「あの夜の、答え合わせ」笑いのカイブツ にしさんの映画レビュー(感想・評価)
あの夜の、答え合わせ
あの日、あのラジオで
ツチヤタカユキが地元に帰る事になったと、若林さんが伝えた日
リスナーから届いた、励ましの様なメールを読まれたあと
若林さんが歯痒い様子で
『あいつの悩みとか聞いてますから、勝手なこと言われると、
それは違いますよと言ってかなきゃいけない部分もある。
まあ両面ありますよ…人間っていうのは…。』
と言われた事を、メールとの強烈な温度差と共に強く覚えていました。
原作もずいぶん前に読んだきりだったし
東京に行ってからのエピソードがどこまで本当のことか解らないけれど
当時のツチヤ青年の目から見ると、この映画に似た何かを経験したのでしょう。
10年越しに、あの空々しいメールへの答えに、近づいた気がします。
パンフレットにランジャタイの伊藤さんが寄稿されていて
映画をご覧になり、ツチヤさんのことが好きだと書かれていました。
私は、原作を読み終えたとき感じた事と同様で
ツチヤタカユキ個人が好きだとは到底言えません。ですが、この映画は好きです。
それと、うんこに出囃子があることを教えてくれたあなたのこと
ずっと覚えています。
完全に余談ですが「だが、情熱はある」も、このくらいの温度感、現実感
人間への解像度で作って欲しかった…。
私にとってあのドラマは、あの日の歯が浮くような空々しいメールであり
この映画が、あの日の歯痒さを噛み殺した若林さんです。
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