「静かな怒りを溜め込み懸命に生きる姿」ファイター、北からの挑戦者 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
静かな怒りを溜め込み懸命に生きる姿
試写会で拝見。
104分とコンパクトにまとまっていて、見応えのある作品。
設定は今風な韓国映画。
「脱北者の生きづらさ」
「若者の生きる場所・生き様」
「離れ離れになった家族の再生」
などがメインテーマ。
ただし、展開はまるでスポ根アニメっぽい。
館長役のオ・グァンロクが、隙あらば酔っ払いつつ、ボクシング狂ってあたりが丹下段平っぽい。
脱北者のジナは女性版のジョーっぽい。
他の選手たちを放っておいて館長がジナに入れ込むあたりは、『エースをねらえ!』的。
ジナ役のイム・ソンミが、理不尽な出来事に出くわしたときや、試合に負けたときに怒りを内側に溜め込み、感情を抑え込むあたりの演技がすごく引き込まれます。
スポーツもののままなら勝利と栄光をつかむところで終わるはずですが、ボクシングは怒りを発散しつつ、自分が生きていくための「手段」でしかないので、それが終着点ではありませんでした。
そこがまた、上手い作品でした。
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