劇場公開日 2021年11月5日

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「最高の見どころは、様々な場面で歌うアレサ役のジェニファー・ハドソン。」リスペクト M.Joeさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0最高の見どころは、様々な場面で歌うアレサ役のジェニファー・ハドソン。

2021年11月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン」のライブレコーディングの映画が今年になって公開されたが、そのときアレサ・フランクリンがゴスペルを発表し、最も生涯で売れたレコードとなったとのこと。バプティスト教会での歌唱力が子どもの頃から認められ、厳しい父のもと育てられ、メジャーデビューしてからの半生を描いている。
教会、自宅でのパーティ、ライブハウス、海外ツアーライブ、レコーディングスタジオなど様々な場面で歌い、メンバー間やレコード会社でぶつかり合うシーンがあるが、臨場感ある状況を再現し、その中で歌うアレサ・フランクリン役のジェニファー・ハドソンの歌がしびれるほど素晴らしい。子役の女の子歌もとても素晴らしい。
この映画の最高の見どころは、この様々な場面で歌うシーンに尽きる。

その半生は、教会とともに歌い生き、そしてマーティン・ルーサーキングをはじめ黒人たちの公民権運動に関わり行動した深いルーツがある。母との別れ、父や恋人との葛藤、女性としてまた黒人と生きる苦悩、酒に溺れ、癇癪を起す。そういう経験を経て、「神」を信じ、人々に生きる力を与える魂を揺さぶる歌い手として第一級の名前を刻む歴史的な歌手となった。
私がよく聞いていたのはアレサが30歳頃だったと思うが、明るいダンサンブルな曲ばかり聞いていた。しかし、この映画でもっと若いころからの彼女の生きざまを改めて知り、感動した。
心の叫び、黒人たちの誇り。現在の日本の音楽業界とは社会情勢も違うが、音楽をやっている人たちには、是非見てもらいたい映画である。

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M.Joe