劇場公開日 2021年10月8日

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「やや解説不足は目立つが、他に比べれば…+(おまけ)他作品との兼ね合いなど」PITY ある不幸な男 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5やや解説不足は目立つが、他に比べれば…+(おまけ)他作品との兼ね合いなど

2021年10月13日
PCから投稿

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 (※) 採点上、特定の他の映画の話をどうしてもせざるを得ないのですが、それは採点・評価の上の話であって、その「特定の映画」についてどうこういうつもりはないことは断っておきます。
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今年139本目(合計203本目)。

 今週、この映画館をやっているのはミニシアターが多く、今週(先週の金曜日から、の意味)では「特定の問題」(※/以下、※と書いた場合、採点最後の「他事考慮」の部分です)を考慮する必要があります。

 この映画はまず理解の難しい映画です。ここの特集や予告で「妻が不慮のトラブルで昏睡状態になって、最初はその夫(主人公)をあわれんで、いろいろサービスしてくださったり(あのケーキ、おいしそうですね…)していたものの、どんどんとその興味関心が離れていくどころか避けていくようになると、主人公が発狂して…」という趣旨になろうかと思います。
より詳しくは、おそらく医学的にはああいうのは何らかの精神疾患になるのでは…と思うのですが、そこまで映画内で描かれていませんし(お医者さんがそういう趣旨のことを話すシーンはない)、そこもセンシティブな話なので避けておきます。ただ、パンフはあってもよかったのだとは思いますが、仮にあっても…(以下、他事考慮にて)。

日本では珍しい類型の映画だと思うし、確かに扱う範囲としては非常にマニアックで、理解がしがたい点が多数あるのも事実ですが、一応ストーリーが成り立っているとは思える点(ただ、やはり、理解は難しい…)などを考慮すると、「文化が違いすぎて(観た方はご存じと思いますが、日本から遠く離れた国の2国合作映画です)理解できなくても仕方なし?」という類型にも思えます(それで説明が長くなりすぎて180分コースとかというほうがまたコロナになるのもあれなので)。

評価ですが、下記が気になったところです。

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(減点0.3) 上記に書いたように、ミニシアター中心で事前の情報を得にくいことと、何を言わんとするか理解が難しい(ただ、支離滅裂ともいえない)ところはあります。
ただ、この映画、アメリカ映画でもありません。つまり英語ではないので、字幕の抜けなども補えません(ギリシャ語?)。その割に、主人公がピンクに近い白色のシャツを序盤にきていたり、ピアノを弾いたりするシーン(いずれも、背景が白くなる)で、字幕が完全に同化している(そこで、さらに常用漢字外の読みにフリガナがふられていても、読めない…)ところが少なくとも3か所あります。

 こういう点はちょっと惜しいというか、「趣旨的に理解しがたい」上に、さらに混乱を招くので、何らか工夫(当該部分は字幕を縦にするなど)が欲しかったです。

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(減点なし/他事考慮) この映画はこのような理由で、理解が非常に難しい映画です。よって、パンフレット購入などは必須になるのではないか…と思えます。ただそこで問題になるのは、この映画がミニシアター中心というところ(大阪市では現在2つ)。

 そこで問題になるのは、まぁ、名前は出しませんが、「アニメ映画に一応は分類されうるが、およそ子供はいかないであろう映画」をミニシアターがどんどんやっていて、「パンフレットすら買えない」状態にある点です。中には、シアターが2つで、1日12放映のうち4放映が「その映画」というところさえあり、グッズ売り場の大半が「その映画関係」になっている状態で、パンフレットはどこですか?というところさえ苦労します(その「その映画」を見た「特定の方」がざっと集まるので、近寄ることさえできない)。

 来週(厳密には、暦では今週の(金))からも同じ状況で、いわゆるミニシアターでやるような映画も1日1回等となっており、それらが妙な時間帯に振られているかと思えば、「その映画」はやはり4回もあって「英語版」まであったり(誰が見に行くの??)、「なんだかなぁ…」というところです。

 去年(2020)の1回目の緊急事態宣言では有無を言わさずミニシアターも全部しめさせたため、抗議が殺到して ミニシアター中心で save the theater (映画館を守ろう)という活動をされていたのですが、それ自体は趣旨も理解するものの、今度は一応、憲法上、営業の自由(22条)などあるとはいえ、「「その映画」の類型ばかり」延々と流されたら、さすがに次に何かあって save the theater だの何だのになっても、それでは賛同を得がたいのではないか…(一切流すなというのではなく、他の作品との放映バランスが極端にアンバランスに過ぎる)というため息しか出ないです。

 この映画はこのような「その映画」をミニシアター中心に「同時に」、今週も来週もずっとやるとなると、ただでさえ理解が困難な映画がさらにパンフレット購入などに支障をきたすほど集まり始める状況と化しており、パンフも買えないとなると、正直どうしろという話で、「妙なところで」減点した方もいるのではないか…と思います。
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yukispica