「歌には大いなる力がある」リスペクト bionさんの映画レビュー(感想・評価)
歌には大いなる力がある
アル中を克服したアレサはロサンゼルスのニュー・テンプル・ミショナリーバプティスト教会で Amazing Grace を歌う。アレサがここまでたどってきた道のりを思って涙があふれてきた。アレサの歌声を聴き続けていると、不思議な気持ちが湧き上がってがきた。
「自分は一人ではない。誰かが寄り添っていてくれる。生きていることに感謝したい。」
自分は神の存在を信じてはいないが、大きな愛に包まれている感覚を覚えた。このライブに立ち会った人は、絶対何かを感じていると思う。
アレサや伝道師である父親の負の部分を隠さず物語として語っている。自分の弱い部分を見ているようで、嫌悪感を感じてしまうが、アレサが「邪悪な虫」を克服したからこそ彼女の歌に感動する。
教会のライブシーンでの臨場感は文句なしだし、アレサが白人ミュージシャンと即興で曲を作るシーンは鳥肌が立ったまま引き込まれる。ソウルが共鳴して音楽を作っていく。その現場に立ち会った気分になった。
歌には大いなる力がある。選ばれし歌声を持って生まれた人間は、思い存分、他の人間を喜ばせてほしい。
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