劇場公開日 2024年1月5日

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笑いのカイブツのレビュー・感想・評価

全130件中、61~80件目を表示

3.0人間関係不得意

2024年1月11日
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鑑賞方法:映画館

2024年劇場鑑賞1本目 良作 62点

菅田将暉を脇役に据えて、良質なヒューマンドラマかなと2023年秋頃から期待していて、24年一本目に本作を選びましたが、思ったほどの衝撃や感動が無く、自分の中でイマイチ響きませんでした

映画的に一見主人公をもっとわかりやすく成功し大成する結末ではなく、まだまだ世間にとっては主人公の才能や努力は認められない終わり方は悲哀もそうだし、鑑賞後感として気持ちの良い感覚はありました

がしかし、主人公の努力の仕方というか向けるベクトルがアナログで、視野の狭さや理解力、受け入れる器の小ささが勿体無くて、ある種周りに恵まれなかったタイプの天才だと思いました

もっといえば、本人も色々な原因をわかっていても、それを解決する手段がわからない、わからないことがわからないタイプなのが、より一層悲しい

それこそ、その才能と反対に不器用さを認め弟子にしてくれた仲野太賀の奮闘も虚しく、その出会いをもっと主人公が賢く、ここから色々なものを生まれさせていく様にもっとターニングポイントにして欲しかったです

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サスペンス西島

2.5俳優陣は頑張っていたが。。。

2024年1月10日
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鑑賞方法:映画館

構成作家や放送作家を生業とするツチヤタカユキの(自伝的)私小説を映画化した作品でした。ラジオのハガキ職人としてその世界では有名だったツチヤが、大阪、そして東京のお笑い界にプロとして身を投じるものの、生来の人付き合い下手=「人間関係不得意」な性格が災いして挫折する姿を描いていました。そんなツチヤを、大阪では菅田将暉演じるピンクが、東京では仲野太賀演じる西寺が、それぞれ優しく包み込むように救う展開で、彼らの男気を感じさせる演技は中々見物でした。また、主人公ツチヤを演じた岡山天音も、難しい役柄を上手に演じていたと思います。

そういう訳で、これら男優陣の演技には大いに拍手を送りたいと思うのですが、如何せん本作はツチヤタカユキの「人間関係不得意」の部分にスポットを当て過ぎていたきらいがあり、肝心のお笑いの才能を感じられる要素が少なかったように思えたところが残念でした。ところどころツチヤが窮地に追い込まれると、心の中で呟いたと思われる大喜利が披露されます。恐らくは彼の才能を印象付ける役割を託した演出なのではないかと思われますが、正直これがコメディと思えるような流れになっておらず、結果的に彼の才能を感じることが出来ませんでした。

ピンクにしても西寺にしても、ツチヤの才能とか魅力に惹かれたからこそ彼を救わんとしたと思うのですが、少なくとも私にはツチヤが光る部分を見出すことが出来ず、感情移入が全く出来ないお話になっていたのは返す返すも惜しい作品でした。

そんな訳で、本作の評価は★2.5とします。

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鶏

3.0何しとん?あんた。

2024年1月10日
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オカンのこの一言に尽きる映画。人間関係不得意、いわゆるコミュ症。やりたい事は解るけどこれでは前へ進めない。しかしこの原作を書いたってことはツチヤさん成功したのかな。

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あらじん

3.5人間だから笑う

2024年1月10日
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『笑い』という視点で、才能ある青年の努力・行動がどのように認められるか、終わりのない本質を追い求める姿は衝撃でした。
考えて笑いのネタを作る人の葛藤はある種芸術で、それを演出する人を介して表現した結果、考えて笑わない人間を相手にするのが笑いの本質なんでしょうね。
なので、人との交わりがあるなかに笑いがあるのかなと思いました。笑いも時代で変化するものなのかな。

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あにゃい

4.5共感を超越した感情

2024年1月10日
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鑑賞方法:映画館

世間で相手にされないタイプを地でいく、構成作家ツチヤタカユキ。
自尊心が高くて、人間関係が不得意で、自己実現に向けた狂人的な努力こそがすべて。
1日1,000個のボケネタを創り、伝説のハガキ(投稿)職人と言われた男。
普段はほとんどスポットが当たらない一構成作家の、壮絶なまでの自己中心的な生き様。

最初は究極の私小説じゃないか、と思った。能力があるのだから、もっとうまくおやりなさいよ、とも感じた。
しかし……。なぜか涙があふれた。映画館の館内からも、いくつかすすり泣きが漏れ出ていた。
いつも名脇役だった岡山天音の想定外の熱量にやられたのだろうか。
ツチヤの良き理解者である、人気お笑い芸人(仲野太賀)と半ぐれ(菅田将暉)の段違いとも言える快演に度肝を抜かれたのか。
およそ自分とは全然違うタイプだと突き放して見ているのに、突き放しても、突き放しても、ツチヤが近くに吸いついてくる。そんな感覚が襲ってくる。
共感なんかできやしないと横を向いても、じっとオレの目を見ろ、と迫ってくる。
世間に対して不本意ながら折り合いをつけて、燃えつきることを覚悟で闘ったことのない人間が不覚にも流す涙を、あざ笑うかのように。

これを共感と呼ぶにはあまりにもおこがましい。究極のプロ根性のツチヤに失礼だ。
ただ、ツチヤの捨て身の熱量に、小声ながら、あっぱれ!とだけは言いたい。

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ジョー

4.0同じ大喜利好きとしてもヒく

2024年1月10日
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2024年劇場鑑賞6本目。
自分もYoutubeで大喜利配信にコメントで参加するのを趣味にしているので
大喜利には馴染みが深いのですが、この主人公ほど大喜利の事を考えすぎて
バイトをクビになるまでは振り切っていないです。こうやって映画も観てますしね。
これだけ笑いに真剣になっている割には本人は結構怖い感じで、
作家志望なのもそれを自覚しているからなのでしょうが、
普通の世界より縦や横のつながりが大事そうな芸能界でこの性格は
致命的なのでは・・・?
劇中に出てくるベーコンズのモデルがオードリーで、
中野太賀が演じてるのが若林というのを映画が終わってから知ったので
全然違う印象で見てましたね。しかし最後のネタ春日に当たる人すべってたなぁ・・・。

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ガゾーサ

3.0天音さんの演技力

2024年1月10日
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痛々しいほどに。。。。

生きづらさは、ありますよね。

純粋過ぎて、たまにセリフで凄い一言でるから

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Billy

4.0突き抜けた人間の凄みと面白さ

2024年1月9日
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何事にも突き抜けた人間の生き様は物語になりうる。それが自叙伝であっても。本作の主人公の突き抜けた部分はお笑い。ハガキ職人やって、テレビの大喜利番組でレジェンドになって構成作家になるという流れ。たしかにすごい経歴だ。天才というより執着型の秀才という印象。いろんなことを削ぎ落としてお笑いだけに情熱を傾けるその姿はやはり凄みを感じるものだった。
一方で「人間関係不得意」な部分は共感できないし、魅力的にも思えない。世の中ある程度のコミュニケーション能力がないと成功はできないよな。大谷翔平や久保建英や藤井聡太やADOが、あんなコミュニケーション能力しか持っていなかったとしたら、あそこまで成功しただろうか。いや、それでも明確な評価基準がある競技やジャンルであれば成功していたかもしれない。そういう意味でお笑いの世界であのコミュニケーション能力は致命的とも言える。もう少しうまくできないのかと焦れてしまうし、切なさも感じた。だからこそ彼が苦悩し悩みあがく姿がドラマになるってことなんだろう。共感はできないし、人間的にも好きと思えない人物の自叙伝的映画なのに、それでも面白いと感じてしまう不思議な映画だった。
あのコミュ障なところを演じていたのが岡山天音だった点もよかったんだと思う。彼の掴みどころのないキャラが見事にハマっていたし、怪演とも言える演技だった。彼の代表作の一つとなっていくのは間違いない。
観終わった後に調べたのだが、彼と一緒にやろうと呼びかけたのがオードリーの若林だったことも驚いた。いや、たしかにベーコンズはオードリーっぽかったけど!彼も人見知りでありながら、お笑い芸人として成功を収めていることにまた別の感慨を覚える。
リアルな存在としてのツチヤタカユキを知らなかったから、彼が病みそうで死にそうなことにハラハラしてしまった。今も活躍していることにホッとした自分がいる。生きてナンボだよ。

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kenshuchu

3.0岡山 中野 菅田の役を

2024年1月9日
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シャッフルしても面白くなるはず。
岡山天音の怪演ぶりには驚いたし良かった。中野、菅田も魅力的で相変わらず上手い。でもまた別物になるだろうけど、菅田将暉主演の方が映画はヒットするのかなとも思いました。

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ain

3.0究極を極めた人?なんですね

2024年1月9日
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お笑いの世界も大変なんだなぁと感じた秀作。ストーリーには共感できないがアクターの皆さんの好演・怪演には拍手喝采👏です。

2024
01

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タイガー力石

3.5見ててお腹痛くなる(笑ってじゃないよ)

2024年1月9日
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実在の人物の話。
話自体は普通だけど、演出と役者が良い。
主人公の笑いへの執着がJorkerイメージしてたかなぁと思う位凄まじかった、なんか見てる自分も体調悪くなった気がするよ。
当然周辺人物もモデルが居るわけでオードリーの若林らしいとレヴューで知ったが、中野は少し重くてお笑いはイマイチであった。
あの年代の若手男子俳優は仲が良さそうで楽しそうに客演、友情出演しててよいよね。
磨きあってどんどん凄くなって欲しい。

松本穂香が抜けてていい感じだったなぁ。

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masayasama

4.0笑えないお笑いの映画

2024年1月9日
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怖い

興奮

難しい

まさに血を流しながら作る作品、泣こうが、笑おうが、感動しようが、こうやって作られるのか
これはリアルなお笑いの世界の作品なんですね
重苦しい題材を、各若手役者が素晴らしい作品にしている

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daikokumai

4.0実力と現実

2024年1月9日
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天音君の主演映画は初めて見るので楽しみでした。熱演でした。

笑いを作っているのに、その本人はもがいて苦しんでいる話。
ロクに挨拶もできない、バイトもすぐクビになる。こりゃダメだわ。。

そんな社会になじめない人なのに、手を差しのべてくれる人たちが少なからずいる。それが、才能がある事のメリットなのでしょうか。

周りの人の思いや自分の振る舞いに、少しでも気づけば、変えていける。一度は沈んでもまた浮上できる。ラストはそんな感じだったのかな。ふっきれたような顔で、またここからと思わせてくれて良かったです。

脇を固めるベテラン勢がとても良い。
菅田将暉はかっこよかった。スタイルがいいからこの役のファッションが似合ってました。
仲野太賀は言うまでもないですが、劇中の漫才の舞台も面白かったです。
松本穂香も、こんな感じの子いるなあと上手でした。

音がちょっとくぐもって聞き取れないセリフがあったのだけ残念だったです。

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ふわり

3.5菅田将暉と仲野太賀が光った

2024年1月9日
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笑える

難しい

人間関係が不得意なツチヤタカユキは、テレビの大喜利番組にネタを投稿することが生きがいだった。毎日ネタを考え続けて6年が経った頃、ついに実力を認められてお笑い劇場の作家見習いになったが、非常識な行動をとるツチヤは周囲に理解されず相手にされなくなった。そんな彼を面白いと評価してくれたのが漫才師・西寺だった。彼から声を掛けられ上京することになり、ネタを提供してたが・・・てな話。

漫才や落語で笑いを取るためにネタ作りをしてる作家って大変なんだなぁ、って知れた。実在の作家・ツチヤタカユキの本を基にした作品らしく、彼役・岡山天音の狂気の演技は素晴らしかった。
それにもまして、西寺役の仲野太賀とピンク役の菅田将暉の圧倒的な存在感に岡山天音もかすみそうだった。
松本穂香が意外に可愛かった。

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りあの

3.5岡山天音さんの演技がとても素晴らしかった作品。 本年度ベスト!

2024年1月9日
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ツチヤタカユキを演じる岡山天音さんの演技が印象に残る。
本作はツチヤが笑のカイブツになるまでの前日譚って感じの作品。

菅田将暉さんや松本穂香さん等、脇を固める役者さんも素晴らしい!
予想外に良かったのはベーコンズの西寺を演じた仲野太賀さん!
お笑い芸人でも行ける感じ(笑)

自分的に本作は怪演の総合デパート的な感じだった(笑)

思ってたのと違うストーリーにはハマらず。
でも役者さん達の演技にはのめり込めた印象。

本作はツチヤタカユキの苦悩を描いていた作品って感じ。
コミュ症っぽいツチヤ。
お笑いのネタを考える毎日で、その才能を認められるものの、上手く行かない感じ。

ツチヤの周りの人が彼を支えている感じは良かったけど、ツチヤが自分の殻を破れない感じがもどかしい。
ラストで自分の殻を破る感じにほっとするけど、これからって時に終わってしまう感じに満足度はそれ程では無かった。

本作は岡山天音さんの代表作と言っても良いかも( ´∀`)

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イゲ

4.0最低クズ男が主役ですが、鑑賞に耐えられるか

2024年1月8日
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怖い

 何が「違う」の? 何が「嫌」なの? 何が気に入らないの? 人間関係不得意と自称するあなたに人間関係の面白さなんて描けるの? さっぱり理解出来ません、こんな奴本当のクズ男でしょ。挨拶も礼儀も親の有難さも友情も義理も人情も、そして愛も理性とて無きに等しい、ひたすら迷惑。こんな馬鹿を祝・初主演?の岡山天音が妙にリアルに大熱演で圧倒するものだから思わず擁護したくなりそうですが。しかし作者は何が嫌なのかは一切明かさず、ゴミダメ同然野郎のそれでも書き続ける驚異の姿をひたすら追う。

 原作者ツチヤタカユキのほぼ実体験に基づくわけで、こんな嫌な奴でもこうして映画化される程に成功しているわけね。もとよりラジオ投稿で驚異の採用率を誇ったくらいなのだから、面白いと認める人々が確かにいたのですね。こんなクズ男でも笑わせられる事が出来るのね。笑いを作る、その一点だけにこれ程狂気の集中が出来るなんて、モンスターに他ならない、すなわちカイブツなのね。

 それにしても「お笑い」って何? テレビに蔓延るお笑い芸人の多い事。毒にも薬にもならないその場限りの笑いで、人気者にのし上がり、お馬鹿の限りを尽くした低能番組に出演し、ひな壇に座り気の利いたコメントで生き延びる。ツチヤも正直なもので「売れたい」「有名になりたい」と上昇志向だけはしっかり持っている。下積みから馬鹿にされる苦難を耐え、ヒットの突破口から売名行為で金稼ぎ、こんどは冠番組持って有頂天、やがて大御所と称されて、高所からの発言が有難がられ。何をいったい勘違いしてんだコイツは、とも思う。

 その裏で、ご本人のみならず本作のように構成作家の苛烈極まりないネタ作りの現実がある、本作はここにスポットを当てたわけです。ここまで追い込まれないと出来ないのか、ネタってのは。血の小便出してまで出来上がったネタは芸人の口から発したその瞬間に消えてなくなる。小説のように、映画のように、後世に残る事は一切ないと言うのに。そもそもが、世相なり真実なりを追求する高尚な指向は端から持ち合わせず、逆に一瞬で消滅する刹那こそを追い求めるのが正解なのかも。だから心に響く、考えさせる、真理に繋がるなどと大仰の真逆は百も承知。当然に馬鹿らしく意味も価値もない。だから面白い? だから下らない?

 こんな奴の生き様に呆れればOKですね本作は、こうして映画として記録され残るのですから素晴らしい。このクズのオンパレード映画において脇に回った仲野太賀、菅田将暉、松本穂香、片岡礼子が異様に素晴らしい。主役がほとんどヒール然となっているせいなのか、ことにも菅田将暉は圧巻を超越した人間力を見せつける、助演男優賞のお手本のような完璧ぶりに登場するだけで画面が引き締まる。仲野太賀の中庸な温かさ、松本穂香のごっこの切なさ、彼女の過去を一瞬でほのめかす母親役の片岡礼子、には涙すら覚えます。

 正直言えば、観ている最中本当に呆れ果て、イライラの極致の映画鑑賞ってのも疲れます、本当に。

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クニオ

4.0でも、そんなの関係ねぇ!

2024年1月8日
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悲しい

単純

難しい

おそらくは『牧野富太郎』も
同じにカテゴライズされる人間だったのではないか。
生活力はさらさら、経済観念も皆無の。

周囲がフォローしなければ靴の紐さえ結べず、
纏まった金が入れば後先を考えずに
研究と女遊びに注ぎ込んでしまう。

しかし多くの人に引き立てられ慕われもし、
百年以上先にも残る偉業を成した。

彼我の差は、那辺にありや。

『ツチヤタカユキ(岡山天音)』は
笑いに取り憑かれた男。

常に笑いを追い求め、
なにをそこまで・・・、と傍目には思える
厳しい修養を自己に課す。

が、それは笑いに限ったことであり、
前提となる生きる術に関してはからっきし。

コミュ力の低さは自覚も、
改善するつもりはさらさらなく、
自身が常に正しいとのスタンスは当然
周囲との間に軋轢を生む。

報酬は何の対価として得られるのか、
人間はなぜ挨拶をするのか、
何かをして貰った時に謝意を伝えるのはなぜか。

思い至ることすらまるっきり欠落しており、
強制する社会や習わしの方がおかしい、
要は人にはできない笑いを生み出せた者が勝ちとの信条。

とは言え、彼の目指す笑いは刹那。

例えば『ビートたけし』のキャッチーなフレーズは記憶も
その前後の「MANZAI」の内容を
どれほどの人が記憶しているだろう。

そうまでして賭す背景は見えては来ない。

彼の奇矯な行動と
笑いの為に手段を択ばぬやりようは
見ていて痛々しい。

感情移入はおろか、
傍に居れば必然的に距離を取りたくなるような。

にもかかわらず、物語りの主人公とした時には
異なる側面が表出。

エキセントリックな振る舞いが
俄然特筆すべき点に映る
(まぁ、自分の近くに居られるのは
ごめんこうむりたい)。

己が求める笑いや、他者への不寛容のため、
引き立ててくれる数人の味方さえ結果裏切ってしまうのは痛々しい。

ただ、実態がそうであれ、役者が熱演をし
スクリーンを通して観客が観た時に
なにがしかの感銘を受けるのは不思議ではある。

とりわけ
業の深さを見せつけられるラストシーンで
それを強く感じ取る。

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ジュン一

2.5怪物とは?

2024年1月8日
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個人的に「天才」、「伝説」、「怪物」は他人が決める事で、自分で言う時点で格を下げてると思ってる。
「笑いは正義」の元にウケれば人格は二の次でいいのか?
そもそも客(世間)に届かなきゃ、ウケるウケない、売れる売れないもないのに。
ただのコミュ障のお話しにしか見えない。
岡山天音、頑張ったと思うけど、悲しいかな菅田将暉、仲野太賀に挟まれちゃね。

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キチ

4.0キャスティングは5億点

2024年1月8日
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泣ける

難しい

ワルな菅田将暉!いいやつ代表 仲野太賀!そうそうこういうキャスティングが見たいんだよ〜〜!!!そして異才の岡山天音!!!!!

あらすじは
番組,ラジオへの投稿、構成作家…笑いに取り憑かれた男の自叙伝

とにかくキャスティングが良かった!
ワルな菅田将暉が出てきた瞬間 好きなテイストの菅田すぎて映画料金の元が取れたと思った。後半は別の職業として登場するがそれも良かった!

仲野太賀はいいヤツを演じすぎて「いいヤツ」の説得力がとてつもないが、駐車場でフェンス越しに叫びかけるシーンが好き。
元になったモデルが誰なのか知らなかったが漫才を見てオードリーだなと確信した。しかし、決して「だが、情熱はある」のように模写しているわけではなく、作中の“ベーコンズ”というコンビとして漫才を完成させていた。漫才指導が令和ロマンであるので彼らの指導によるものでもあるが、体得した太賀も素晴らしい。

岡山天音はとにかく良かった。6-7割は彼のシーンなので彼の演技を堪能したい人は是非!どの場面も演技が上手い。居酒屋のシーンは自分も泣いた。

内容として、苦しい内容だった。隣りにいてくれる人、手を差し伸べてくれる人、ツチヤ自身が小説にしているので周りの好意には気づいている。それでも馴染めないのは「こういう生き方」しか“できない”んだろうなと感じた。
共感はできないが、こういう人間もいるよな と認識する余裕を持てるようになる作品

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トウマ(20代/女)

3.0原作を読んで追記しました(2024.1.11)

2024年1月8日
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どこまで実話なのか、人物造形もどこまで本当に近いのか何も知らないのですが、やはりいくら才能があっても、アルコールで自壊(自戒ではなく)していくのは見苦しくて見ていられない。
〝世間〟と折り合いがつけられないことが宿命的な悲劇であるかのように、菅田将暉さんに語らせることで説得力を持たせてしまうのは、なんかずるい。

〝石の上にも三年〟だなんてことを昭和的な感覚で説くつもりは毛頭ありません。
どんな業界でも自分を認めさせていく戦略が形を成していくためには相応の時間はかかるし、業界の既存のシステム(体制)を利用するにしても、破壊するにしても根っこのところを把握するにはやはり3年程度は必要。

さりとて、↑というようなことを20歳前後の若者が理解するのは難しい。難しいけれども、君には西寺くんがいるじゃないか‼️
自分にチャンスをもたらしてくれる存在に気付けないのは、笑いの才能はあっても成功する才能はないということにならないだろうか。

才能についてのトリセツとしては、片手落ち。
(片手落ちは本来、片方への配慮が欠けているという意味で、身体的な差別用語ではないのですが、字面から誤解されることが多く、差別的な用語とされてるらしい)

こんなふうに思うのは、宇宙に行った前澤さんの映画を見た後だから?

【原作を読んでからの追記】
ツチヤは確かにお酒に弱い。弱いのに、いや弱いからこそお酒に逃げる。
でも映画で描かれているほど人には絡まない。ピンクとの会話もシラフではなくとも泥酔はしていない。
これは極めて個人的な感覚だが、ツチヤにとってのカイブツは『ファイト・クラブ』のエドワード・ノートンにとってのブラピのような存在なのではないか。
笑いに取り憑かれ狂ってしまったもうひとりの自分。
カイブツが笑いを生み出すための努力は凄まじい。
図書館で片っ端から本を読み、一日2000個のボケを書き記していく。
そんなカイブツが人に媚びたりおべっかを使えるはずがないのに、そのスキルがないと世間からは相手にされない。カイブツを飼い慣らせない自分が自分を追い込んでいくということか?

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グレシャムの法則