劇場公開日 2021年11月5日

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「アレサの生きざまと、ジェニファー・ハドソンの歌心。二人の縁もドラマティック」リスペクト 高森 郁哉さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アレサの生きざまと、ジェニファー・ハドソンの歌心。二人の縁もドラマティック

2021年11月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

萌える

日本の映画ファンがジェニファー・ハドソンの存在を知ったのは2006年の「ドリームガールズ」だったが、2004年にオーディション番組「アメリカン・アイドル」に出演したことが彼女のキャリアの始まりになったようだ。その後ジェニファーは公演旅行中のアレサ・フランクリンを訪ね、アレサがそれまでコメディアンしか使わなかった前座で歌うことを認められたとか。ジェニファーの才能を早くから見抜いていたアレサが、自身の伝記映画の企画が立ち上がるとジェニファーに直接会って「自分を演じてほしい」と伝えたというから、なんともドラマティックではないか。

さて映画では、もちろんアレサの代表曲をジェニファーが素晴らしいパフォーマンスと魂のこもった歌で聴かせてくれるのだが、10代での出産(かなりぼかしてはいるが)や夫からのDVなど、アレサの人生における“影”の部分も踏み込んで描いている。

著名な牧師だった父親との複雑な関係性や、キング牧師との特別な絆など、本作で初めて知ったことも多かった。今年5月にドキュメンタリー映画「アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン」が日本公開されたが、「リスペクト」の鑑賞後にあの教会ライブを観るとまた違う感慨がありそうだ。

高森 郁哉