笑いのカイブツのレビュー・感想・評価
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パンク・お笑い
この心がヒリヒリそわそわする感じ、なんだっけ…と鑑賞中ずっと思っていて、エンドロールの曲と演出でやっと腑に落ちた。そうだ、パンク・ロックだ。これはパンク・お笑いだ。魂の叫びだ。
映画館でポスターを見て、岡山天音さんの仄暗く鬱屈した、何か飢えたような眼差しに射抜かれ、公開されたら観ようと思っていました。
観てよかった。劇場で観てよかった。たぶんブルーレイや配信で自宅で観たらこの感情にはなれなかった気がする。家で見るなら、深夜ひとりきりの暗い部屋でお酒のみながら見たい。
そして菅田将輝さんはやっぱりすごい役者だ。出てきた瞬間ハッと目を奪われるような存在感
アウトローな菅田将輝を見れただけでも価値あり。チャラさと危うさ、妙な面倒見の良さと人情味。後半では「居酒屋の元気な兄ちゃんを演じきってる本質ガラ悪男」な演技、すばらしい。引き込まれました。
また仲野太賀さんの穏やかで優しげで包み込むような、でも笑いには貪欲なところもとてもよかった。ツチヤの才能を信じているからこそ本当に歯がゆいのが痛いほど伝わってきた。
岡山天音さん演じるツチヤには、もっと妥協覚えてうまくやれよ!才能ムダになっちゃうよ!とやきもきする気持ちと、そうしてしまったら良さがなくなっちゃうかもしれないからそのままでいてほしさもある…という気持ちがごちゃごちゃになった。
でもさ、売れたい=大衆に認められたいなら、大衆に迎合することも必要なんだよね。世知辛いけど。
怪物とは
差し出された手を掴んでほしいが、掴めなかったのもらしさといえば、らしさか。
ツチヤの行動に「なぜ?」と思う部分に描写がない点がいくつかあったとおもうが、それもらしさなのかもと感じた。母親の愛情が良かった。
印象に残ったセリフ
・お前が笑わせようとしているのは世間やろ
・死んだら、無敵ちゃう?
「……しょうもな。」
映画の最後くらいで、ツチヤタカユキ氏が
発した言葉です。
私はツチヤタカユキ氏の事を知りませんでした
本も未読です。
他の映画を観に行き、映画の告知で
今回の映画を知りました。
不器用な青年が
身を削って
笑いに打ち込む話でした。
私には大変響き面白かったです。
社会の集団の中で
浮いたり、孤立したり
身の置き場のない描写は辛かった
アドバイスを理解出来るが上手く
立ち回る事ができない。
でも、僅かだけど
自分を理解してくれる人に
支えられて、成長しいきている。
観終わって
何かしらを
自分に言いきかせ?笑
明日から、また仕事に行こうと思いました
ツチヤタカユキ氏は、弱い様で
とても強い人に見えました。
是非映画館で観てください。
ツチヤがどっかで生きてることを願ってる。
ケータイ大喜利懐かしかった。「着信御礼」って声が頭の中で響いてた。映画の中ではデジタル大喜利やったけど。司会が藤井隆とキム兄で、ほんまにこの2人が出てたっけ?って思った。後で調べると本家は今田耕司と板尾創路だった。そやそや。
ツチヤの不器用さが悲しかった。彼の言う「正しい世界」ってどこかにあるだろうか。あったらそこへの行き方を教えてあげたいけど、私もわからない。氏家がやってるようなことが物事を進めてる世界しか、見たことないから。でもツチヤの居場所があって欲しい。
岡山天音さん、すごかった。素晴らしかった。
菅田将暉さんも、久能整くんを演じた人とは思えなくて、良かった。
松本穂香さんもいい味だしてた。
仲野太賀さんもよかった。豪華な脇役ですごいね。
ベーコンズの仲野太賀じゃない方の人の芸が、オードリーの春日っぽいなと思ったら、現実のツチヤが世話になってた芸人はオードリーなんだね。仲野太賀は若林正恭なんだ…(ちがう)とガッテンした。
ツチヤが2024年の現在も生きてるか、気になってググってみたら生きてるみたいでホッとした。楽しくご機嫌に生きてるかはわからないけど、ビニール袋かぶって電気コードで首括ってた時とは違うベクトルで生きられていたらいいなと思う。
私の座席より後ろにいた男性数人が、東京出てきたあたりから洟すすってて、もしかしたら世渡り下手で才能を活かせない苦しみを知る当事者たちなのかなって思った。
前田旺志郎さんが大阪の構成作家の先輩役やってた。
ツチヤが人のネタをパクるとは思えなくて、あの件は前田旺志郎の役が、ツチヤに嫉妬してはめた?って思ったけど、どう解釈したら良かったんやろ?まぁええけど。
私は現実世界ではツチヤを排除する側の人間です。佐藤的なね。現実でツチヤ的な人を引っ張れる度量は持てない。私は佐藤的な排他性と、氏家的な如才なさでなんとか生きてる醜い人間です。
でもツチヤにも居場所はあって欲しいと思ってる。できたらツチヤに、話してもいいと思ってもらえる人になりたいって思う。
怪優•岡山天音の演技に震える
主人公•ツチヤタカユキは、かなり強烈なキャラクターだった。笑いに取り憑かれるあまり、1日に何本もの大喜利ネタを生み出すが、人間関係が不得意でちゃんと挨拶ができなかったり、相槌すら打たなかったり、自分が気にいらない仕事にはブチ切れる。人によってはただのワガママなキャラクターに見えてしまい、嫌悪感を感じる人もいるだろう。
確かに私もツチヤがワガママだとは思うし、もう少しコミュニケーション取れよとは思うし、共感できない行動•言動も多かった。しかしツチヤのあそこまで一つのことに情熱を注げる生き方には羨ましさもあるし、理解したいとは思えた。どうしても憎めないキャラクターだった。
ツチヤを憎めないキャラクターに昇華させたのは、やはり岡山天音の演技だろう。前から演技の上手い俳優だとは思っていたが、もはや俳優の域を超えて怪優。一心不乱に舞台の台本を描き続ける狂気の姿から、芸人にしかわからない壮絶な苦悩まで表現する完璧な演技。次の場面ではどのような演技を魅せてくれるのだろうと気になり、画面から目が離させなかった。
そして脇役も素晴らしい。菅田将暉は特に最高で、登場しただけでやはり凄い存在感。少し危ういオーラを醸しつつも、終盤の居酒屋の場面でツチヤに寄りそう姿にはグッときてしまった。
あとツチヤのオカン役の片岡礼子も忘れてはいけない。息子に「ありがとう」と言われた後の表情は秀逸だった。この人は大きな役を与えられることはあまりないが、今回ツチヤのオカン役に配役されたのは正解だったと思う。
賛否が分かれるだろうが、個人的には良かったし、これくらいクセの強い作品があってもいいと思う。
タイトルなし(ネタバレ)
役者さんの演技が皆とても上手で素晴らしかった。「笑いのカイブツ」というタイトルから明るい映画なのだと思っていたが、とても暗い。才能はあるが、社会性が全くない主人公。鑑賞中「映画の中で成長して対人関係を築けるようになるのか?」と思っていたが、最後までそのまま。映画を観ている側としては辛くなってしまったが、現実は確かに才能だけでは生きていけないし、こんなものなのかな……。
イライラするならたぶんそれは“大衆”のひとり。
人に最近見て良かった映画はなに?、と訊かれたとして
しばらくは真っ先に思い浮かぶこと間違いなし。
なんだけど、答えるかって言われたら躊躇する。
自分が感じたこの面白さを伝えられる自信がない。
あの心に渦巻くような先の見えない黒々とした感覚。
感覚そのものを上手に表現することができなくて別の形で吐き出す。
だけどやっぱり“人間関係不得意”が邪魔をして。
吹っ切れて仕舞えばなんだこんなもんだったのか。しょーもな!って感じで
そこからは苦手ながらもなんとなく適応出来始めるんだと思うんだけど
あの感覚って経験した人にしか分からないんじゃないかなぁ。
上手に説明できて人と関われるならああはならないんだよ。
当たり前にできる人には分からないからきっとイライラするんだろうな。と当事者側の視点で観てた。
それを見事に演じ切る岡山天音、さすがです。
ともするとうるせえ!って感じの、でもメロのいい音楽も演出として好きだった。と思ったら村潤。あれ?最近の活動知らないけど映画音楽の人じゃないよね?
脇を固めるキャストたちも好きな人ばかりで、とにかく自分にはブッ刺さりでした。
この映画が見れたことが嬉しい。
笑いの異物
主人公が嫌いなまま終わったので、あまり楽しめなかった。
バイト中もネタ作りが最優先で、まともに仕事をしない。
周りに迷惑ばかり掛けてるのに、すぐに逆ギレ。
それでも圧倒的な才能を感じれば観られたかもしれないが、個人的にはそこもまったくハマらず…
劇中で一番笑えたのは自販機にコーヒー買いに行ったときのコケ方だけど、これもクスリ程度。
それなのに、松本穂香や菅田将暉、仲野太賀には声を掛けられ、認められる。
「実話です」と言われたら何も言えないが、特に松本穂香の件は元同級生とかでもないと理解ができない。
そういえば、家にお呼ばれした後が全カットだったけど、あれもよくなかった。
その時の状況次第で、終盤の「彼氏がいる」という言葉の受け取り方が全然変わってくるのに。
演技に関してだけは抜群によかった。
岡山天音は怪演だし、菅田将暉や仲野太賀は安定、片岡礼子が終盤見せる泣き笑いは最高です。
しかし、やはり最後まで身勝手を貫いた主人公には共感も応援も送れない。
絶対に一緒に仕事したくないし、上の立場なら使わない。
ドラマチックなエンディング曲を流されても、こちらの印象は流しきれません。
笑いに取り憑かれたキッカケなども描かれないため、自分には異常者にしか映らなかった。
成功を掴むところまでやるか、せめて心を入れ替えてくれないと話として纏まってすらいないと思う。
突き進めー~迷惑だけど
病的に構ってちゃんかつコミュ障の主人公はお笑い一筋、仕舞にはせっかく入ったお笑い業界でも人間関係で浮きまくり辞めざる得ない結果にそれでも溢れるお笑いへの情熱は主人公の現実とは関係なく暴れ出す、関わる人は大抵逃げ出すけど少しの理解者さえいれば何とか成る事も、普通人に圧倒的に欠けて要るものに気付かされる。
目的地の前にある障壁は、理想と現実という名の絶壁だった
2024.1.9 イオンシネマ京都桂川
2023年の日本映画(116分、G)
原作はツチヤタカユキの自伝小説『笑いのカイブツ(文春文庫)』
伝説のハガキ職人の、笑いに取り憑かれた男の悲哀を描いたヒューマンドラマ
監督は瀧本憲吾
脚本は瀧本憲吾&足立紳&山口智之&成宏基
物語の舞台は、大阪の下町(ロケ地は大阪市都島区)
テレビ番組「デジタル大喜利」のレジェンドを目指してネタを投稿している構成作家志望のツチヤタカユキ(岡山天音)は、膨大な量の投稿を繰り返し、ようやくレジェンドの座を手に入れることになった
ツチヤはおかん(片岡礼子)と一緒に住んでいたが、おかんは男を取っ替え引っ替えしていて、生活が向上する気配はなかった
レジェンドとなったツチヤは、地元の劇場に向かい、その実績を「アッピール」するために劇場に向かった
そこではステージのリハが行われていて、支配人(お〜い久馬)はツチヤを面白いと感じ、作家の見習いとして抱えることになった
世話役には山本(前田旺志郎)が押し付けられたが、二人のソリが合うことはない
その後、ピン芸人のトカゲ(淡梨)の作家をすることになり、ネタもそこそこに受けるようになっていたが、ツチヤは自分の名前が一切出ないゴースト状態に嫌気を差して辞めてしまった
そして、フリーになったツチヤは、今度はラジオ番組のハガキ職人として、ベーコンズという人気漫才コンビの番組にネタを送りまくる
ベーコンズのツッコミでMCをしている西寺(仲野太賀)はツチヤの投稿を気に入り、ラジオを通じて「一緒にネタを考えよう」と呼びかける
物語は、一大決心をして上京するツチヤを描き、そこでラジオ番組の構成作家見習いとして働く様子が描かれていく
番組のディレクターの佐藤(管勇毅)はツチヤを良く思っておらず、仲裁に氏家(前原滉)という芸人兼構成作家が入ることが多くなる
西寺はツチヤを評価していたが、正規ルートではない扱いが毛嫌いされていた
また、ツチヤが社交的でなく、常識的な付き合いができないことも溝をさらに深めていく
そんな折、ホストのピンク(菅田将暉)に構ってもらえるようになったツチヤだったが、東京でもゴースト状態になっていて、また現場が「本気で笑わそうと思っていない」と感じるようになって、さらに体も壊してしまうのである
映画は、笑いに取り憑かれたツチヤの日常を描き、笑いを作るためにどのような人が関わっているのかを描いていく
お笑いの裏方が登場し、構成作家のネタを芸人が披露している部分も赤裸々に描いていく
そして、本作の命題は「クレジットされる意味」となっていて、ネタに命をかけたチチヤはそれを褒賞として求めてきた
だが、ゴーストは所詮ゴーストで、いつかその時が来ると言われても、ツチヤは納得できなかったのである
物語は、構成作家になる難しさを描いていて、お笑いに対するある姿勢というものを描いていく
スタンスが違うと言えばそれまでだが、これまでの経験値で抜くところは抜いている状況と、単に若手のモチベーションを利用しているだけの人もいる
ツチヤが出会ったのは後者の方になるのだが、それでも視野が狭くて、お笑いのリアルがわかるのかは何とも言えない
氏家のように立ち回りが上手い方が成功するのはお笑いに限ったものではないが、その世界に関わり続けることと、その世界で名を馳せたいかで目的地が違うのは仕方がないことなのかもしれません
いずれにせよ、そこまでお笑いに自信があるのなら、自分でネタを見せるパフォーマーになれば良かったのにと思うものの、それができない性格だったのかなと思う
受け手とすれば、面白かったネタに放送作家が入っているかどうかは、その瞬間には気にしないものなので、クレジットで構成作家の名前があってもわからないと思う
だが、作り手としてのこだわりがそこにあって、彼は名前を呼ばれて認知されることを承認欲求にしているので、この着地点になるのは仕方がないのかなと思った
西寺が彼のネタを演じて、彼の名前をクレジットに載せたのは良心だと思うが、実際の世界だったら氏家の名前になっていたんだろうなあと感じた
腹立だしくも切なくて愛おしい。観る側の評価を分かれる事をあえて組み込んだ事で完成する(ような)作品かと。
以前から気になっていた作品を鑑賞しました。
昨年末に鑑賞した作品のレビューがまだ書ききれてないけど、この作品のパンチが強すぎて、フライングで感想を書いてみましたw
で、感想はと言うと…面白い!
よくぞここまで振り切った!と言う感が強くて、こんな実在の人物が居るのかと言う驚きと多少の脚色があるにしてもフィクションに振り切ってないのなら尚更驚き。
好みが分かれると思うし、万人が楽しめる作品ではないけど、見応えがあり、映画好きの人にはハマるのでないかと。
社交術を身に付いてしまった大人の物差しで図る人には理解出来ない部分が多々あるけど、それを取っ払ってしまうと物凄く純粋で自身の価値観とルールで突っ走るツチヤを共感かつ羨ましく思えてしまう。
でも、汚れてしまった大人の自分にはツチヤの行動は不器用を通り越してワガママにも映るw
「有名になりたいです」と西寺の問いに答えながらもそれに納得出来ないツチヤの行動には“面白いと言うのが絶対の正義だから、それに従わない奴らがおかしい”的な部分も含んでいるようにもと思う。でも“単に有名になりたいのなら無冠の帝王の如く、アマチュアで凄い奴を目指せばいいやん。仕事として業界で有名になりたいと考えるなら周囲との連携があってこその仕事やん”と考えたりもする。
良い意味でツッコミどころの余白があり、その余白に各々の考える価値観が含まれて完成。
映画鑑賞後に観た人と“あ~だこ~だ”と喧々諤々に語れることがこの作品の意図と醍醐味でもあるんでは?と考えるとちょっと凄い作品。
また、そんなツチヤを演じる岡山天音さんがぴったり過ぎ。他にツチヤを演じられる人が見つからないくらいにハマリ役。この時点で作品の成功をハードルを1つ越えてます。
また、ピンク役の菅田将暉さんや西寺役の仲野太賀さんが良い感じなんですよね。
アウトロー的な生き方のツチヤに共感を感じつつも笑いにひたむきなツチヤに憧れを抱き、寄り添えるピンクは何処か観る側の代弁者でもあり、そんなツチヤとの奇妙な友情が良い。そんな菅田将暉さんの好演がキラリと光る。
また、ツチヤの才能を信じつつ、チャンスを与えながらも社会性の薄いツチヤを軌道修正しフォローをする西寺演じる仲野太賀さんがホント良いんですよね。不器用ながらもお笑いに愚鈍なまでのツチヤを可愛がり、そんな西寺にツチヤも心を開らこうとしていく。
こんな人に巡り合えたツチヤは幸せ者ですが、そんな西寺の恩義を感じるからこそ、それに報えないツチヤの葛藤が切ないんですよね。
居酒屋で酔っ払って思いの丈を吐いたツチヤに対して「地獄やな。その地獄で生きていけや」と言うピンクのセリフと駐車場で「お前、このままでは終わらないからな!」と叫ぶ西寺のセリフ。この2つは屈指の名シーン。
あとラストの片岡礼子さん演じるオカンの「1回、死んだんやったら無敵やん」は良いセリフ。
ラストでこの後の無敵になったツチヤに期待を寄せてしまい、そこはかとない光明を感じさせるのが良いんですよね。オカン…やるやんw
全体的にはツチヤの社交術の無さと周囲との軋轢に不一致にズシッとやり切れ無さがのし掛かるんですが結構ツッコミどころもあり、いろんなアルバイトを速攻でクビになってはいるけど、いろんなバイトの面接から採用にまでは行けているツチヤって、入り口の部分ではとりあえず社交性あるんやなとw
また、グダグダに酔っ払った際に地回りのお兄さんから「これで漫喫でも行けや」とお金を差し出されたら「…有難うございます…」と言うセリフで引き下がるのにはちょっと笑ってしまったw
あと、構成作家見習いで入った劇場での盗作疑惑や仲が良くなりかけたトカゲとのその後はフェードアウトなのはちょっと消化不良かな。
大阪に帰ったツチヤの実家に訪ねてくるトカゲのラストで締めって言うのは…ベタですよねw
深夜放送が全盛期にはハガキで投稿する事がちょっとしたブームになっていた時期がありましたが、ラジオは今や縮小傾向気味。2028年にはAM放送が終了してFM放送と統合される事を考えるとラジオ好きには切ない限り。
でも、ラジオと言うメディアは絶対無くならないと思うし、それを支えるリスナーが居るからこそ、次代の構成作家が育つとも考えます。
夢に不器用過ぎるくらい不器用で真っ直ぐで笑いの為なら周囲との摩擦も気にしないツチヤはある意味凄いけど、ここまでやるか…とも思えてしまう。
でも、そんなツチヤタカユキに腹立だしくもあり、切なく、愛おしくもあるんですよね。
「正直者が馬鹿を見る」のお笑いの正直者が馬鹿をとことん追求しまくって、馬鹿の先にあるピリオドの向こうをたどり着こうとする物語。
昨年末の「M-1グランプリ」で漫才指導をした「令和ロマン」が優勝したりしているのを考えるとなんか「持っている」感があるし、これ、2024年の日本アカデミー賞になんらかで絡むのでは?と思うし、絡んで欲しい。
そう思わせるだけのパワーがある作品です。お薦め!
タイトルなし(ネタバレ)
予告を斜め見したせいで、主人公・ツチヤタカユキを窪田正孝さんが演じているかと観に行ったら短髪姿の岡山天音さんでした。似てますよね(似てない?)
才能ある若い芽を摘む業界的観かたをすれば昨年観た「愛にイナズマ」と重なるところもありますが、こちらはイナズマと比べれば若い芽どころか、そもそも種は良いが土に合ってなくて芽も出なかった印象。自身、人間関係不得手と示していますが、自分のネタで自分が芸人となって皆を笑わす事ができない以上、他者に世に出す部分は委ねていくしかない。チームで上手にコミュニケーションを取る必要もある。一方で自分のネタは自分を離れ、他者の物になっていく。そうした様々な葛藤に苦しんでいるのはわかりますが、口数も少なく、顔に表情も出ず(何考えているのだろう)が続きます。これは少し観ていて辛い。後半は友人に思いを吐露し、あきらめたネタ作りに再び動き出すシーンがありますが(今度こそ成功しそう)という予感を与えるには足りずで物語は終わってしまいました。
時代が2000年代後半の設定。YouTubeは既にあったので、それを見つけたところで終わったらなぁと思いました。YouTubeを上手く使えば葛藤も無く、才能も世に花開いたことでしょう。(映画のツチヤタカユキは、です。)
人間関係不得意
ツチヤタカユキ、幾度か聞いた事ある名前だが
こんなにお笑い至上主義で破天荒な人物だったとは。
大喜利5年、ハガキ職人3年、構成作家1年。
5秒に1回ボケる……。笑いに取り憑かれている。
共感はしにくいが、まるで夢を追いかけるバンドマン如く。
そんな社会性皆無の彼にも人が寄ってきて手を差し伸べる。怪しいピンクやトリマーを目指す女性。東京に来てからのベーコンズや構成作家達。基本の挨拶やお礼を教える若林さんは
優しいなぁ。かつての自分を見ているようだから人間らしくさせようと寄り添ってたのかもしれない。彼に伝えた『笑いを絶対辞めるな』は才能を見抜いていた本心と、過去の自分の経験を重ねた言葉だよね。
才能があるけど認められず『誰かの作った常識に
潰されなければならないのか』の発言は印象的。
居酒屋での泣きの嗚咽シーンは凄い演技。
彼らしい生き方に此方も感情移入してしまう。
最後の初めておかんが笑ってくれたシーンは私も嬉しかった。一回死んで最強になり、バンツ一丁で復活。
そこでしか生きられない人にしか宿らない魂があった。才能とはこの事で表裏一体。
正しく役柄が憑依し怪演だった岡山天音さん。不思議な熱量を感じる映画で秀作でした。
…年始早々ほんとに。(改)
挨拶もろくにできないコミュ症じゃないと100点の笑い職人になれない世界なんだとするなら俺は60点のやつのゆるいのでいいわ。一人で自分が正義と思うことだけを主張し、知らず知らず周りの人に甘えに甘え、まあ本人はいい人に見つけられて形になったから話になってるけど。片岡礼子様には罪はないが母親が甘やかせすぎたといわれても仕方がない。
役者として岡山天音が頑張っているのはわかるけど役どころが嫌すぎて菅田将暉や仲野太賀に見せ場を与えている。
ここから追記。ネタハガキという媒体を通じていたから大喜利やベーコンズに面白さを評価してもらえたのだが、学校や会社といった対面の交流をベースとした社会では奴の面白いものを書く能力や努力を惜しまない性分を見つけて生活の不器用さを飲み込んで付き合っていくのは困難だろう。ベーコンズが奴を認めるのは分かるし、自身にないものを持つ奇人としてピンクやミカコが奴を気にするのもわからなくは無い。星一個増やしとこ。
ただジョーカーなども含めてこの種の主人公が生理的に受け付けられず後半は特にキツかった。なぜこの題材を笑いに昇華して見せてくれず愚直に描いてしまったのか。ラストの再起動、キッカケが良くわからない。
更に追記 漫才指導で令和ロマンがクレジットされてた。
地獄で生きろ
今年の初映画はコレ!
天音ちゃん主演「笑いのカイブツ」
そして、ツチヤタカユキね(爆)
若様好きなので、勿論その名前は知っているのだけれど。。
もうこの人はさぁ。。
天才なのか?変人なのか?
紙一重過ぎて、凡人の私からしたら理解不能なお方なのですよ('◉⌓◉’)
それでもまぁ、彼の生み出す多くの言葉たちには何度も何度も笑わせてもらったのだけれど。
それがあれ程の狂気で「笑い」と向かい合い、追求していた姿を見せられ、正直ドン引きでした。
(いや、これは褒め言葉ですよ)
この作品は、
ツチヤ氏の精神的な弱さや
「人間関係不得意」な所を指摘し、否定しても、何の意味もないのだ!!
滝本監督の
「破壊なくして創造なし」ってコメントが心に響いたな。
ツチヤ氏の生き方はストイック
(って言葉も違う気もするのだが。。)過ぎて生き辛そうとは思う。
だけど、カイブツのまま、笑いと共に、地獄で生きるしか、生きる術が無いようにも思えるし、彼もそれを変えるつもりもないだろうし、変えられないだろう。
これからもカイブツの生み出す笑いを届けてほしい!
出来ればあの人と!(泣)
そして、、
天音ちゃんが素晴らし過ぎて震えた!!
作品のテイストはかなり違うが、パーフェクトデイズの役所さんを超える演技は当分観られないだろうと思っていたのに、まさか、こんなにすぐ更新されてしまうとは!!(当社比)
ん!待てよ!でも、役所さんも素晴らしかったしなぁ〜!!悩むわぁ〜!!って
悩む必要1ミリもないのに悩むわぁ。
いや〜腰抜けましたね!
天音ちゃん素晴らしま〜〜!!
万人受けはしないと思いますが、ワタクシ的には大満足な作品でした。
菅田君のピンクと、太賀君の西寺。
その演技力は安定感ありありで、
文句の付け所がないのですが、、
主演の天音ちゃんよりもメジャーな為、
やや、、やや、、違和感がありました。
いや、天音ちゃんはもうダントツで素晴らしかったし、しっかり主役でツチヤそのものだったのですが。。
お二人のお顔がメジャー過ぎて、
やや、、やや、、
Ya-Ya-yah٩( ᐛ )و
でもどっちもいい奴で
嬉しかったです(雑かっ!Σ('◉⌓◉’)
お母さん役の片岡礼子さんも良きでした。
そして、あまりフォーカスされていませんでしたが、水木(板橋君)の仕上がりもお見事でした♪
そうだ!入場特典で天音ちゃんのメッセージ付きポストカード貰えたよ。
「この度は笑いのカイブツを観に来てくださりありがとうございます。
どこにも反響しない声をあげていた日々が報われます。
滝本監督の巻き起こした渦を、どうか思うがままに堪能していただきたいです。」
天音ちゃん!とっても良かったよ!
なんか泣ける〜( ; ; )
今年の映画生活も楽しみです。
みなさん今年も宜しくお願いします♪
カタルシスないが名演
岡山天音、菅田将暉、片岡礼子、皆さん好演。カタルシスはないが天才も大変だと思いながら鑑賞した。業界のことも垣間見えて興味深かった。
全体的に説明不足
本編は、主人公が既に大喜利職人として活動しているところから始まるのですが、彼の生い立ちや笑いへ異常な執着を見せる理由などの説明がなく、その辺の掘り下げがあると見やすいのではないかと感じました。
ほかの登場人物では、松本穂香演じるミカコとは主人公との発展を期待させられながら、結局何も進展がなく主人公が上京し、再会した時には彼氏ができたと言う始末で、恋愛要素が欲しいとしたらあまりにも描き方が雑に感じました。
菅田将暉演じるピンクとも、体験入店したホストクラブで先輩ホストとして出会い、なんやかんやあって彼に仕事の斡旋もしてもらうのですが、帰阪し再会した際にはなぜかホストをやめて居酒屋で働いていました。その辺りの描写ももう少し欲しかったなと感じました。
また、上京して紆余曲折あり、心身ともに打ちのめされて大阪に帰ってきた主人公が、ピンクが働いている居酒屋で、他人と自身の評価のギャップと自身が抱える苦悩や葛藤で号泣しながら吐き出すシーンが盛り上がりの頂点で、その後は尻すぼみな印象が拭えませんでした。
総評して、原作をしっかり読んだ人か業界人向けの映画なのかなと感じました。映画から見る人には圧倒的に説明不足です。
しかしながら、俳優たちの演技は素晴らしく、特に岡山天音の鬼気迫る演技は圧巻です。彼らの素晴らしい演技だけでも見る価値はあると思います。
ですが、演技抜きにしたらイマイチな映画だと感じました。
カイブツ、と自分で言うのか。
ツチヤタカユキなら言ってもいいか、と言う感想。2024年一発目に濃いのを引き当ててしまった…
世間に潰されているのに、自分を生き延びさせる唯一の方法のその世間を“笑わせる”ことと言う皮肉。こんなにも生きにくい人がいるのかと不器用な弟を見ている気持ちだった。一度死んだ、という表現も彼が不器用すぎる社会不適合者感が出ていて良かった。年末に華麗に優勝を飾った令和ロマンが漫才指導というのも憎い演出。ある意味対極にいるような、器用で面白い彼らはツチヤタカユキの生き方にどんな感想を抱くんだろう。彼らも、同じように笑いの難しさに壁に頭をぶつけるような日々があるのだろうか。ただ、人には愛される人たちだと思うのでその点が違う。ある程度、社会に受け入れられるにはツチヤタカユキのいうところの人間関係の得意さが必要だろうと私も日々思う。
それにしても若い!25.6の人間があんなにさまざまな大人たちに認められてチャンスを与えられているのに嫉妬さえ覚えた。
主演の天音さん、怪演だった。居酒屋のシーンは特に引いてしまった(賞賛の意味で)。
あとこの映画では「思いがけず菅田将暉」現象を体験。予告なしで菅田将暉を映画やドラマで見てしまう現象を呼んでいるんだけど、出演するだけで彼の名前がトップに出てきたりするものだから最近はあまり体験できない。レアな体験。ブロッケン現象のような感覚。今回は思いつきで見た映画だったから体験できた。心づもりなしで菅田将暉を浴びるとびっくりする。男前なのに演技も上手い。クズ役もぴたりとはまる。腰が細くて良かった。
「笑」。
笑いが全てツチヤタカユキの話。
バラエティー番組にネタ投稿を生き甲斐にし、ネタ作り6年の頃、その間に書き溜めたネタを事務所関係者に渡した事で作家見習いから始まる事に…。
面白かったです!私、こういう徹底して物事打ち込める熱い人間大好きですね!
不器用、ちゃんと目を見れない、コミュニケーション取れないのが、この人にとって残念、勿体無いって言葉があってるのかな?!また、そこがクリア出来てれば開花するのがもっと早かったのかと思う。
違ってたらすみませんですが私の記憶だと岡山天音さん初の主演!?
この俳優さん色々出てるけど、数年前の月10ドラマ広瀬アリスさん主演の男女三組の恋愛ドラマから何か味ある俳優さんって感じで好きなんですよね~あと、雰囲気も。
あと岡山天音さん演じるツチヤタカユキさんのネタ作りに取り込む姿勢はリアルの自分を見てるようで少し笑ってしまった。私も1秒も無駄にしたくないって考えで仕事をしてるのでその辺がリンクしたかな(笑)
菅田将暉君演じたピンクと仲野太賀演じた西寺いい奴だったな~
面白くていい時間でした。
近くで見たら悲劇、遠くからみたら喜劇
誰でもそうだと思いますが、他人から見たら笑える話も本人からしたら笑えない話しがある。
本人が本気だから他人は余計に笑えてくる。
本気って一周して笑える。変に捉えてほしくないですが人間って一般の人からしたら狂ってる方が面白いし、自我がある方が面白い。
でもそんな本気になれる人達が羨ましい。
自分はピンク側の人間なのでそれが凄く羨ましかった。しかし本人は幸せもあるだろうが、もちろんそれ以上の地獄もあるだろう。当たり前だが夢なんって簡単に叶わないし、才能があったからと言って成功するわけでもないし、好きだからと言ってうまく行くわけでもない。それでも好きで前に進んでいる人間には魅力がある。
そんなツチヤが私は大好きになった。他人に嫌われても良いじゃないか、逃げても良いじゃないか、馬鹿にされても良いじゃないか。好きに勝るものなんてないのだから。
そんなツチヤを遠くから見ていたら笑えてきた。泣き笑いだ。凄く良い喜劇でした。
演者の方も皆さん良くてとても良い喜劇を見れました。
人間なんていつか死ぬ。一度自分を殺してまたやり直せばいい。情熱や好きは死なないのだから。
帰り際ミナミのツチヤも歩いたであろう御堂筋や引っ掛け橋などを歩いて帰ったがツチヤはいませんでした。
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