「ハドソンの歌は普通レベル」リスペクト 熱帯雨林さんの映画レビュー(感想・評価)
ハドソンの歌は普通レベル
ドリームガールズのときもそうだったけれど、ジェニファー・ハドソンの歌に圧倒されたとか、素晴らしいとかの評価をする人には絶賛する前にオリジナルを聞いてみてほしい。私はプロとしては普通だと思う。この映画でなら、最後のエンドロールでアレサ・フランクリン自身が往年と比べると衰えながらも歌うのと比べてほしい。全く上手さが違うのがわかるはず。ドリームガールズなら、ブロードウェイ舞台でエフィーを演じたジェニファーホリデイの歌と比べてほしい。YouTubeのjennifer holliday「and i am telling you(1982)」など。これは上演中のパーフォーマンスではないけど、こんなのを毎回舞台で歌っている。歌声は前撮り・口パクの映画と違って、ブロードウェイのは毎回なま歌。他に、エフィーつながりで二人のジェニファーが共演しているのもアップされているけど。また、女優が歌うレベルとしては上手いというのも違っている。元々、素人発掘タレントコンテスト出身でプロ歌手を目指しての芸能界だもの。繰り返すと、ジェニファー・ハドソンの歌はプロなら普通レベルだわ。
でも歌のみで勝負していた頃に比べると、映画やら舞台で演技経験を色々積んできたせいなのか、むしろハドソンは演技のほうが評価されても良いと思う。顔は違うが、本当にアレサ・フランクリンに見えたよ。こちらはすごいと思う。
映画自体はだいぶはしょってる。ま、2時間に詰め込まなきゃならないので仕方ないけれど。人形を抱いた幼児時代ではなく、実際には12歳の時に最初の子供を産んでいたの、あれでわかったかな。自分でその子供を全く育てていないこと、わかったかな。また、彼女を売り出した夫から物扱いされていたはずのDV表現もぬるいし。ファンとして映画を観られたのは嬉しいが、歌も内容ももうひとつだった。ただ、初期のバックコーラスを自身の姉妹がしていたというのは、この映画で初めて知った。おそらく実話なのだろう、ファンを名乗れないかも。