「しょおもな。」笑いのカイブツ U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
しょおもな。
別に最後の台詞ではない。
ホントにそう思う。
自己満足と承認欲求の塊みたいな男の話だった。
これは自伝なのだろうか?それともフィクション?どちらにしても、その裏側を見せる事に何の価値があるのだろうか?
こだわりや信念があるのはいい事だけど、それを受け入れられないのを世間のせいにしてはいけない。
ましてやエンタメの世界なら尚更だ。
笑えない。
この一言に尽きる。
負けたままの負け犬の話に感動もせえへん。
何が笑いのカイブツや?うすら寒い題名やわ。人に言われるならまだしも…自分で付けるて、恥ずかしないんやろか?
岡本氏は熱演だった。
見ててイライラする。それ程のめり込んでたと思う。ただ、惜しむらくは声が拾えてない所も多々ありで…それすらが演出の1つって言われると、どう咀嚼するべきか悩むのだけれど。
努力が蔑ろにされてるとか言われるかもしれんけど、努力すんのが当たり前の世界や。
全員してんねん。恨み言言うてどうすんねん。
ラストカットでは、それでも彼は「笑い」にしがみつく。しゃあない。それしかやりたいと思える事がない。売れようが売れまいが、それしかできんヤツはおる。大多数の中の1人でしかない。
伝説の葉書職人?
ご大層なタイトルやけど、局側が投稿数を増やす為につけただけの話やろ?
それにしがみつくのは勝手やし、それをモチベにすんのも悪くはない。自分を信じてやらんと何も進まん世界でもある。
でも…人間関係不得意て…彼の情熱はその不得意な部分を克服するだけのエネルギーがなかっただけの話や。
差し伸べられた手もあんのに…自分の才能を上手に使ってあげられんかったのは自分自身や。
美談でもないし、同情もせんわ。
すへからく自己責任で自業自得です。
現在の彼がどうなってるのかは知らんけど、例えば放送作家として成功してるんやったら、そこまでを教えて欲しかったかな。
あの状態で終わられても苦しいだけで…辛い。
そこまで固執する「お笑い」の魅力が1ミリもわからへん。おそらく彼が書いたであろう漫才の最後に「人生は遠くから見たら喜劇だろ」なんて言葉があったけれど…この映画のどこに喜劇要素があんねん?
成功し過去を振り返るに「あん時は笑える程とんがってたなぁ」なんて思う時があるかもしれんけど、それだって嘲笑の1つちゃうん?ましてや現在も売れんままなら地獄の真っ只中や。
…売れたところで違う地獄が待ってんねんけどな。
とんがってる時期は誰しもにあって、例えば毎年雨後の筍の如く増えていく予備軍どもを堰き止めるって意味があるんやったら、それはそれかなぁ。
間違いなく「地獄」です。
考えなおすなら今ですよ的な事ですなぁ。
原作者がその道で成功してるんやったら、商売敵を増やしたくもないやろうしなぁ。
「ここが地獄でなぜ悪い」ってタイトルを思い出した。