が良いと思います。
ラストシーンがさらに厚く熱く伝わります。
そして、またその逆も然り。
本作はグレイト・シンガー、アレサフランクリンの伝記映画。
彼女や周辺の人々の暗黒面はほどほどに、
彼女へのまさにリスペクトがぎゅーーーっと詰まった一本に
なっているのではないでしょうか?
ですから詳しく知っている人にしたら、違うじゃん!
物足りないじゃん!って感想になるのかもしれません。
けど、この素晴らしい祈りの声を届け続けてきた
彼女の描き方はこれでよいのかも?なんて思います。
僕はアレサについては詳しくありません。
曲はいくつか知っていってどれも大好きだってことだけです。
ですから、その辺りは気にならなかったです。
男尊女卑、暴力などでの男性の束縛、虐待(?)などなど、女性が
自由に動けなかった時代、黒人の差別が酷かった時代を背景に、
アレサの生き様と歌声だけで胸熱です。
個人的にはアレサのパーソナリティにもっともっと踏み込んで
欲しかったかなぁって思います。
抑圧された中で男性たちや時代に翻弄されながらも
一人歌い続けて立ち向かい、切り開いた女性の強さを
イベントではなく日常の中で内面をぐりっと描いて欲しかったし、
知りたかったなぁって思いはあります。
まーとにかく、ジェニファー・ハドソンがすごい。
その歌声の説得力たるや。
もう、これだけで十分なのではないでしょーか?
なんて思っちゃいます。
サラッと表面を撫でるだけの伝記のストーリーですが、
彼女が届ける歌声に「祈り」がありました(と見える演技でした)から
もう、アレサの最も大事なところを描けていたと言って良いのかなぁ?
なんて。
エンドロールの映像を見終わっとき、立ち上がって拍手したかったです。
それだけ感極まってしまいました。
音楽好きの方は、劇場の音響で見るべき一本です。
ストーリーに物足りなさを感じるかもしれませんが、
音楽映画ですからね。おすすめだなぁ。