劇場公開日 2021年11月5日

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「黒人女性として強く生きた天才の物語」リスペクト kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0黒人女性として強く生きた天才の物語

2021年11月23日
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鑑賞方法:映画館

アレサ・フランクリンの曲は知ってて好きなのだが、生まれた家庭環境とか周りの人間関係とかはあまり詳しくない状態で鑑賞。少女時代のシーンで驚いたのが、エラ・フィッツジェラルドやダイナ・ワシントン、キング牧師といった人たちが登場すること。なんてすごい環境!
他にも若くして出産していたことも初めて知った。ソウル歌手がスターダムにのし上がっていくというより、公民権運動が盛んな時代の黒人女性としてどうやって生きてきたかという側面が強い物語だった。その生き様はとても感動的で素晴らしいのだが、物語としてあまり感動的には感じられなかった。
この映画の(個人的に感じた)本当の魅力は有名な代表曲が生まれるエピソードとそのレコーディングシーンだ。あの曲がこんなプロセスで作られていったのかが(フィクションだとしても)面白かった。セッションとして観ていてとても興奮した。
そして、ジェニファー・ハドソンの歌声もこの映画の魅力の1つ。どの曲もキッチリ歌いこなしていて上手いなーと思った。それだけで観る価値はある。
でも、ジェニファー・ハドソンの歌声も壮大な前フリだったのかもしれない。最後にアレサ・フランクリン本人が登場して歌うシーンがある。晩年の映像だし、さすがに歌声も衰えているだろうと思っていた。ところが軽く出すその歌声の高音や伸びがすごい。衰えているはずなのに!この歌声だけで感動してしまった。あー、やっぱりアレサは偉大なシンガーだったんだなと再確認できる映画だ。

kenshuchu