キャンディマンのレビュー・感想・評価
全84件中、61~80件目を表示
最早黒人による人種差別
リメイクだと思ったら旧作の続編だったんですね。本編で語られる実際の事件が旧作のあらすじになります。
最初は言い伝えを信じない愚か者が自爆していく物語だと思っていたのですが、元々のキャンディマン誕生の経緯を考えるとそんな単純な話ではないよな、と。
すると段々アメリカの根深い人種差別に触れられていくのですが、ちょっと待てと。黒人は正義で白人はみんな悪なのか?と。映画の中でもやっぱり悪い黒人はいるのですが、キャンディマンが殺すのはみんな白人なんですよね。
で、エンドロール後の人種差別についてのホームページはこちらって、散々白人惨殺してのこれはもう白人殺すホームページなのかな?差別する人が悪い(無意識の無知故の差別を考えると人とも言い切れませんが)のであって、人種でまとめてしまってはもう被害者と加害者が逆転してしまっていると思いました。
何がしたかったのかよくわからない映画。
ジョーダン・ピール脚本のホラー映画。
本作も「ゲットアウト」や「アス」同様に割と裕福で知識階級層のアフリカ系アメリカ人が主人公。
黒人は皆が思っているように一律貧しく、犯罪者ばかりではないよといった世の中へのアピールは相変わらずと言ったところ。
本作は過去にカブリニ・グリーン(多分シカゴ)で起こったキャンディマン事件から数十年後の現在の話。
その都市伝説や惨殺事件の歴史を切り絵で説明していくのは予算面も考慮し良しとするが、目新しさを感じたのはそれだけ。
アーティストである主人公が何かに導かれるようにキャンディマンの都市伝説に惹かれ、作品製作のために調べていくうちに自分の出自を知り、次第にキャンディマンの意志を継ぐ者へと変わって行くのだが、グロめのシーンも品良く処理され映像や演出面でも特別面白みがなく終始凡庸な手法で展開され、何故これを映像化したかったのかよくわからないと言うのが感想。
ジェイソンやフレディにようにマスクや特殊メイクをしていない分、キャンディマン役のトニー・ドットがあからさまに歳を取ったことがわかり隔世の感。
悪くない、が
ストーリーや伝えたい事、映像の見せ方はとても良かったのですが、恐怖感自体は薄いです。
出てくる時は「これから出ますよ」と事前告知なようなものがあるので心構えが出来ます。
そしてキャンディマン自体があまり出てこないので「凄く怖い映画」を見たいのであればあまりオススメはしません。
メッセージ性のあるホラー映画
日本人には理解できるが、感じ方が鈍い映画。黒人差別を題材にしたホラーで、芸術を取り入れる事によってより難解で解りにくくしていて、そこにもメッセージがあると思う。芸術のようにどうとでも解釈出来るストーリー。最後の「伝えよ」は痺れるセリフ。ホラー映画に仕上げた人権映画。
純粋にホラー映画として楽しむのが良いかも
シカゴの黒人労働者層が多く住むエリアに伝わる都市伝説を元にした話ということで、人種差別への抵抗という裏テーマがあるのかと思いきや、そういうメッセージ性は薄い。
鏡を見て、その名を5回唱えると現れて、鍵爪で首を掻き斬られるというのは“いかにも”という感じだが、反面で壁裏に隠れて過ごして子供にはキャンディを渡す優しい面も持ち合わせるというギミックは必要なのか?
鏡がキーアイテムになっているということを示すために冒頭のタイトルロールから反転させていたりする演出も内容の陳腐さを予感させるようで、逆効果じゃないかな?
ギャグ
まさかの大スクリーンかつ音質の良い劇場でこの作品を観れることにまず感謝し鑑賞。評判が芳しくはありませんでしたが、自分はめちゃくちゃ楽しめました。
オリジナルのキャンディマン3部作は全く知らないのですが、その前作を気にしないでも鑑賞出来るのは美点だなと思います。
キャンディマンの挙動が中々に面白かったです。昨今のホラーは突然出てきて驚かすというのが定番になっていますが、キャンディマンは5回呼ばれたあとに殺しにくるので、鏡にニュっと映ってそこから殺しにかかってきます。とっても安心仕様でビビりな自分への救済措置でした。殺し方はかぎ爪で首やら足やらを引き裂くという感じでパターンこそは少ないですが、一撃一撃の殺傷性が半端ないので飽きることはありませんし、画面がズームアウトしながら殺すという斬新な魅せ方もあり、工夫してるなと思いました。
主人公アンソニーがキャンディマンになっていく過程の手を切り落とし、鉢を纏い、かぎ爪を突き刺すという荒唐無稽なことを平気でやってのけるあたり映像映えしていてとても見応えがありました。
ジョーダン・ピールらしい社会派ホラーにも仕上がっており、血統や伝統の縛り、人種間の問題もホラーを食いすぎずに描いてあるので、胃もたれせず観ることができむす。
あと途中途中挟まれる影絵のクオリティが素晴らしいです。人力と分かりやすいけれどテクテク動きますし、エンドロールも一切飽きさせずにストーリーを影絵で振り返っているのも凝っているなと思いました。
正直色々な設定はガッタガタだと思います。名前を5回言ったら死ぬというルールは途中から言ってもないのに関連人物は雪崩れる様に死んでいきますし、アンソニーの母親はいくらなんでも若すぎますし(お姉さんがジャスト)、謎の空飛べるよ飛び降りお父さんだったりと割と難解なものがありました。
でもそこを除けばサクサク進むテンポのいいスラッシャーコメディとして楽しめました。下手したらDVDスルーされそうな本作を大スクリーンで楽しめるなんて貴重な機会、そうそうないので噛み締めておきます。♪キャンディマ〜ン
鑑賞日 10/16
鑑賞時間 18:50〜20:30
座席 R-27
【ネタバレですね】結局は黒人差別の怨念な訳ね。オープニングとエンディングのデザインが秀逸。
いきなり冒頭のユニバーサル、MGMのロゴが反転して、鏡を象徴する。キャンディマンの歌声もロゴの時点から被さる。
最初の黒人少年の1977年のエピソードから、スタイリッシュなオープニングテーマで始まり、エンディングも影絵の手法で魅せてくれる。最初と最後がスタイリッシュなのは好感持てる。「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」スピルバーグ思い出した。ただ土曜のレイト・ショーで客8人だけは寂しいねぇ。
キャンディマンの怖さよりも、実際に似たような史実があったであろう、1800年代の、理不尽な黒人へのリンチ制裁。酷い差別だ。
その後の黒人の受難が想起されてイタイ痛い。いたい。
地縛霊のような、土着の都市伝説。興味を持った黒人アーティストは、実は出生の秘密を抱え、キャンディマンに取り憑かれていく。宿命のようなモノだ。
挿入される壊れた白人大学院生の話から、どんどんその鍵手で人をあやめて行くキャンディマンの呪縛に囚われて行く。一見想像の産物かと思わせるが、実際に鏡に向かって「呪文」を唱えた人間、大量にヤられているので、リアルな恐怖ということだろう。
最後には蜂に刺された傷が、どんどん膿んで行く主人公画家ににキャンディマンが憑依し、最後は警官に憑依したのか?もう大混乱。なんで黒人の怨念が黒人を襲うのだろう?意味ワカンネ?
初めから、ホラーで、怪物のために大量の血が流れるのが前提で皆観客は観ているので、予定調和であんまり怖くない。何だか、迫ってくる恐怖というか切迫した恐怖、暗闇から不気味に現れる恐怖、そういったものがイマイチ感じられない。
それとアメリカは大学図書館、一般人も極秘資料借りられるの??なんか大雑把なアメリカらしくはあるけども、なんか変?最終的にはあんまり「怖いもの見たさ」充足できなかったよ。
悪名高い、シカゴを舞台に導入から期待感を抱かせただけに残念。それに最後の警官襲ったキャンディマン、一体誰??取り憑かれていた画家アーティストではないし・・・それと人種差別の意図ではなくて、黒人俳優、特に女性、区別つかねぇよ!恋人かと思ったら母親だし・・・あと家だか高級マンションだか場所がイマイチわかんねぇよ。
職業画家というよりボディービルダー
主人公さん体が仕上がりすぎていて画家には見えなかった。
だらしない体が見たいわけではないですが程度問題ですよね。
ママンは美人で若く見えすぎて母には見えなかった。
途中だれ気味だがまあまあおもしろかった。
最後の群れたハチの中から現れた顔が誰だか判らなかった。
【"近現代のアメリカに蔓延る差別思想が産み出した哀しき化け物。"ホワイトアメリカに対し、激しい怒りを叩き付けたブラック・ライヴズ・マター社会派ホラー映画。】
ー 劇中、キャンディマンに虐殺される人々は、全て白人である。警察官も含めて・・。ー
◆感想
・冒頭、1977年に、シカゴの”カプリーニ・グリーン地区”の公共ランドリーで起こった事と、それ故に新設されたランドリーに残った怨念。
そして、ラストシーンとの対比の妙に唸る。
ー 冒頭のシーンの叫び声には、途中まで、完全にミスリードされた。
そして、駆け付けた白人警官達の姿。
容易に近年多発する白人警官による、黒人殺害事件を想起する。ー
・そして、”カプリーニ・グリーン地区”が消滅し、新たに建てられたマンションに住んでいる黒人のアーティスト、アンソニーが作品が描けないスランプの中、憑りつかれた都市伝説。
ー 少し驚いたのは、ヴァネッサ・ウィリアムスが絵画評論家として、出演し、望遠であるが、殺されるシーンが映し出された事である。
良く、引き受けたなあ・・。
作品コンセプトに共感したのであろうか。
画廊を営む白人カップルの女性が、大きな鏡の前で虐殺されるシーンで着ていたTシャツにプリントされていたのは、「ジョイ・ディヴィジョン」の”アンノウン・プレジャーズ”である・・。
シニカルだなあ・・。ー
・頻繁に描かれる“蜂”
アンソニーも”手"を蜂に刺され、徐々に皮膚が化膿していく。爪は剥がれ・・。
そして、自らの身体の変容と共に、彼自身の思想も、キャンディマンの恨みに侵されていく。
ー あの”蜂”は”ベルゼブブ”であろうと、勝手に解釈する。ー
<ラスト、完全にキャンディマンに成り代わったアンソニーが、且つて自分を叩きのめした”白人警官達”に報復するシーン。
”ホワイトアメリカ”に対する強烈な社会的メッセージを込めたホラー作品である。>
なにがなんだか
結論から言うと、怖くもなく、面白くもないホラーでした。ピールさんは徹底的に人種差別を描きたい人なので、キャンディマンはカスな白人を成敗する怪人かと思ったらそうでもないみたいだし、事前情報が無いと何が何だかさっぱりわからなかった。どうも以前製作された作品と繋がっているとか。勝手にリブート作品と思いノーチェックで行き失敗しました。ただ今回虐げられた黒人の気持ちを表現ではなく、この主人公のように満ち足りている黒人が、一儲けのためにポリコレを使う事の皮肉を描いている事は理解できた。
にしても、刺されてあんだけ腫れてるのに医者に行かないとか、空を飛べると思っていたお父さん必要?とか、ママ若すぎないですか?とか、そもそもなんで鏡の前じゃないとダメなのか?この辺も前の作品を見ればわかるのでしょうか?
怖くないので途中睡魔に襲われたり、斜め前のオヤジが鼻マスクで終始咳き込んでいてキャンディマンよりこっちの方が恐怖を感じました。
作家性という罠に陥ってしまった作品
今回は、監督ではないけれども脚本と制作で
ジョーダン・ピールが関わっている。嫌な予感はしていたんだけど、ホラーとしては全く怖くない上に、ストーリーとしても全く面白くない。黒人差別に対する啓蒙活動は称賛に値するが、作品が面白くて記憶に残らないと、肝心のメッセージが伝わらない。
アートギャラリーという舞台装置があるんだからいろんな仕掛けを用意できる思うんだけど、誰でも思いつくようなホラーメソッドしか用意されていなくて退屈してしまった。
かなり良かった
スラッシャー映画とは思わないで見るのがいいと思う。
社会派ホラーという前提で見ると、なかなか面白い。
過去作を今こう作り直すこと自体に、意図的に意味を持たせた映画という感じ。
グッドでした。
スタイリッシュホラー
都市伝説として伝わる不気味な存在“キャンディマン”に執着したことで次第に自分を見失っていく主人公を中心に、残酷で凄惨な描写を映しながらも、どこかオシャレな雰囲気と演出を纏い、B級ホラーとはまた違った楽しみ方ができました。
キャンディマンが現れる条件は「鏡に向かって5回名前を唱える」というシンプルでキャッチーなもの。テンポよく進みどんどん殺されていくので、ハラハラが続き飽きがこないのもナイス。だんだんと明らかになっていく都市伝説の真実という謎解き要素も面白かったです。
この物語の背景には黒人への差別の歴史が敷かれていますが、深く考え過ぎずに身を任せて楽しむのもそれはそれでアリだと私は思います。
これまでのシリーズを観ていないので理解しきれていないところもありそうですが、個人的には今作単体でもドキドキ楽しく観れました。
キャンディマンの物語
元になった作品は鑑賞してません。
キャンディマンというキャラクターを作り上げるまでの物語の様で「キャンディマン ビギニング」って感じでした。
ホラー作品には作品ごとのキャラクターが居るがどうしてその怪物が作り上げられたのかという要素を丁寧に語られることは少ないのだが、この作品はその点に比重を置いて作ってます。
なのでホラー作品なんだけど、脈々と積み上げられた人間の物語となってます。
やはり1番怖いのは人間なんだなあって感じました。
ホラー苦手な人にも安心設定
ホラー映画の何が苦手かって、いきなり登場して驚かすというアレがダメ。最近はそういう怖がらせ方が少なくなってきた印象で助かる。本作も鏡にキャンディマンが映ってから襲ってくるので心の準備ができる。ホラー苦手な人にも安心設定。
驚いたのが、キャンディマンが殺すところをマンションの外(しかも結構遠め)から窓越しに描写するシーン。怖がらせるというより、映像として面白いものを撮ろうとしたのが伝わってきた。
前作をまったく観ていないのでわからない部分もあったし、最後も微妙な終わり方ではある。ただ、単純なホラーではなく、人種差別を扱った話としていたところが面白かった。だから黒人は殺さなかった?(殺したシーンを覚えていないだけ?)
ホラー苦手な人に安心設定だけど、元々のホラー好きにはどうだったんだろう。少し気になる。
ああ 幸せの 蜂よどこへ お前はどこへ飛んでいく…
コツコツとガラス窓に刻む 蜂の音を聞いているたびに 俺は俺であり続けたい そう願った みたいな長渕剛的な話。なんか、ならず者の男が狂信的になったらこうなりますわなという。
ホラー映画耐性がない自分ですが、全然いけました。そういう意味でいうとホラー要素はかなり弱めじゃないでしょうか。そこを期待しちゃいかんという感じで。
じゃあどうしたものかと。予告編作るの難しいオブザイヤーかもしれん。
ゲット・アウトもアスも好きだけど、好きなのはその設定自体、ストーリー自体がすでに面白くて、そこに人種差別という社会的なイシューが加わってくる重層感だったんですが、今回はブラック・クランズマン的な社会的問題が前傾化しすぎて、それはそれで考えさせられる問題だということは前提だけど、娯楽作品として諸手を挙げて面白かったかといわれるとそこも期待値よりは弱めだったかな。面白かったしもう1回見たいんですけど。
タイトルバックの出し方、鏡と影(白と黒の対比)、エンドロールのアニメーションなど好きでした。
全84件中、61~80件目を表示