「あれはどうなったのよ!?」ファイター、北からの挑戦者 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
あれはどうなったのよ!?
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女子ボクシングを扱ってはいるが、スポーツ映画ではないということはオープニングを観てわかった。脱北者の過酷な現実を描いているし、ジナと母親の確執と再生の物語でもある。女子ボクシングだってそれなりに練習や試合のシーンがある。でも、1番伝わってきたのは、ジナの鬱屈した気持ちや、爆発しそうなやるせなさだった。軍隊でやったことがあるからなんて理由は二の次。彼女は闘わざるを得ない強い思いがあったってこと。
だから最初から最後まで、ジナがもがいて戦って負けそうになって、でも立ち上がる姿を見せつけようとしていたんだ。たしかにその姿はなかなか感動的だった。
でも、傑作だとも言い難い。好みの問題もある。ジナ役の女優がかわいいわけでもキレイなわけでもないからって理由もある。でも1番の理由は観終わっても解決していない問題があるからだろう。お父さんはどうなったの!?あーー、モヤモヤする!
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LSさんのコメント
2021年11月27日
(ネタバレです)父を潜伏先の中国から韓国に呼び寄せるのにブローカーに払う費用も高額だったのに、公安に捕まってしまい、解放のための賄賂にさらに金が必要になった(そして新しい家庭を持った母には頼めないと思った)のが、彼女がプロデビューすると腹を決めた理由と想像しています。何も言及がなかったのは、金が用意できるまでには時間がかかるし、その間に父は送還されてしまうかもしれない、自分にできることは毎日を必死に生き(て金を貯め)ることだけ、というある種の諦感なのではないでしょうか。