「ドラゴンボール三国志」映画 真・三國無双 バラージさんの映画レビュー(感想・評価)
ドラゴンボール三国志
有名なコーエーの3Dアクションゲームの映画化だが、僕はゲームのほうは1度も遊んだことはない。ゲーム画面を何かで何度か観たことがあるだけだ。日本だけじゃなく本場中国でも映画になるほど人気なんだなあ。
大まかなストーリーは基本的に『三国志演義』ほとんどそのまんまで何のひねりもない。唯一のオリジナル要素は、不思議の森の女王みたいな人(演じてるのは香港のベテラン女優カリーナ・ラウ)が劉備・関羽・張飛や曹操や呂布に霊力の宿った武器──要するに魔法の武器みたいなの。方天画戟とか青龍偃月刀とか蛇矛とか──をくれるとこぐらい。ただ、それだけに三国志を知ってる人なら取り立てて難しいことを考えず気楽に観ることができるんで、アクション映画としてはそれで正解なんだろう。
やはり目玉はアクションシーンで、大量にチャイナマネーかけてCGとワイヤーアクションを使いまくったバトル&合戦シーンがすごすぎて笑っちゃうほど。ゲームのシーンを忠実に再現してると思われ、もうほとんど『北斗の拳』とか『ドラゴンボール』とか『聖闘士星矢』とか『魁!男塾』とか、ああいう世界。ゲームの忠実な再現だとも言えるが、曹操や劉備三兄弟の一撃で敵兵100人ぐらいが一辺に吹っ飛ぶとか、呂布が方天画戟を一閃すると稲妻が走って山が半分吹っ飛んじゃうとかもう無茶苦茶。終盤はみんな空飛びながら戦ってるし、もう完全にスーパーサイヤ人同士の戦いだ(笑)。でも、なんかいい意味で馬鹿馬鹿しくて面白かった。董卓が戦場でばんばか敵兵を切りまくるという三国志ものでは意外にちょっと珍しいシーンも観れるし、劉備が二刀流で呂布と互角に戦うなんてシーンを見るのはマンガ『天地を喰らう』以来なのでは? そして東映特撮ヒーローもの風味もちょっとあった。仮面ライダーとか戦隊ヒーローみたいな感じの。考えてみれば東映ももともと時代劇の会社だったし、時代劇と特撮って表現が近いのかも。
お話は虎牢関の戦いまでという三国志的には本当に序章って感じなんだが、映画としては無理に話を進めず良いところで話を区切ってる(実際、アクションがすごすぎるんでお腹いっぱいになった)。終盤に出てくる貂蝉(演じてるのは新疆三大美女と呼ばれてるグーリーナーザー)も顔見せって感じで、あわよくば続編狙ってるのかも。まあ期待してなかったわりには結構楽しめた。意外になかなか面白かったです。

 
  